【クイックレスポンス】聞かれたことにまっすぐ答えてますか?(1)
この記事にも書いたように、英語を教えている上で、イギリス人夫と私は様々なことを疑問に思っていたんですが、その中でも、
❏質問にまっすぐに答えない。
(関係のない話から入り、結局何が答えなのか分からない。)
という問題は、特に目立っていました。
聞かれたことにすぐに明確な答えを言わずに、「余計な前置き」から話し始めるというパターンがあまりにも多かったのです。
そこで、
この問題を何とかしようと、以前「カランメソッド」という方法を取り入れていたことがありました。
このカランメソッドは、イギリスのロンドンで生まれた英語学習法で、英語初心者の方には大変有効だという定評があります。
このカランメソッド最大のポイントは、講師側の早いテンポの質問を聞いたら、生徒は即座に受け答えしないといけないという、そのスピード感です。
参考までに、比較的初期の頃のレッスン内容↓↓
それから中盤までレッスンが進んだ場合のレッスン内容↓↓
このように、
問われている部分ををそっくりそのまま入れて答えるトレーニングをすれば、その問いにまっすぐ答えられるんだということが理解できます。
ではどうして、日本では前置きが長くなってしまうのか?なぜそんなクセがあるのか?
言語技術教育第一人者である三森ゆりかさんのご著書である「言語技術教育の体系と指導内容」(明治図書 1996年)58ページに、大変参考になる部分がありましたので引用させていただきます。
問答型レトリックとは何か。それは問への答を語りと覚えるレトリックである。それに対して羅列型レトリックとは、問のないレトリック、問があってもそれに答えずに、問に関連して思いつくことどもをそこはかとなく述べ連ねるレトリックある。問う側もそれへの答を期待せず、答える側もことさらに答えようとはしない。(澤田昭夫「国際人教育のために 外国語の習い方」講談社学術文庫154ページ3~7行)
澤田氏は、「日本人が国際社会で積極的な役割を果たしたければ、問答型レトリックを身につけなければならぬ」と結論づけている。
この「羅列型レトリック」というものが、伝統的な日本的な語り方で、
欧米的な語り方が「問答型レトリック」ということなんですね。
レトリックと言う言葉は聞き慣れないかと思いますが、「自分の言いたいことを言葉で表現するときの方法」とでも訳すとわかりやすいでしょうか?
問に関連して思いつくことをどこはかとなく述べ連ねる・・・この日本人独特の話し方のクセが、英語を話すときにもそのまま使われてしまいがちということなんですね。
妙に腑に落ちました。
ここで一旦切って、【クイックレスポンス】聞かれたことにまっすぐ答えてますか?(2)へ続く。
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