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I have a book hangover: "My Year of Rest and Relaxation"

昨夜はホクホクしながら眠りについた来輝です。
だって、福岡ソフトバンクホークスが連敗から脱出したんだもの。
あーよかった。ここから逆襲だ。


さてさて。
今回は事前情報なしで読んだ、
Ottessa Moshfeghの「My Year of Rest and Relaxation」のお話。
「最近何もしてないな。大丈夫かな、私。」
と落ち込む日々には、
「ま、冬眠しようと思ってないからいいか」
ってこの本を思い出し、
ポジティブに捉えるようにしてます。
(それもどうなんだかって感じだけど)

この物語の語り手はマンハッタンに住む若い女性。
彼女は画廊での仕事も、コロンビア大学の卒業生という学歴も、モデル並みのルックスも、莫大な遺産も、幸せになるための全ての要素を手にしている。それでも彼女の心にはぽっかりと穴が。幸せになるべきだけど、幸せではない彼女は、薬の力を借り、1年間冬眠することを決意する。

皮肉でダークで大胆な「眠れる森の美女」。
感情もなれけば、努力もしない。
自分の人生を変えているのか、壊しているのか。

話の筋は特になく、ただただ主人公が眠ったり、
誰かが登場してきたりするだけ。
読み始めで慣れない頃は、主人公の行動に驚いたり、
イラつく時もあるんだけど、途中からはなんだか笑えてくる。

2000年から同時多発テロが起きた、
2001年にかけてのニューヨークが舞台になっており、
著者がリアルタイムで経験したからなのか、
その当時独特の空気感が、不思議と文字から伝わってくる。

村田沙耶香の「コンビニ人間」に似ている。
とどこかで見かけたけど、確かに近いものがある。
最近読んだCatherine Prasifkaの「None of This is Serious」にも、
2020年代版「My Year of Rest and Relaxation」の雰囲気を(私は)感じた。

ブラックユーモアの世界に浸りたい方にはおすすめ。

最後にこの作品から、
私の印象に残った言葉たちを。

Sleep felt productive. Something was getting sorted out. I knew in my heart - this was, perhaps, the only thing my heart knew back then - that when I'd slept enough, I'd be okay. I'd be renewed, reborn. I would be a whole new person, every one of my cells regenerated enought times that the old cells were just distant, foggy memories. My past life would be but a dream, and I could start over without regrets, bolstered by the bliss and serenity that I would have accumulated in my year of rest and relaxation. 

"My Year of Rest and Relaxation" Ottessa Moshfegh

この本を要約したらこうなるはず。


I did crave attention, but I refused to humiliate myself by asking for it. 

"My Year Of Rest and Relaxation" Ottessa Moshfegh

暗記してしまうほど、強烈に「分かる!」と思った。


Only the coffee made my heart work a bit harder. Caffeine was my exercise.

"My Year of Rest and Relaxation" Ottessa Moshfegh

私の朝はコーヒーがないと始まらない。


Eileen」というOttessa Moshfeghの作品が映画化されるみたい。
本は前に買ってあるので、読んでみよう。

次回は何について語ろうかしら。
Podcastの準備、頑張るぞい。

Have a lovely day :)
Laica









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