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金融機関の結託とESGの関係

ESG投資、SDGs投資という言葉はもう聞き慣れた人も増えたのではないかと思う。私は投資したことはないけれども。

やっぱり世界のルールを作るために誰がいち早く行動するかが大事なのはどこの業界?世界?も同じようだ。

企業はESGやSDGsに翻弄されながら頑張っているけれど、金融機関の地盤はどうなっているのか?
なぜそもそも、金融機関がESGと関係あるのか。別に環境汚染や人権侵害しているとは思わないけど…と思っていた最近。

( ゚д゚)ハッ!
それは、企業が株を発行し、集めたお金はどこに行くのかと考えると誰でもわかる。
銀行とかに頼らなければ、経済を回せないのだ…!そう考えてしまうと過去の自分が恥ずかしいくらい当たり前の話。

金融機関側の非財務情報ルールも、もちろん既に確立されていて、最初の大きな動きまでさかのぼると2006年にまでになる。

2006年にPRI(責任投資原則)が国連により設立された。それは、世界中の投資家・投資機関に対し、「これからは企業にお金を援助する君たちもESGに対して責任を取っていかなきゃだめだよ。」というもの。

そして2014年にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)¹がそれに加盟。これは世界的に見てもかなりの衝撃だったらしい。世界で一番と言っていいほど大きなお金を動かす機関が賛同したのだから。

ああ、こんなに早い段階から取り組んでいたのかー。全然意識してこなかった。

そこから15年…
PCAF(金融向け炭素会計パートナーシップ²がようやく世界に浸透してくる。これはパリ協定と金融業界の連携を促進しようというもの。つまりは、気候変動を金融側からも阻止しようというもの。
(報告基準やコミットメントに関しては発展途中ではあるが)最終的には世界の銀行との協力を目標としている。

日本の加盟はみずほ銀行、ニッセイアセット、野村アセットなど投資に全く手を付けたことない私でさえわかるラインナップ。

イメージとしては、日本企業はESGに対してこれから取り組まなければならないなーと思っていたところに、パリ協定、タクソノミー(企業への直接的な圧)が流れ込み、ちょっとピリッとした空気に、PCAF等の金融機関向けの話(企業への間接的な圧)が加わって、バシッと後ろから思い切り背中を叩かれたような感じ。

伝わるかしら?

企業の経済基盤を握る立場からESGのことを大声で言われてしまったら、もう…対応を加速していかなければならないことは明白。

どんどんプレッシャーをかけられてきている企業。

しかも厄介だなーと思ってしまうのが、金融機関の皆さんはノリがいいこと。ギャルかと思う。
世界の大きな金融機関が次々にこの流れに賛同するので、話があっという間に進んでいってしまっている。

金融機関の開示→金融機関が気候変動などを意識し、リスクが高い企業を排除しようとする→企業は排除されまいと自社の非財務情報を改善しなければならない
というような具合でスピードがどんどん速まってきている

(しかし、温室効果ガス削減に関しては、先進国とまだまだ産業をしたい発展途上国で意見が割れることが多々あるのでなかなか進みにくいことがある。COP26で妥協し、議長が悔しがっていたのがいい例。)

ここで、進まないGHG削減とESGを進めたい金融機関の乖離が生じてしまう。

これから、どう加速していくかに注目していきたいですね。

<脚注>
1 GPIF:年金積立金管理運用独立行政法人
将来にわたって、厚生年金保険事業の運営の安定に資することを目的として資産運用を行うユニバーサルオーナー

2 PCAF:金融向け炭素会計パートナーシップ
融資や投資に関連する温室効果ガス(GHG)排出量を評価および開示するための調和のとれたアプローチを開発および実装するために協力する、金融機関のグローバルパートナーシップ

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