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#264 燃え尽きる前の対策が必要です

「あの子、最近授業で見てないね。」
「あの子、バーンアウト症候群中だよ。」

とある学生時代の一コマ。

私はこの友人から
「燃え尽き(バーンアウト)症候群」
という言葉を知りました。

その学生は、学園祭に人一倍
熱心に取り組んでいましたが、
学園祭が終わったことで、
急激に意欲を失ってしまったようでした。

このような現象は、大学生独自のものではなく、
社会人でも同じことが起こりえます。

今回は、この
「燃え尽き症候群」についてお伝えします。

1.燃え尽き症候群とは

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燃え尽き症候群とは、

今まで熱心に物事に取り組んでいた人が、
急に熱意や意欲を失ってしまう

状態を指す言葉です。

本人の心のエネルギーが失われることで、

✓ 無気力・無感動になる
何に対してもやる気や重要性を感じられなくなる
相手にぞんざいな対応をする

といったことが起こります。

具体的には、

・欠勤や遅刻が増える
・対応にミスが増える、雑になる
・人とのコミュニケーションをとろうとしなくなる

といった状態になります。

学生時代は、授業を休むことで乗り切っていた(?)
としても、社会人はそうもいきません。

無理して出勤する人が大半でしょう。

しかし、その状況が続けば勤務態度や対人関係がすさみ、
職場にいけなくなる、ということもあります。

2.燃え尽き症候群の原因

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仕事では、大学のような一大イベント、
体育祭や学園祭のようなものはありません。

一大イベントでなければ、
どのようなことがきっかけで起こるかというと

✓ 個人の要因
✓ 環境の要因

このどちらかに変化が起こることで、
私たちは燃え尽き症候群に陥る可能性があります。

個人要因は、
個人的なストレスや仕事に対する捉え方・感じ方
原因になりますし、

環境要因は、
仕事内容や職場の状態、評価システムといった
企業の風土が原因となります。

特に環境要因が与える影響は大きく、
どちらかの特徴がある職場は特に注意が必要です。

✓ 努力に対する評価が低い
✓ 公私の境界線がない

(1)努力に対する評価が低い
このような状況がおこっている会社は
意外と多いのではないでしょうか。

「優秀な人ほど負担が大きくなる」
「仕事ができる社員ほど忙しい、業務を丸投げされる」

例えば、よく課題にされるのは、
「長時間勤務≒いつも頑張っている」という考え方です。

仕事ができる人が、他の人の1.5倍の仕事を勤務時間内に
終わらせると「余裕がある」と思われさらに仕事が増えたり、

仕事が遅い人が、毎日何時間も残業をしてやっと1人分の
仕事を終わらせていたら、「よく頑張っている」と思われる。

仕事ができる人から見ると、

・いくら働いても楽にならない
・目に見える成果も出ない(評価・給与など)

という状況なので、
やる気が削がれますよね。

仕事に対するストレスになるだけでなく
組織や上司との関係性にも影響を及ぼします。
 
(2)公私の境界線がない
公私の境目がないと、

「いつ何時呼び出しが入るのかわからない」
「すぐ対応できるよう仕事のことを考えなければならない」

と緊張状態が続きやすく、
心身に強いストレスがかかります。
  
特に「対人関係のサービス業」
このような状態になりやすいです。

実際に営業の仕事は特に
スマホが手放せない、という話を耳にします。

また、医療・福祉・介護、そして教育などの業界は、
業務内容上緊急の事態が発生しやすいと言われています。

責任感ややりがいがある仕事で、
人の命、人生に携わる分、
心に強くストレスがかかることが多いです。

3.会社で対策したいこと

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もし職場の環境によって
燃え尽き症候群に陥る人がいるのであれば、
会社として対策を考える必要があります。

例えば、対策として
以下のようなことを検討してみてください。

(1) 個人が仕事を抱え込まない環境を作る
スタッフが燃え尽きてしまう原因として、
個人で大きな負担を抱えてしまうことが挙げられます。

そして、「抱え込む」は仕事だけでなく、
お客様とのコミュニケーションも含まれます。

例えば、お客様の気持ちを自分ごととして感じてしまい、
同じ気持ちになってしまう人は多く見られます。

ですので、職場としては、本人が抱え込まないように、

・業務分担を明確にし、必要に応じて調整する
・時間外に発生した業務の対応に配慮する
・自分と職務上の役割を分ける考え方を伝える

などの対応をしてみてください。

(2) 支援体制を整える
燃え尽き症候群にかかりやすい人は、
自分の許容範囲を越えた状態に
気付けないことがあります。

ですので、スタッフ一人一人が
自分の許容範囲を把握するために、
セルフケアできる環境を整えるのもおすすめです。

会社として

・メンター制度の導入
・残業時間の調整や業務内容の見直し
・業務時間外の連絡に制限を設けるなどのルール作り

などと検討してみてください。

普段接している人からの気付きは、
何よりも大切な指標です。

一緒に働いているスタッフがどのような状況なのか、
客観的にみてくれるメンターのような人を決められると、
サインに気づけるかもしれません。

(3) 評価方法を明示する
働くスタッフにとって
「成果がきちんと評価される」
ことはとても大切なことです。

昇格や昇給について、評価基準が明確で、
スタッフに明示できているかかどうか
再度確認してみてください。

基準が属人的になっていないか、など、
より公平な視点での確認が必要です。

4.まとめ

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いかがですか。

今回は、燃え尽き症候群についてお伝えしました。

燃え尽き症候群は、
仕事にやりがいを感じている
誰もが陥る可能性があるものです。

特に環境要因が大きい場合、会社として
早期に対策をとる必要があります。

また、今回ご紹介した対策の中には
自分自身で行えるものも入っています。

会社として取り組む前に、
あなた自身でもやってみてくださいね。

今回の記事が何かのお役に立てましたら嬉しいです。

今回はこれで終わりにします。
ではまた。

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