私は猫になりたい。

好きな食べ物は魚介。きのこの山出身。ドイツに暮らして18年。身支度と旅支度と逃げ足がは…

私は猫になりたい。

好きな食べ物は魚介。きのこの山出身。ドイツに暮らして18年。身支度と旅支度と逃げ足がはやい。 苦手なこと、洗濯。頭のなかが主に食べ物の事でいっぱい。趣味は水泳。

マガジン

  • おすすめクラシック

    クラシック音楽、何を体験してみようか、と思った人に楽しめてかつ、人に話したくなるような作品をプロ目線で紹介します。

最近の記事

病欠天国

ドイツで病欠がすごく増えているというニュースがあった。 すごくというのは企業の運営に支障をきたすほどということだ。年平均23日の病欠。三週間以上。その場合の負担は最初は雇用主で、ある程度長くなると、健康保険に変わるのだがとにかくみんなこの病欠システムを使い倒す。 花粉症でやすむんですよ? 寝不足で休むんですよ? 深爪で休むんですよ?? なんなら理由は知らせる必要はない。個人的な事だから。三ヶ月病欠だが、誰もなぜか知らないなんてこともある。フォローのしようがない。労働者の権利が

    • 弟の奥さん

      家族の中で一番最初に弟の奥さんを紹介されたのは、私だ。母ちゃんたちには言うなよ、といわれた。弟はわかっているのだ。うちの親はすぐ騒ぐし、めんどくさい。彼女を紹介した日には、母は結婚式で着る着物を考え始めたり、父は住む家はどうするのか、などと言い始める。 まだひとことも結婚するなんていってなくてもだ。  弟はうれしそうにいかに自分の彼女が面白いかを語った。すごくおとなしーい女性であまり話さないタイプのようだが、弟が嬉々として語るエピソードが、なんだかおかしい。 マイナーなバンド

      • 絵本

        今回、甥たちの家に数泊したので、彼らとベッタリ寝食ともにした。夜寝る時はご本を読むなんて可愛いイベントにも参加したわけだが、甥たちの家にある本がとても気に入った。 皆さんはのらねこぐんだんシリーズをご存知だろうか。 商売を手広くやっているわんわんちゃんに、のらねこ軍団がウザ絡みして、毎回お店が爆発してわんわんちゃんにお説教され、おみせの修理をするという様式の話なのだが、爆発のところで必ず子供は笑い、大人は最後のらねこ軍団が説教されるくだりで笑ってしまう。絵もなんかほっこりし

        • フィンエアに乗る

          今回、帰国するにあたって、フィンランド航空を使った。久しぶりだ。 前は、フィンランド航空は欧州とアジアを最短で結ぶエアラインで10時間くらいだった。緯度が高いところを飛ぶから距離がみじかいのだ。今はロシア上空を飛ぶことができなくなり、その恩恵がなくなってしまったわけだが、いまは北極上空を通過する航路だ。お尻の下だけでも北極を感じるのはちょっと嬉しい。  もう一つの驚きは食事だ。エコノミーの機内食に大きい期待を寄せてはいけない、と思っていたが、帰りの便でお蕎麦が出てきた。昔から

        マガジン

        • おすすめクラシック
          7本

        記事

          可愛い生き物

          日本に帰っていた。去年も帰ったので今年はよそうかとおもったのだが、甥たちに忘れられたくない一心で帰国。 上の子は字が書けるようになったから、短い手紙をくれる。ねえちゃんがだいすきとおもてます、とか書いてあるのだ。下の子もこれまた甘えん坊で、ねえちゃんとおふろはいる、と突然スッポンポンになる。 じゃあ、そろそろ、ねえちゃんおうちに帰るね、と言うとメソメソしだす上の子。びゃーっと泣き出す下の子。胸が痛む。 飛行機に乗る前、別れるのにおでこにチュッとキスしたら、「ねえちゃんとチュウ

          音楽家の愛情表現

          ある日本人音楽家の引退公演を聞いていた。プログラムの中この演奏会で初めて公開される新曲があった。 クラシック業界の新曲は鬼門だ。私たちは古いものがすきで何百年も前の物を掘り起こしては、嘗め回して楽しんでいるタイプの人間だ。メロディーや調性を楽しんで、一定のリズムやその移り変わりをこよなく愛している。どっこい現代音楽とは不協和音や、奏法を逸脱した音、人を不安にさせるようなリズムが書いてあることが多い。(主に演奏家を不安にさせる。) その中にも時々、印象に残るものはあり、百年たっ

          調理実習

          マギーと久しぶりにあそんだ。ママにおひるごはんを作ってあげよう、と約束したのだ。 1.まずは、メニューを相談。 2.スーパーにお買い物。 3.お料理をする。 4.ママに電話をする。 5.みんなでおひるごはんを食べる。 6.おうちに帰る。 という計画を立てた。 この工程の隙間に、余計な買い物をしてみたり、ピンク色の謎ジュースを飲んだり、ドーナツ味のジェリーベリーを食べたり、おもちゃを組み立てたりしながら、二人で人参のポタージュをやっとこさ作って、パンを添えたらもう時間だった。

