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台湾人になりたかった(2)台湾短期留学

  こんにちは、Mikiです。自己紹介はこちらから。
※この記事は前回の続きです(留学体験記みたいなところがあるので、ここから読んでも大丈夫です…!多分…)。

中文を話す機会がほしい

  大学進学をきっかけに実家を離れたわけですが、「中文の先生」もとい母はいないし、家族と電話することもありましたが毎日じゃないし、留学生もいますが授業の関係で関わる機会も限られていました。留学生全員が中文を話せるわけじゃないですしね。
  専攻も語学関係ではないし、必修の第二外国語は中文じゃないし、とにもかくにも中文を話す機会は激減しました。  

  そこで大学1年生の夏休み、台湾の大学が主催する短期留学(3週間)に参加しました。自身の大学経由でもなんでもなく、『台湾 短期留学』で検索して見つけたものです。
  ここで私の中文は過去最高に伸びまくります。

留学体験記

恵まれた環境

  留学となると、現地の滞在先や授業環境によってその質が変わってきます。
  多くの生徒が大学の寮や、自分で取ったホテルという中で、私は母の実家から通うというチートぶり。母の実家には祖母とそのヘルパーさん(インドネシアの方)だけなので中文話し放題。
  さらに祖母は幼少期に日本語で教育を受けていたので日本語もペラペラ。なんという安心感でしょう!!さらにさらに3週間のうち2週目からは母が来てくれました。もはや留学というより帰省です笑。


レベルの高いクラスメイト

   初日に面接をしてクラス分けをします。面接と言っても「今日は暑いね」とか、「留学の間はどこに泊まっててどうやって学校まで来るの?」とか、「中文勉強してどのくらい?」みたいな質問に答えていく感じでした。
  そして面接の結果、一番上のクラスに入れてもらえることになりました!(実は、「一番上だとキツいかもだけど中級は知ってることばかりでつまらないと思うよ」と面接官の方に助言され、選択させてくれました)。

  さすが一番上のクラス、鬼強メンツです…
台湾に1年間留学してたお姉さん
現在台湾の大学に留学中のお兄さん(留学期間中に同大学の短期留学イベントに参加したらしい)
十何年も中文を勉強しているおじいちゃん
中文ペラペラ、オーストラリア出身のおじさま
・ハワイ出身の日系アメリカ人、日本の某有名私立大在学、中文勉強中のトリリンガル(日英中)お兄さん
・イギリス在住、父がイギリスの方、母が台湾の方で中文ペラペラお姉さん
・私と同じく母が台湾人同じく母方の実家から通う、なんと大学も同じだと判明したお兄さん

みんなすごすぎ…

  英語母語話者もいるので日本語に逃げることもできません。

我らの共通語は中文。

  オーストラリアのおじさまやイギリスのお姉さんと中文で話せたのは本当に嬉しかったし楽しかったです(英語はなかなか単語が出てこないのでなおさら)。

お互いに母語じゃない言葉で話す。

英語だとよくあることですが、私は中文で先に経験していました。


初めての「中文の授業」

  そんな鬼強のクラスメイトとともに授業は進みます。

  言語には、話す、聞く、読む、書くの4技能あるということは周知の事実かと思いますが、私のこの時の実力はかなり偏っていました。中文は、母を始め親戚たちと意思疎通するためのものだったので、基本的には話す、聞くのみ。漢字のおかげである程度意味は分かるものの、読み書きはからっきし。

こんな感じ↓
聞く >> 話す>>>>>>>>読む≧書く

  そう、ライティングとリーディングが一番できないという、日本の英語教育の真逆…(ゴホゴホッ)

 しかし、今回の留学で生まれてはじめて「中文の授業」を受け、話す聞くはもちろん、読み書きがどんどんできるようになっていきます。

  朝の挨拶やペアになって話したり、クラスメイトの発表を聞いたり、教科書を音読したり、作文したり、宿題を添削してもらったり…
  そんなよくある「授業」が私にとってはすごく新鮮でした。

  今まで発音しか分からなかった単語の漢字を知ってその意味をより理解できたり、漢字で意味は分かるけど発音できなかった文章も読めるようになったり、自分の言いたいことを文章で伝えられるようになったり…
  今までふわふわしていた知識たちがどんどん繋がっていって、楽しくて楽しくて仕方がなかったです。
  ちなみに中文の授業は午前だけで、お昼は先生や友だちと外に食べに行ったり、午後は文化体験で習字をしたり、校外学習でみんなでバスに乗りちょっと遠出したりしたのもすごく良い経験になりました(眠くなる午後に授業がないのは本当にありがたかった…)。

  また、この頃ピンイン*と注音*を覚えはじめた私は、絵本が一人で読めることにいたく感動しました(台湾の絵本には注音がルビとしてふってあることが多いです)。
  それまではやはり読めない部分は母に聞いたり、最初から母に読み聞かせてもらったり、中文を読むことは母がいないとできないことだったのです。
  それがピンインと注音のおかげで一人でも正しい発音が分かるように!!嬉しくて嬉しくて、台湾の古本屋で注音のふられた絵本を買って帰りました。

実際に買った絵本の写真↓

↑怠け者のお話集↑
※この絵本は横書き。注音は基本的に、文字の右側に縦書きで書かれている。
(PCで縦書きを出すのは至難の業なので、下記注釈の注音が横書きなのは勘弁してください…)

*ピンイン(拼音pīn yīn / ㄆㄧㄣ ㄧㄣ):
《(中国語)》中国語の音を表音文字で表したもの。特に、1958年公布の漢語拼音方案に基づいて、普通話(現代中国の共通語)をローマ字で表したものをいう。

Weblio辞書より

*注音(zhù yīn / ㄓㄨˋ ㄧㄣ):
注音符号(ちゅういんふごう、ちゅうおんふごう、繁: 注音符號、拼音: Zhùyīn Fúhào チューインフーハオ)とは、中国語の発音記号の一つ。現在は主に台湾で用いられる。先頭の四文字「ㄅㄆㄇㄈ」からボポモフォ (bopomofo) とも呼ぶ。

Weblio辞書より


楽しいものからすべきものへ

  こうして私は中文の読む、書く、話す、聞くの4技能をメキメキと伸ばして、中文を自分のものにしていきました(ちなみにこの留学後、中国語検定3級をリスニング満点で合格!イェイ!✌️)。

  中文が分かることがとにかく楽しかったこの頃。

しかしある出来事をきっかけに、私にとっての中文は

「分かると楽しいもの」から

「分かるのが当たり前」
「分からなくてはいけないもの」

に変わってしまいました。


台湾人になりたかった(3)祖母の葬儀に続く

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