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【クイックレスポンス】聞かれたことにまっすぐ答えてますか?(3)

【クイックレスポンス】聞かれたことにまっすぐ答えてますか?(1)
【クイックレスポンス】聞かれたことにまっすぐ答えてますか?(2)

夏休み中のクイックレスポンス練習部屋に来てくれていたS君(小4)。
もう何を聞かれても、その迅速さと的確な答え方に私たち大人は脱帽です。

実はS君のお母様は、私たちがやっている「ママのためのランゲージアーツ講座」の第一期生で、毎日の子育ての中にランゲージアーツを落とし込んで実践されておられます。

つい先日、お母様からこんな嬉しいご報告をいただきました。

Sが「パパ、クイックレスポンスやろうよ!」と遂に夫を巻き込みました。

まず型で、
「『あなたは〜が好きですか?嫌いですか?』って聞かれたんだから、『はい好きです』でいいじゃん」の夫の言葉に、

「英語教室の先生に英語でDo you like〜?で、yes!だけで答えたら『No!because〜』で訂正された!だからちゃんと『私は〜』と主語を入れて答えて!」との指摘。その時点で私は涙ものでした。

「あなたはカレーが好きですか?」の質問に、「好きです」と答えた夫が「カレーの味が好きだからです」「ご飯ととても合うからです」「食欲が出るからです」と理由を言いました。

するとSが「カレーの味が好きとは、どんな味のことですか?」「食欲が出るから、というのは、カレーのどんな部分が食欲を出してくれるんですか?」と質問。

夫は味には答えてましたが、食欲に関しては「分かりません」と答え(面倒くさくなったらしい)、「食欲を出す、ということとカレーがどう関係するのか考えてください」と迫っていました。

このご家庭では、

ランゲージアーツにあまり関心のないお父さんに直接アプローチしても埒が明かないと判断したお母さんが、毎日息子さんと二人で一緒にクイックレスポンスに地道に取り組み、ついに息子さんがお父さんも巻き込むようになってきた・・・

という流れです。

我が子からの誘いは、断れませんものね!お母様の作戦と地道なトレーニングの成果ですよね。このまま続けていれば、先日書いた「問答型のレトリック」が確実に身につくはずです。

このクイックレスポンス、大人も続けていけばだんだん上達するのですが、やはり子どもの柔らかい脳のスピードには敵わないなと思うんですよね。

先日ご紹介した三森ゆりかさんのご著書にも下記のように書かれています。

澤田氏の指摘する「羅列型のレトリック」を伝統的に習慣とする日本人が「問答型のレトリック」を身につけ、国際社会で活躍するためには、やはりそれなりの訓練が必要である。しかも訓練はまず母国語で、その形成期(乳幼児期から12歳くらいまでの間)から実施しなければ本当の意味で成果をあげることはできない。「レトリック」はノウハウではなく、ものの考え方そのものだからである。つまり、第二言語である英語の基礎になる母国語・日本語で「問答型レトリック」を身につけなければ、日本人の英語は決して改善されないのである。これからの日本語の言語後術教育は、国際語である英語までを視野に入れて考えてゆく必要がある。(三森ゆりか 著 「言語技術教育の体系と指導内容 明治図書 1996年」58~59ページより引用)

やはり、子どもの頃からトレーニングすることには大きな意義があるようです。問答型レトリックで母語を鍛えあげることは、英語の運用能力までも鍛えることになるということですから。

ということで、クイックレスポンス練習部屋は、平日午前8時半~8時50分、クラブハウスにて行っています。気になる方は、是非、遊びにいらしてくださいね。

本日も読んでくださり、ありがとうございました。

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