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取締役会のこと

会社の上層部の話で私には遠いこと。

しかしCGコードやSCコードを読んでいるとかなりの頻度でこのワードが出てくるため(当たり前だ)、その変遷を知ってみようと思った。

大きな流れが3つある。
1、  アドバイザリーボード
取締役会は経営決定の場所で、実質CEOが言うことは絶対。
王様ゲームか。ほかの役員(社外役員含め)求められる役割はCEOに対するアドバイス。そんなこと大きな声で言えるわけがない。即クビにされてしまうではないか。

2、  モニタリングボード
アドバイザリーボードで反省した人たちが、取締役会は取締役の監督の方に重点を置く必要があるのでは…?という考えを示す。また、2000年代にエンロン事件等、会社のトップ職の暴走で企業不祥事が多発したことから取締役会の中に委員会を置き、モニタリングすることが急速に浸透していく。
これは想像がしやすい取締役会。

3、  ボード3.0
モニタリングボードからもう1歩踏み出した形態。社外取締役が戦略立案に積極的に関わる状態。
いかにも新しく、上二つのように通称がまだない状態。これから時代が流れていくにつれてどんな通称がついていくのだろうか。
洋画でよく見る、社外取締役が意見しているあの様子だろうか。

しかし、3つ並べてみるとなんてよくわかりやすいことだろうと思う。

私の頭の中に浮かんだ、
『モニタリングボードが想像しやすく、ボード3.0が洋画の中の話???』という雑念が、あながち間違っていないということに気づく。

現在の取締役会の最先端の形はボード3.0と言われている。しかし、ざっくりいうと日本の経営形態はモニタリングボードもしくはそれ以下という状態。

欧米の企業と比べると(比べていいのかわからないが)周回遅れになってしまっているということだ。
(日本の取締役会の形態は特殊なため、一概には言い切れないが。)

つまりどういうことか・・・時代遅れの取締役会を設けている企業は海外に出ていったときに相手にされない可能性も出てくるということだ。

世界とのギャップを改善するために、CGコード等を出して日本の政治の人たちも奮闘している。

東証市場改変の記事を見ていると、プライム市場の条件として指名委員会等設置会社を条件にすればよかったのに・・・!という声がたまに聞こえてくる。
これには妙に納得してしまった。

現在、日本独自の取締役会形態をもっていて世界の株主から怪しまれている(?)のに、
「改変しました!プライム市場は世界で挑戦できる企業です!」といっても海外から見るとなじみのない会社形態のままだと、新喜劇ばりにコケたくなる。

「じゃあ、2.0を飛ばして、3.0に突っ切っていけばいいじゃないか。」
そういえば先日参加していたセミナーでこのような意見を聞いた。しかし、これがなかなか難しいらしい。

わかりやすく言うとフィギュアスケートのジャンプのようなもので、トリプルアクセルを決めるにはダブルアクセルが飛べなければならないということだそうだ。

頭ではわかっていても、あと半回転足りない。それが、取締役会でももう何十年も続いているのではないだろうか。

その代表的な壁の一つに人材不足がある。

よく、社外取締役の割合を増やす、3分の1以上~、必要に応じて過半数~と言っているが、日本にある全株式会社がこれを守ろうとしたら、圧倒的に人が足りないらしい。

人間の数としてはもちろん1億2000万人いるから足りるのだが(当たり前だ)、その中でも社外取締役としての看板を張れる知識や経験を持った人と限定すると一人が何社兼任しても足りない。

社外取締役が張れるほどの経験は厳しい日本社会を生き抜いてきた人たちしか持つことのできないものだが、せめて知識はつけられるのでは・・・?

と思うのだが、中間管理職の皆さんはどう思うのだろうか。

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