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体と薬と健康と・・・第2話 ビタミン

健康コラム『読み物サプリ』。
第2回目はビタミンのお話し。
気になるビタミンのアレコレを説明してみました★

Q:ダイエット中で食事制限中だけど、「総合ビタミン剤」摂っているから大丈夫!って言える?

実は、「ビタミン」というのは
食事から摂る他の栄養素が、体内で上手く働くために
機械の潤滑油のようにはたらく栄養素です。

そのため、単体ではビタミン本来のはたらきが出来ないので、
ビタミン剤だけでは健康でいられません。

「ビタミン」は、3大栄養素の
「糖質」「脂質」「タンパク質」 と一緒に摂ってはじめて、
効果を発揮できると考えましょう。
つまり「ビタミン」は、「3大栄養素」と一緒に摂るのが大切なのです。

Q:「5大栄養素」とは違うの?

「5大栄養素」というのは
「糖質(炭水化物)」「脂質」「タンパク質」の3大栄養素と
「ビタミン」「ミネラル」の2つを加えて、
「5大栄養素」といいます。

この5大栄養素が
”体をつくる成分になる”
”エネルギーをつくる”
”体の代謝や調子を整える” などの働きに関係することで
私たちの健康は維持されます。

ちなみに最近では、腸内で善玉菌のエサになり、
腸活に必要不可欠な「食物繊維」を加えて
「6大栄養素」という考え方もあります。

Q:「ビタミン」って何種類くらいあるの?

「ビタミン」は性質上、
水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と、
脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の2種類に分けられます。

水溶性ビタミンは、水に溶けやすいので
たくさん摂りすぎても尿となって排出され、
過剰症の心配はありません。
しかし脂溶性ビタミンは、水に溶けにくいので
排出されにくく、過剰症の心配があるので注意が必要です。
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンを合わせて、
現在認められているビタミンは”13種類”あります。

「水溶性ビタミン」9種類、「脂溶性ビタミン」4種類

Q:それぞれのビタミンにはどんな働きがあるの?

全部のビタミンについてお話しするのは
難しいので、いくつかに絞ってお話しします。

”疲れ”と「ビタミンB1」

「ごはん」「パン」「うどん」「お好み焼き」「スパゲッティ」・・・お好きな方も多いですよね。
これらの「炭水化物」は、体を動かす大切なエネルギー源になります。
ちなみに「炭水化物」というのは、「糖質」と「食物繊維」をあわせた総称です。
一般的には、「炭水化物」と「糖質」を特に区別なく使われていることが多いようなので、ここでは「炭水化物」イコール「糖質」としてお話を進めていきますね。

実は、この「糖質」をエネルギーに変える際、必要不可欠なビタミンが「ビタミンB1」なのです。
「ビタミンB1」が足りないと、摂った「糖質」をエネルギーに変えることが出来ず、
余ってしまった「糖質」が疲労物質として体内に蓄積し、
”疲れ”として現れます。

炭水化物(糖質)が大好きな人ほど、ビタミンB1の消耗が激しいので、意識してビタミンB1摂取を心がけるといいでしょう。

”脳”と「ビタミンB1」

「脳」はどれくらいの重さがあると思いますか?
人間の頭の重さは約5~6㎏と言われていて、
そのうち「脳」の重さは約1.4㎏くらいあります。
脳は、人が考えたり、判断したり、覚えたり・・・さまざまなことを行う重要な部分なので、とても大量のエネルギーが必要です。

食事で摂った「糖質」は消化吸収を通して、
最終的に「ブドウ糖」の形に分解され、エネルギー源として使用されます。

この「ブドウ糖」、実は1日の消費量の約25%を「脳」が消費しているのです。(酸素は、全消費量の約20%を脳で消費しています)

しかも「ブドウ糖」は「脳」がエネルギー源として利用できる唯一の物質
そう考えると、1日「脳」をフル稼働させるためには朝食でしっかり「炭水化物(糖質)」を摂っておくことが大切ですね。
ちなみに、よく知られている「ラムネ」のお菓子。「ブドウ糖」が90%も配合されているのです!

