学校教育で身につけたい知識(宣言的知識と手続き的知識)
知識には、2つの種類があると言われています。1つ目は、情報を理解したり、知ったりする「分かる知識」です。2つ目は、自転車に乗ったり、箸を使ったりする「できる知識」です。
1つ目の「分かる知識」のことを宣言的知識と言い、英語学習においては、単語を覚えたり、文法を意識的に勉強することです。この「分かる知識」は、言葉で説明することができます。例えば、過去のことを表すには、動詞にedをつけると説明することができます。
一方で、「できる知識」のことを手続き的知識と言います。ある程度英語が使えるようになると英語を話す時に、わざわざ「goの過去はwentだ」などと文法的知識を意識しないで使うことがあります。この感覚的な知識は、説明しなくても、使うことができています。
◎次の文の( )に当てはまる文字は何でしょう?
昔々あるところにおじいさんとおばあさん( )いました。おじいさん( )山へ...おばあさん( )...。
「が」と「は」の使い分け。この使い分けには、色々とルールがあります。新情報は「が」、旧情報は「は」というのもその一つです。
私たちは、そのルールを知らなくても日本語を使っています。これが、「できる知識」手続き的知識です。
この手続き的知識は一度身につけるとなかなか忘れません。例えば、自転車に乗れるようになるためには、かなりの時間がかかりますが、一度乗れるようになると、1年乗っていなくても、乗れるはずです。一方で、「分かる知識」である宣言的知識は、どんどん忘れていきます。
これらのことから、子供のころにいろいろなことを体験させて活動的に学ぶ機会を多く与えることが非常に大切です。人が説明できることは、わかりやすく、納得感が大きいため、教える側も教えられる側もその時の満足感は高いかもしれません。また、活動することが多い体験型学習では、短期間での満足感は得られないかもしれません。しかし、身になることを考えると、時間がかかっても「できる知識」を身につけさせることが大切ではないでしょうか。