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『スッタニパータ』その② もう時期お盆なので、仏教にちなんで家の宗派の話

 母方の実家は九州の福岡にあって、自分が小さい頃夏に何度か泊まりに行きました。宗派は浄土真宗で、祖父は農業高校の先生で、祖母も教師をしていました。あと、母も伯父も教師をしてて、教育系の家だったんですね。
 祖母は威圧感があって、よく喋る人でした。祖父はいつもニコニコして控えめな人でしたが、肩や腕の筋肉がすごくて、自分を腕にぶら下げてグルングルン振り回してくれた思い出があります。
 お盆には仏壇やお墓を、花や風車等で盛大に飾り付けて、仏壇の両サイドには100本くらいのサイダーとオレンジジュースがキレイに並んでいました。子供心に強烈な印象を残しました。
 あの風習は母方の実家だけではなかったそうで、浄土真宗の教義に関係あるものでした。というのも、浄土真宗では「南無阿弥陀仏」を信じていれば死後は極楽浄土なので、ご先祖さまのいる極楽を派手な飾りで表現しているのです。
 小さい頃のおぼろげな記憶では、「ナンマイダブツー」と唱えながら見えない世界のことを考えたのは、このときが初めてでした。「ナンマイダブツ」が何かもわかっていませんでしたが、ともあれ自分は仏教に初めて関わりを持ったのでした。
 小6の頃に、『漫画日本の歴史』を読んで浄土真宗の宗祖、親鸞上人のことを知りました。また、大人になってから数冊の親鸞関係の本を読みました。親鸞上人は、妻帯していて自ら畑を作って暮らしたらしく、優しくて愛のある人のようでした。挫折の多い信仰人生でも、めげずに力強く生活していたのでしょう。
 しかし、何世代か後に、親鸞上人の語ったことを元に教団が興され、さらに教科書に載るほどの大勢力になるとは、上人も想像つかなかったと思います。
 『スッタニパータ』にあるような初期仏教と較べると、浄土真宗の教えは全く別の宗教みたいです。古代インドで生まれた仏教は、1000年2000年と時代を超えて、また地域も国家も越えて、拡がりつつ変容しながら世界三大宗教の一つとして定着しました。日本人には馴染みある宗教、仏教について、特にその元々の教えが説かれている『スッタニパータ』について、また追々書いていきたいと思います。

            つづく


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