仕事や勉強のお供にもピッタリ

”目の疲れ”と「ビタミンB1」

ここまで「ビタミンB1」が、
「糖質」からエネルギーを作り出すのに必要不可欠だというお話でしたが、実はビタミンB1には他にも大切な働きがあります。

それは”神経機能を正常に保つ”というはたらきです。
そのため、ビタミンB1の不足が続くと、
”疲れ”だけでなく、”神経痛”を引き起こすことにもなります。ここでは”目の疲れ”についてチェックしていきましょう。

今の私たちの生活は、「スマートフォン」や「タブレット」「パソコン」「ゲーム機」などを使用することで目を酷使することが多くなっています。
当然のごとく”目の疲れ”を感じることも多いと思いますが、
画面から視線を外して休んだり、
温かいタオルで目頭を押さえて休息したり、
寝ることで症状が治まることがほとんどでしょう。

ところが十分な休息をとっても”目の疲れ”が治まらず、
体にも不調が現れることがあります。
症状が無いかチェックしてみてください。

当てはまるものはありますか?

このような状態になることを”眼精疲労(がんせいひろう)”といいます。
この眼精疲労になると、通常の目薬だけではなかなか改善しません。まさに字のごとく、”眼の神経の疲労”が起こっていると言えます。

そこで活躍するのが、
ビタミンB1をはじめとする”3種類のビタミン”なのです。
”神経ビタミントリオ”と呼ばれる、
「ビタミンB1」「ビタミンB6」「ビタミンB12」です。

「ビタミンB1」は、神経機能を正常に保つのに重要なはたらきをします。「ビタミンB6」は、神経伝達物質の合成に重要な働きを担っています。
「ビタミンB12」は、ダメージを受けた神経の修復に大きな働きをします。

眼精疲労を感じた時には、この3種類が配合されたビタミン剤を服用するといいですよ。
特に「ビタミンB12」に関しては、
「メコバラミン」と呼ばれる”活性型ビタミンB12”配合のものがおススメです。少しマニアックな話になりましたが”眼精疲労”を感じてドラッグストアでビタミン剤を購入するときは、参考にしてください。

脂質の代謝には「ビタミンB2」

「ビタミンB2」は、3大栄養素の1つ「脂質」の代謝に必要なビタミンです。
つまり、脂っこい食べ物が大好きな人は積極的に摂りましょう。

また”発育のビタミン”とも呼ばれ、
皮膚や髪の毛、爪などの細胞の再生にも重要な働きをして、成長を促す作用があります。
その上、炎症をおこした目の黒目(角膜)などの修復を助けてくれる働きもあるので、「目薬」にも配合されています。

内服するビタミン剤としては、
「ビタミンB2」と「ビタミンB6」を一緒に摂ることが効果的なので
一緒に配合されています。

脂質の代謝に重要なビタミンB2と
脂質やタンパク質の代謝に重要なビタミンB6を配合したビタミン剤は、
肌あれ、にきび・吹き出もの、口内炎、口角炎、皮膚炎、湿疹、かぶれ、ただれ、舌の炎症、目の充血、目のかゆみなどの効能・効果をもった医薬品となります。知っておくといいですよ。

尿が黄色くなる原因も「ビタミンB2」

栄養ドリンクやビタミン剤を飲んだときに、
尿が黄色くなったことはありませんか?
尿が黄色くなるのは、吸収されなかった余分な「ビタミンB2」が尿となって排泄されているからです。

大切な栄養素なので、
口から摂ったビタミンは全部吸収したいところですが、
私たちの体が1回に吸収できる量には限界がありますので、吸収されなかった分が尿として出て行ってしまうのです。

「ビタミンB2」は黄色のビタミン。だから尿が黄色くなります。
また、「ビタミンB2」が目薬に配合されると、目薬も黄色になります。
副作用がでているわけではないので、ご心配なく。

余談ですが、
ドリンク剤は濃い茶色のビンに入っていますよね。

栄養ドリンクの定番 茶色瓶

これは配合されるビタミンなどが紫外線や蛍光灯の光などで変質しないように遮光するためです。
透明のコップに移してみるとよくわかりますが、
ビタミンB2が配合されていると、まっ黄色の液体です。笑

最後に

いかがでしたか?
少しマニアックな部分もあり、
わかりにくい部分もあったかもしれませんが、
少しでも興味をもっていただけたら幸いです。

今回は、これでもほんの一部でしたが、
また機会があれば他のビタミンについてもお話ししたいと思います。

See You。。。。

「読み物サプリ」担当の薬剤師はこちら▼


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