見出し画像

お仕事小説!まどうのほし🪐࿐✩.*˚⑪

 😤💢😠😡サスガに怒っちゃうもんね!大噴火 事変 

渡されたハンカチを受け取ったが、悔しくて握りしめた。

「なんで分かってくれないの?分かろうとしてくれないの?」

声を震わせながら、絞り出していった。
顔を伏せていたが、顔を上げた。

かっこよく決めたかったのに、ワンピースのキャラクターの達のように鼻水も涙も、すべての液体を出していた。(私はワンピース観てないのに、この例えをお許してください。垣間見るシーンでそんな感じのキャラクターをよくお見かけしたので、つい) 

この上なく、みっともない。

気づいたら、思っていたことを支離滅裂に叫んでいた。自分の声に段々と興奮して、ヒートアップしたのだ。
は、と我に返った。

でも同時に目の前にいる、こいつがいつものように右に傾いて、禿げているところを相変わらず隠しているのが、どうしようもなく気に入らなくなった。
そしてビックリしてやがるのに、いつものようにぶりっ子のごとく、頬杖をついてマスカラを塗る女かのように口をぽかんとあけ、目をぱちくりさせてるのも、無性に腹が立った。

「人が真剣に話してる時におまえ、バカにしてるのか?いまは禿げてるところ気にしてる場合じゃねーだろ、少しは人の心配しろ!」

思わず、鼻水も涙もすべての液体を吸い込んで、グシャグシャに丸めて、握りしめていたハンカチを、ハゲを隠してる部分に投げつけた。
見事クリーンヒットし、禿げているところがあらわになった。

人事担当は思わず呆気にとられ、何も言わなくなっていた。
周りにいる人たちも驚いている。
気恥ずかしくなって、思わず立ち上がり、

「すみません、もう帰ります」

と言って、店を立ち去った。

私もワンピースを探しに、航海に出たくなった。
この陸地にはもういたくない。


全部で12話完結です!同じ人物の話なので、順を追って読んでください🙇‍♀️

活動の資金にしたいと考えています。応援お願いできませんか?