          ポルノ鑑賞

          日本にはタコとやるポルノがある、とちょいちょい聞いていた。 何度も聞くから、そういう日本の有名なポルノ作品があるのかな?くらいにおもっていた。 なんかのはずみに日本人男子にその話をしたら、触手というエロジャンルがある、と言い出した。なんでも宇宙人とか妖怪とか人間動物以外のものとセックスするというセックスアニメがひとつのカテゴリになるほど存在し、おそらくその事を言っているのではないかと。 宇宙人とやるというのはアニメでしかできない表現だし、たしかに宇宙人とやるなんて想像を超え

          Only in Japan

          サーシャと話していて面白かったことがある。最近、彼の父が日本車を買ったというのだ。 え、ロシアに制裁中のはずだけど、日本車買えるの?と言ったら、なぜかわからんが買えるという。注文すると日本から直接やってくるらしい。その車がびっくりするほど日本仕様で、どうしようもないというのだ。 まず、当たり前だが右ハンドルであり、これは買う時点で想定できる。しかしはめ込みのナビやらなんやらの画面が日本語しかないというのは想定外だったらしい。設定は変更できるはずと思っていたが、できない。まぁ、

          チュロス

          昨日の夜にスペインの殺人事件のドラマを見ていたら、警察がチュロスをサクッと音を立てて食べるシーンが出てきた。急にチュロスが食べたくなって、今日は絶対にチュロスを買いに行こうと決めていた。 揚げ物ばかりのファーストフード店で売っているのを見たことがある。税理士さんに書類を届けたあと、早速チュロスを買って食べた。 胸焼けがする。胃がくるしい。チョコレートが上からかかっていて、甘すぎて本当は途中から飽きていたのに、もったいないから無理して食べたのがよくなかったんだろうか。 中年は気

          おせっかい

          サーシャは同業者にして、何か縁を感じる友達だ。いつも忘れたころに再会する。彼のいう事はいつもすごくよくわかる。これは言葉の話ではなくて、相性の問題なのだ。母国語以外の言葉を話す人はわかると思うが、すんなりコミュニケーションが成り立つ人と、何言っているのかわかんない人というのがいて、それは語学力が発達してもある。  再会する度に彼は離婚したり、また結婚したり、結構でっかい節目を経験しているが、中年になってから時々二人で会うようになってから彼の事をずいぶん見直した。彼は優しい。人

          歓喜の明太子スパゲッティ

          数日前、リュウジのバズレシピで見たジェネ明太子スパゲッティのレシピで震え上がった私ですが、再現してみたらかなり明太子でおどろきでした。 口に入れて噛む前すでに明太子なんですよ、これが。後味の癖になる辛味と魚臭も明太子。あえていうならやっぱりプチプチの食感は難しい。長めに炒めて水分を飛ばしても麺の水分で柔らかくなっちゃう。 でも、正直いうと一年くらいは明太子食べてない。明太子スパゲッティはもう何年も食べてない。どんなだったか忘れたけど、私の記憶の彼方にある明太子スパゲッティが蘇

          歓喜の明太子スパゲッティ

          ジェネリック明太子

          最近、在外邦人がざわついたYouTubeの番組がある。 https://youtu.be/4R5CtppIKTo 明太子大好きだけど、存在忘れたことにしている海外住み日本人、狂喜乱舞しちゃう。明太子はいまだに外国では手に入りにくい。 見た後すぐ、ブンブンチョッパーをAmazonで注文。 今日、届いたので早速作り始めたらなんと家にパスタがなかった。ショックのあまりしゃっくりが止まらなくなった。 明日は起きたらスパゲッティを買いに行く。 明太子スパゲッティなんて何年食べてな

          ジェネリック明太子

          世の中の金

          よくある話だが、老人は不安から意味不明な金融資産を買ってしまう。私の母もそうだ。変な保険とか、外国通貨とか、妙な投資信託とかだ。  お金に関する事は本当に人それぞれで、これといった正解はないが、誰だって損をしたくない。儲けたいはその次の話で、守りたい、というのが一歩目だ。 100円で買えた牛乳パック一本が、来年はコップ一杯かもしれないとしたら人はお金を価値の違うものと交換してしまおう、となる。土地とか純金とか宝石とかだ。古くから人は知恵を絞ってきた。 金融商品もその一部だ

          Opus

          昔から坂本龍一の選ぶ和音のセンスにドキドキしてしまう。おしゃれで、センチメンタルな響きに少し涙もでてしまう。 フィルムの冒頭に、癌の治療で一晩のコンサートを弾くのが難しいので一曲ずつ録音した、と語っていた。 文字通り、命を思わせる演奏であり作品群であり、氏が亡くなった今は映画そのものが走馬灯の様だった。 映画音楽といえば、モリコーネ、ウィリアムズ、坂本だと、私は思う。映画が終わったあと音楽が強烈に後を引く、そういう音を残した人だった。 子供の頃に見たYMOはエキセントリック

          悲しみのベルリン

          昔、友達がベルリンに住んでいて、時々遊びに行っていた。ベルリンは都会なのだが、私はどういうわけかあまり好きにならない。東京ほど華やかでもないし、ミュンヘンやハンブルクの方が洗練されているし、アメリカの都市のほうが人が明るい。その人と会う以外は、お気に入りの靴屋があるくらいしかベルリンには思い入れがなかった。 数年前その人が亡くなった。最期を看取るときに呼ばれたが何をしてよいかわからずぼんやりした頭で泣いていたら本当に逝ってしまった。人が若くして亡くなるというのは、周りの人間