#245 「自分は正しい」症候群

自分は正しい

あなたはこう主張し続ける人と話をしたことが
ありますか。

ここ数年の間で「自分は正しい」と主張する人が
激増したという話を耳にしました。

言われてみれば確かに、と私自身感じることが
ありましたので、今回は、「自分は正しい」と
主張する人が激増した背景についてお伝えします。

１．不安や同調が透ける背景

✓ 経済的な不安
✓ SNSの浸透

(1) 経済的な不安
ここ数年、景気が上向いたといわれながら、
多くの人は好景気を実感できずにいました。

さらに新型コロナウイルスの流行がダメ押しとなり、
収入減や失業など、経済的困窮に陥る人が多数出てしまいました。

とはいえ、コロナウイルスを責めるわけにもいきません。

そこで、その怒りの矛先を他の誰かに向けることで
何とか自分を保とうとしている人が増えたのではないでしょうか。

(2) SNSの浸透
例えば、芸能人のゴシップも、
昔はここまでバッシングされませんでした。

それは、時代がおおらかだったことに加え、
自分の意見を簡単に発信する手段がなかったからでしょう。

今は、SNSなどを利用すれば、自分を特定されずに、
相手を簡単に、容赦なく攻撃できてしまいます。

さらには、誰かが誰かを誹謗中傷する様も見れてしまうので、
「それなら私も」と、自分が思う正義を主張する人が
増えたのでしょう。

自分は正しいと主張したことを、誰かに認めてもらえると
嬉しくなってしまい、なかなか辞められない人もいるのでしょう。

恐らく今後も、
自分が正しいと主張する人は出てくるでしょう。

２．なぜ自分が正しいと思うのか

実は、私たちが「自分が正しい」と思い込むことは、
心理学的にも自然なことです。

「誤った判断や記憶」を「合理的で正しい」
と思ってしまうのは、認知バイアスが影響しています。

例えば、

■確証バイアス
自分の仮説や先入観に対して、都合のいい情報だけを
無意識に集めてしまうこと。
一方で否定的な情報を軽視して、自分の仮説や先入観を
強化してしまう傾向がある。

■自己中心性バイアス
自分だけが知っている情報に左右されてしまうこと。
他人も同じことを知っている、同じ気持ちだろうと
捉えてしまう傾向がある。

■後知恵バイアス
結果が分かった後に、あたかも最初から予想できて
いたかのように捉えること。
物事が起こった時に、以前考えていたことよりも明確な
事実になった方を重視してしまう傾向がある。

このような認知バイアスは、状況やその人により
程度が異なるものの、誰にでも少なからず生じるものです。

私達はこのようなバイアスがかかった状態で
あたかも自分が全て正しいと思い込んでしまうことがあります。

自分で気づければいいのですが、
自分の状況に気づけない場合は残念ながら多いです。

そして、どんなにがんばっても
「自分は正しい」と思い込んでいる相手を
変えることはほぼ不可能です。

だからこそ、私たちは自分で対策する必要があります。

３．自分が正しいと主張する人との接し方

このタイプの人と上手く接するためには、
相手に振り回されないことが最も大切です。

(1) 相手を分析する
相手を振り回す人は、感情的になりやすい側面があります。

ですので、こちらは感情で受け止めず、
冷静に相手を分析しましょう。

相手がどのような状態なのかを分析していると、
「ただ自分の自慢をしたいんだな」というように
客観的に相手を見れるので、振り回されることが減ります。

(2) 相手の話を適度に受け流す
相手の話にまじめに受け答えをするのをやめましょう。

相づちを打ちながら聞き流し、
心の中で別のことを考えている、程度で構いません。

特に、「あなたのためを思って」という
耳ざわりのいい言葉は要注意です。

相手の言葉を真に受けるのは避けましょう。

相手と同じように、感情をぶつけるのは疲れるだけです。

気持ちをグッとおさえて、冷静に接することができると
気持ちが振り回されなくなりますので、
よければお試しください。

４．まとめ

いかがですか。

今回は「自分は正しい」と主張する人が激増した背景や、
自分が正しいと思いやすいバイアスがあることをお伝えしました。

社会的背景から、自分を主張したいという人は
今後も増えるでしょう。

そういう相手とは距離を置くのが一番ですが、
付き合わざるをえないなら、相手の話はスルーしてしまいましょう。

もしくは、
「自分を認めてほしいから、こう振る舞っているんだな」と、
客観的な視点で、冷静に観察して上手に接しましょう。

今回はこれで終わりにします。
ではまた。

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