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他人が得をしているのを自分が損をしていると感じる人について 〜soup stockや一蘭の子供サービスの事例〜

はじめに

最近、飲食店で子供向けのサービスとして無料で飲食が提供されることが増えています。多くのお店では、子供連れの家族に配慮して、特別なメニューやサービスを提供しています。
今回取り上げるSNSでも話題になったsoupStockや一蘭(ラーメン屋さん)などもこれらのサービスを行っています。
しかし、このようなサービスを「ズルい」と感じる人々がSNSで声をあげて炎上するという事例がありました。
まぁ、なんとも悲しい人たちだなというのが『僕』の感想です。
この方達は他人が得をしているのを見ると、自分が損をしているように感じるのです。
本記事では、このような人々に焦点を当て、心理学、社会学の手法で迫ってみたいと思います。

今回の事例について

まず、無料で飲食が提供される子供向けサービスについて、具体的に見ていきましょう。多くの飲食店では、子供連れの家族に向けて、子供用のメニューや食器、椅子などの設備を提供しています。また、一部の店舗では、(今回のsoup stockや一蘭など)子供の食事が無料になるキャンペーンを行っています。
これらのサービスは、子供連れの家族に対して配慮されたものであり、お店側のホスピタリティの表れです。
この行為にズルいと感じた人々がSNSで声をあげましたが、soup stockはその後SNSの公式アカウントにて企業としての在り方からのサービスの正当性を正面から語りました。
これについては素晴らしいことだなと感心した次第です。

ズルいと思う人たち

こうしたサービスを「ズルい」と感じる人々は、他人が得をしている様子を見ると、自分が損をしていると感じることがあります。
彼らは、自分と同じ条件で利用しているわけではない他人の得を見ることで、自分が不利益を被っていると感じるのです。このような考え方は、「ゼロサム思考」と呼ばれることがあります。ゼロサム思考とは、他人が得をすることで自分が損をすると考える思考のことです。

では、なぜこのようなゼロサム思考に陥る人がいるのでしょうか。一つの理由として、彼らが自分の利益や損益を他人と比較して評価する傾向があることが挙げられます。彼らは、自分が得られる利益を最大化し、他人が得る利益を最小化することで、自分の価値を高めようと考えるのです。そのため、他人が得をしている様子を見ると、自分が損をしていると感じるのです。

また、このような人々は、不公平感や嫉妬心を抱くことがあります。
他人が特別なサービスを受けていることに対して、自分も同じようなサービスを受けたいと願う心理が働いています。このような感情は、他人の幸せを自分の不幸と捉え、相対的な地位を重視することが原因となっています。

さらに、ゼロサム思考の人々は、自分の価値観や基準を他人にも当てはめる傾向があります。
彼らは、自分がどのようなサービスや待遇を受けるべきかを決め、それが他人にも適用されるべきだと考えます。そのため、子供向けの無料サービスを受ける家族を見ると、自分が受けられないことに対して不満や不公平感を抱くのです。
このゼロサム思考というものは、相対的剥奪、社会的比較という現象と同じような扱いをします。

配慮されたという事実に怒る人たち

こうしたゼロサム思考の人々に対して、どのような対処が考えられるでしょうか。まず、彼ら自身が自分の考え方や感情を見つめ直すことが大切です。
他人と比較することでしか自分の価値を測れない考え方を改め、自分自身の幸せや成長を考えられるようにならなければいけないのですが……、なれないのがこのような人たちです。
こういう人たちは「配慮された」という事実に飛びついて、それについて怒りというか半ば八つ当たりのようなものをしているのです。
このような人たちの思考を形成しているものとしては妬みと嫉妬といった疎外感です。
この疎外感の形成は自分の価値というものを内在的に決められない、つまりは自分が何者かであるかということを自分で決められない人です。
また、包摂された共同体がないため人を信用する、自分を認めてくれる人、仲間や家族、恋人、友人のために何か動けるような関係性をも持たない人です。
そういった人は他人への愛や情などの取り替え可能性の効かないものの包摂を持っておらず、経験もないため人を信用できず孤立します。
そういう人間は友達ができても疑心暗鬼になり、恋人ができてもすぐに寝取られてしまいまた孤立するのです。
人に対して寛容さを持たない人間、それがこの人が得をしていると自分が損をしているように感じてしまう人間の特徴なのです。

ゆえに、他人の幸せを喜ぶことができる「他者喜び」という感情を育てることも有効です。つまりは享楽です。
幸せを感じるという事象は人を幸せにするということができない人間にはできないことなのです。
そんなことはない。
自分ひとりでも美味しいものを食べたり、楽しいことをすれば幸せだという人もいるかもしれません。
しかし、それは自己満足の確認であり、快楽を感じたということに過ぎず、それを「幸福」という言葉にすり替えているのです。
幸せという言葉を考え定義づけていない人間なのです。
その美味しいものも、楽しいことも必ず人が介在はしているはずですから……

これを理解できないのもまた当てはまってしまうから他人の得を自分の損と感じてしまうのです。
その疎外感は外からの刺激で起きるものではなく、御自分の内在性の嫌悪感を他人のせいにしているだけだということを気づかなければならないのです。

……

気づかないでしょうけど……

結語

最後に、飲食店側も、子供向けの無料サービスを提供することについて、適切な情報発信や説明を行うことが求められます。
例えば、無料サービスが家族連れをターゲットにしたビジネス戦略であり、その目的や意義を説明することで、ゼロサム思考の人々の誤解を解くことができるかもしれません。
そして、soup stockはしっかりとその説明責任を果たし、凛とした態度で正面から向き合いました。
これはとても素晴らしいことで、これが企業としての在り方なのだなと感動しました。

まとめとして、飲食店で子供向けサービスとして無料で飲食が提供されることを「ズルい」と感じる人々は、ゼロサム思考や他人との比較による「配慮された」という疎外感が根底にあることがわかります。

飲食店での子供向け無料サービスは、家族連れに対する配慮やビジネス戦略の一環であり、多くの人々に喜ばれるものです。ゼロサム思考の人々が少なくともこのことを理解し、他人の幸せを素直に喜べる社会を目指すことが、より良いコミュニケーションや関係性を築く上で重要となります。

最終的には、互いに理解し合い、共感することで、多様な価値観や考え方を尊重しながら共存できる社会を作り上げていくことが目標となるでしょう。飲食店での子供向け無料サービスが一例として、私たちがどのように相互理解を深め、コミュニケーションを円滑に行うかを考えるきっかけになれば幸いです。
いうならば、個人の快不快に公共性はないのです。
これを読んでもし当てはまるような人がいらっしゃるようでしたら、自分が何に腹を立てていたのか考えてみてください。

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