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雇用統計とFRB金融政策の見通し:年内利下げは0.25%に留まる(エド・ヤルデニ)


 ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ氏を迎えての今週金曜日に発表控えている雇用統計や現在の労働市場、そして今後のFRBの政策金利についてのCNBCのインタビューの内容をお伝えします。
 ヤルデニ氏は、9月の雇用者数は14万人増加すると予測し、賃金上昇が物価上昇を上回っていることが消費者支出の継続的な増加に繋がっているとしてます。一方で、技術革新に伴うスキルのミスマッチが労働市場での課題となっていると主張しています。今後の利下げについては、引き続いて強い経済指標が見込まれるため、11月は、0.25%の利下げの可能性がある一方で、12月は見送る可能性があるとしています。

[主なサブテーマ]

  • 9月の雇用統計と金融政策への影響

  • インフレ・失業率のバランス

  • 技術革新とスキルのミスマッチ

  • 流動性による株価の押上げ

  • FRBの金融政策の見通し




(1)インタビュー


[アンドリュー・ロス・ソーキン](CNBC)
 
今週金曜日に発表される9月の雇用統計に向けて、ヤルデニリサーチ社社長、エド・ヤルデニさんを迎えてマーケットについて話したいと思います。

[アンドリュー・ロス・ソーキン](CNBC)
 今週の雇用についてお話ししたいとのことですが、どんな状況と見られているでしょうか?
 私の考えでは、少なくとも今月のFRBの判断に多少影響を与えるかもしれませんが、絶対的なものではないと思います。また正直なところ、今回の選挙において政治的な影響を与える可能性があると思います。どのようなことが予測されているのでしょうか?

[エド・ヤルデニ](ヤルデニ・リサーチ)
 そうですね、コンセンサスとしては、雇用者数が14万人程度増加するのではないかと見られています。これは、過去3ヶ月の平均と比較して改善しています。ちなみに、過去3ヶ月の平均は11万6千人でした。ただ、賃金が物価よりも速く上昇しているため、実質賃金が増加しており、これが消費者支出の引き続いての伸びにつながっている理由です。雇用の増加があれば、それは良いことですが、賃金が物価よりも速く上昇していることで、全体にプラスの影響を与えているという点が重要です。

[アンドリュー・ロス・ソーキン](CNBC)
 FRBはこの方程式のどの部分をどう考えていると思いますか?インフレ要因と雇用要因がありますが、賃金の要素について話すとなると、少し違った視点が必要ですよね。

[エド・ヤルデニ](ヤルデニ・リサーチ)
 状況は少し違っていて、FRBもそこまで強調していないです。長年この分野で働いてきて、昔からある格言のひとつが『FRBに逆らうな』というものですが、これは今でも有効だと思います。特にパウエル議長は非常にリベラルな姿勢を見せており、インフレ抑制という使命は達成されたと結論づけています。今の焦点は、失業率が上昇しないようにすることです。それ自体は良い試みですが、現実には解雇は非常に少なく、経済は実際には良好です。問題は、求人の数が減少しているため、失業している人たちが長く失業状態にあることです。FRBは、金利を下げれば雇用が増えると考えているようで、それは可能かもしれませんが、労働市場にはスキルのミスマッチがあると思います。もしそうだとすれば、米国だけでなく中国も今、市場に流動性を供給しており、それが株価をさらに押し上げ続けることになるでしょう。

[アンドリュー・ロス・ソーキン](CNBC)
 スキルのミスマッチについて話してもらえますか? それはアメリカ国内だけの問題だと思いますか?それとも世界中で見られる問題なのでしょうか?

[エド・ヤルデニ](ヤルデニ・リサーチ)
 世界的に見ても、明らかに我々の経済は、よりハイテク化しています。成長はそこから来ていますし、モノの生産はすでに高度に自動化されています。これからは、おそらく製造業でもロボットが生産性をさらに向上させるでしょう。そのため、特に技術分野や、少なくとも技術的なバックグラウンドを持った高度なスキルを持つ労働者が必要となります。もしそうであれば、労働者の生産性をテクノロジーでさらに高めるためには、まだ多くの課題が残されています。

[アンドリュー・ロス・ソーキン](CNBC)
 では、2024年末までのFRBの見通しについてどう考えていますか? 選挙の前後に何が起こるか、起こらないかについても教えてください。

[エド・ヤルデニ](ヤルデニ・リサーチ)
 私もコンセンサスに同意していて、ここでFRBに逆らうつもりはありません。FRBは経済成長を維持することに非常に熱心で、それは良いことです。ですので、11月には0.25%の利下げがあるかもしれませんが、12月にはないかもしれません。12月に利下げがないと思う理由は、経済指標が引き続き強いままだと考えているからです。
 先週も、経済成長が上方修正され、国内総生産(GDP)が予想より強く、国内総所得(GDI)も上昇しました。さらに重要なことは、個人所得が上方修正されたことです。人々の貯蓄も増えている一方で、消費も非常に堅調に推移しています。第3四半期の経済成長率は3%で、第4四半期もそのペースで進むでしょう。FRBはすでに十分な対応をしていると思いますが、彼らの発言を見る限り、さらに0.25%くらいは利上げを続けるつもりでしょう。



(2)オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

CNBCより
(Original Published date : 2024/09/30 EST)

[出演]
  Yardeni Research 
    
エド・ヤルデニ(Ed Yardeni)
    President

  CNBC
    
アンドリュー・ロス・ソーキン(Andrew Ross Sorkin)



以上です。


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だうじょん


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