見出し画像

【これからのキャリアアップ①】年齢や職種に関係なく「学び」が大事になってきた!

 みなさんはキャリアアップについてどのようなイメージをお持ちでしょうか? キャリアアップとは、地位があがったり給料が上がり収入が増えることだけではなく、できる仕事のレベルが上がったり、自分の能力が向上することもさします。

 長く働いていれば自然と経験が積み重ねられキャリアアップが図られる、そんなふうに考えている方もいるかもしれません。しかしこれは、終身雇用と年功制が当たり前だった時代の、「メンバーシップ型雇用システム」の中でのキャリア観と言えます。メンバーシップ型雇用システムの中では、企業は自社の社員を自社の戦略にとって役立つ戦力となるよう積極的に研修を実施して、スキルを習得させようとしました。しかし時代が変わり企業の成長が当たり前ではなくなった今、「ジョブ型雇用システム(注)」が増えてきました。ジョブ型雇用は、仕事(ジョブ)に対して必要な人を割り当てるシステムなので、一人一人がどのようなスキルをもっているかが明確になっているほうが有利です。つまり、キャリアアップをするためには、スキルアップが欠かせない時代になってきたのです。

 今年(令和4年)6月に、厚労省からある重要な発表がありました。それは、「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」というものです。これをひとことでまとめると、「労働者の自律的・自主的かつ継続的な学び・学び直しが重要」だとして、そのための取り組みのガイドラインを提示したものです。大事なことは、わたしたち働く者は、継続的な学びを通じてスキルアップを図っていくことが必要だと、「学び」と「キャリア」を結びつける考え方を提示したことではないでしょうか。

 実はこれに先立つこと1年前、令和3年3月に厚労省から「第11次職業能力開発基本計画」というものが発表されています。これは5年ごとに発表される、われわれ国民の職業能力開発をどういうふうに進めていくかが書かれている、とても重要な指針です。この中で目を引くのが「労働者の自主的・主体的なキャリア形成の推進」という項目です。この中で国は、わたしたち労働者のキャリア形成は自分で責任をもって取り組むことだと明確にしたのです。

 これら二つの国の方針からわかるのは、わたしたちは「自分のキャリアは自分で作っていく」のだということと、そのために「学びによってスキルを高めていく」必要があるのだということです。そして、実際に働きながら学んでスキルアップを図っていくのなら、教育訓練給付金制度を利用しない手はありません。つまり、「教育訓練給付金制度を上手に使って学び、あらたな資格を身に着けてスキルアップを図っていく」、これがこれからのキャリアアップのやり方となってくるでしょう。

 次回は、なぜこのような変化が起きているのか、企業の側からどんな変化がおきているのかを見ていきたいと思います。

(注)ジョブ型雇用システムとは
職務に対して人を配置する考え方で、その職務に適したスキルや経験を持った人を採用するので事業展開に合わせて機動的に人材を採用することができます。一方、従来の日本での一般的な採用システムは、新卒で一括採用し育てながらふさわしい仕事を割り当てるというやり方で、メンバーシップ型雇用システムと言います。これは「日本型雇用」などと呼ばれることもあります。

・・・04/08/17・・・