【番外編】孤独な戦い(インド9)
俺たちのようなバックパッカーは、定住する宿がないため、毎日バックパックを背負って行動する。
そのため、荷物は最小限にする必要がある。
不要になった荷物は売るなり捨てるなりした方が良い。
話が前後するが、ここでは俺たちの仲間、篠原のエピソードを紹介する。
彼はアグラのバス停にいる間ずっと下痢で苦しんでいた。
やがて、バスが到着。
残念ながら、このバスにトイレはない。
また、大勢の乗客がいるバスでは個人的な理由で運行を妨げることは許されない。
ましてやここは異国の地、インド。
そんなバスの中で、彼は下痢と闘うことになる。
戦闘は10時間に及んだ。
奮闘むなしく、彼は惨敗。
また、バスの中で、彼は駿太朗と同じ部屋だった。
部屋は1人を想定してつくられているため、2人は密着する必要がある。
そのため、篠原の足の向きには駿太郎の頭、というように、パズルのピースをはめ合うように寝ていた。
篠原の惨敗により、駿太郎は白目をむいて悶絶。
もちろん、篠原のパンツは再起不能。
バラナシに到着後、彼は宿の窓からそのパンツを猿に向かって投げ捨てる。
猿はパンツを咥えて走り去っていった。
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