#253 疲労のメカニズム解明!
あなたは、栄養ドリンクのCMから
「疲労回復」の言葉が消えたことにお気付きですか。
「疲労回復」という言葉の代わりに
「疲労感の軽減」という言い方を
するようになってきています。
この変化の理由は、「疲労研究」の進展。
✓ 疲労の原因物質が発見された
✓ 疲労のメカニズムが解明された
✓ 疲労を客観的に測る技術が発明された
というんです。
今回は、専門用語をできるだけ使わずに
疲労のメカニズムについて私が理解できたことを
書き残しておこうと思います。
1.疲労のメカニズムが分かった背景
今回、疲労のメカニズムが分かったのは、
疲労に敏感なウイルスがあることが分かったから。
✓ ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)
✓ ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)
ほぼ100%、成人の体内にいると言われている
この2つのウイルスが、疲労に敏感で、
少し残業をするといった程度の疲労でも、
唾液の中に出てくることが分かり、
唾液の中にいるウイルスの量を調べることで
疲労の有無や度合いを測れるようになったそうです。
あなたは
「難破船の船底に潜んでいるネズミ」
の話をご存じですか。
船が嵐にあって難破しそうになると、
いち早く危険を察知したネズミたちが
船から脱出しようとするそうです。
この2つのウイルスも同じように、
疲労という「ヒトの危険」を察知して、
宿り主から出ていこうとします。
このウイルスが、ヒトの体の
どのような変化を感じ取って動くのかを調べた結果、
疲労のメカニズムが解明されたそうです。
2.疲労のメカニズム
疲労には以下の2種類があります。
✓ 生理的疲労(労働や運動による疲労)
✓ 病的疲労(特に原因がない疲労)
今回は、「生理的疲労のメカニズム」が解明されました。
このメカニズムは、
✓ 運動によって体が疲れる仕組み
✓ 脳が疲れたと感じる仕組み
の2つの仕組みが関係しています。
(1) 運動によって体が疲れる仕組み
体を動かしたときに細胞に負荷かがかかることによって、
乳酸が代謝されますよね。
その乳酸が代謝される時に、体の中で心臓、肺、消化器
などの材料となるタンパク質の合成を担う因子が
リン酸と結びついてタンパク質の生成量が減り、
臓器の働きが低下するのが、体が疲れた状態です。
(2) 脳が疲れたと感じる仕組み
タンパク質の合成を担う因子がリン酸と結びつくと
「炎症性サイトカイン」という物質が作られます。
この物質が脳に作用して「疲労感」を発生させ、
私たちは「体の疲れ」を知ることができます。
※「炎症性サイトカイン」
私たちの体が、異物を察知した際、自ら炎症を起こし
異物を排除しようとする免疫反応が作り出す物質。
これが脳に作用すると、脳は「疲労感」という形で
「休みなさい」というメッセージを発します。
風邪をひいた時などに、発熱して休みたくなるのはそのせいです。
体を動かすと疲労状態になりますが、
「炎症性サイトカイン」の量を抑えると、
疲労感を抑えることができることが分かっています。
3.栄養ドリンクは「疲労感」を抑えるだけ
冒頭で話をした、栄養ドリンクやサプリメントでは
「抗酸化物質で過剰な活性酸素を除去する」
ことが大切だとアピールしています。
確かに、栄養ドリンクやサプリメントに入っている
「抗酸化物質」は疲労感を抑えることはできます。
しかし、体の「疲労」を回復することはできません。
このような発見があって、栄養ドリンクのCMから
「疲労回復」の言葉が消えたようです。
同じように、疲労回復に良いとされる食べ物、
うなぎ、ニンニク、牡蠣、緑黄色野菜などは
すべて抗酸化物質です。
疲労感は取れますが、疲労を取ることはできません。
抗酸化物質で疲労感を抑えたまま働き続けると、
疲労は残ったままなので、無自覚に疲労がたまり、
ある日倒れてしまう、なんて危険もあるので注意が必要です。
ただ、先程お伝えした通り、
栄養ドリンクやサプリメントで
疲労感を抑えることはできます。
疲労感を取るのは悪いことではありません。
私たちには、時には疲れていても働いたり、
勉強したりと歯を食いしばっても
頑張らないといけない時もありますからね。
問題は、
「疲労感がない≒疲れていない」
と思って頑張りすぎることです。
栄養ドリンクを飲んでも、
滋養強壮にいいと言われている食べ物を食べても、
ちゃんと寝て、休む日を作ることが大切だ
ということを忘れないでくださいね。
4.まとめ
いかがですか。
今回は、世界で初めて発見された
疲労のメカニズムについてお伝えしました。
いくつかの記事をみながら自分なりに
理解して書きましたが、もし間違った
解釈をしていましたら申し訳ありません。
その時は、そっと教えていただけると嬉しいです。
最後に、疲労回復物質をお伝えして
今回は終わりにします。
疲労回復物質は、
✓ 「ガンマーオリザノール」という米ぬかの成分
✓ 納豆とチーズに含まれている「ポリアミン」
だそうですよ。
なかなかピンポイントですが、納豆やチーズを
意識して食べようかなと思います。
ではまた。
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