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ふらっと行きたくなる田舎町でワーケーション | LAC津山コミュニティマネージャー ・武川和憲さんインタビュー
「LivingAnywhere Commons(以下、LAC)」では、現在全国的に拠点が増えています。拠点にはLACが直接運営している拠点と、別の会社や団体が運営しLACと提携を結んでいる拠点の2つがあります。
岡山県津山にあるレプタイル株式会社が運営している「INN-SECT」はそのうちの、LACが提携を結んでいる拠点一つです。
地域とのコミュニティ形成を通して、地域とのより強い結びつきを目指す「INN-SECT」で企画や運営、立ち上げにも携わった武川和憲さんに津山の魅力、LAC津山拠点であるINN-SECTの魅力をお伺いしてきました。
LivingAnywhere Commons津山でコミュニティマネージャーをする武川和憲さん
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今回はLAC津山の拠点でコミュニティマネージャーをされている武川和憲さんに、LAC津山拠点の魅力をインタビューしてきました。
(※現在は別の方がコミュニティマネージャーを担当しています)
――武川さん、本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、武川さんがINN-SECTを作ることになったきっかけってあったのでしょうか?
きっかけは地元の津山でゲストハウスを作ってコミュニティを作りたいと思ったことでした。
私はINN-SECTを運営している「レプタイル株式会社」に入社する前は、別の会社でエンジニアをしていました。そこでの仕事の都合上、数か月に一度引っ越しをしなければならず、気づいたら、7年間で12回くらい引っ越しを経験することになってしまって……。
――7年で12回!?そうするとその場所に根付いて暮らすということがなかなか難しくなってしまいますよね。
そうなんです。実際に職場と家の往復しかしていなくて、だんだんとその生活が面白くなくなってしまいました。そこでせっかくいろいろな地域に行けるのだから、その場所で知り合いを作って生活したら楽しいのではないかと思うようになり、まずは地域のコミュニティに入るところから始めました。
最初は地域の歴史を調べたり、郷土博物館に足を運んだり、地域のコミュニティに入って関係を作ったりしていたのですが、ゼロベースで関係を作ることは予想以上に難しかったんです。コミュニティに入れても、そこが自分の肌に合わなくても一度入ると抜けづらくなってしまうこともあって……。
そこで出会ったのがゲストハウスでした。
最初はゲストハウスの存在を知らなかったのですが、当時ちょうどゲストハウス黎明期で、知り合いに「一度行ってみたらいいよ」と言われたことがきっかけで足を運んだ場所が本当に面白かったんです。
――今でこそゲストハウスはいろいろな人と交流をしたいと思っている層には一般的ですが、当時はなかなか広まっていなかったんですね。ちなみに最初に行ったゲストハウスでどんな部分が面白いと感じたのでしょうか。
その時ゲストハウスで、たまたま来た地元の人と話をして「この人とだったら仲良くできそう」と思った人と、そこから深く関係を構築できたんです。
そこで地域のコミュニティへの入り口としてゲストハウスがすごく面白い場所だと気づくことができました。そのことに気づいてからは、引っ越してすぐに周辺のゲストハウスに泊ってを繰り返していました。
津山に「INN-SECT」ができたきっかけ
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――ご自身の体験をもとに津山でもゲストハウスを作ろうと考えたんですね。
はい、いろいろな地域で引っ越し当日にゲストハウスに泊まる生活を続けていて気付いたのが、地元の津山にゲストハウスがないこと、地域にフランクに入って行ける窓口になる場所がないなということです。
そこでないなら作ろうと、地元である津山へのUターンを決めゲストハウス開業の準備を進めることにしました。
――最初は「レプタイル株式会社」の一員としてではなく、個人で活動していたんですか?
完全に一人ではなく、たまたま同じタイミングでUターンしてきた中学時代の友達と始めました。
そうやって個人で物件探しなどの活動している時に出会ったのが、レプタイル株式会社で代表をしている丸尾でした。丸尾とゲストハウスの話をしていると、「だったらうちでやったらいいじゃないか」と声をかけてもらったことがきっかけで入社が決まり、現在のINN-SECTの立ち上げに至ります。
――ちなみにINN-SECTがあるこの建物は昔銀行だったと聞いたのですが……。
そうです。元は「津山信用金庫」の支店跡地でした。物件を探している中で、津山信用金庫さんから「なにかいい活用方法はないか」というお話しがあり、地域の人や旅するひとが集まる場所に改装することにしました。
もともとこの場所にあった支店は、近隣の商店街の店主さんが使われていた支店だったので、この場所を起点に商店街を盛り上げたいという想いがあったんです。そういったことや、古くから地域に馴染んだ場所ということもあり、ここを選びました。
――ゲストハウスも非常にきれいで、二段ベッドだけでなく個室のような場所もあって、滞在中も非常に過ごしやすいつくりでした。こういったゲストハウスの内装はこれまで武川さんが滞在してきたゲストハウスからも着想を得ているのでしょうか。
はい、それももちろんありますが、個室のデザインは知り合いの建築家さんと話をしながら作りました。その方がゲストハウスに宿泊したことがなかったそうで、ゲストハウスを作ることが決まってから、いろいろなゲストハウスを周って研究してくれたんですよ。
――いろいろな人の想いが詰まった場所なんですね。
LAC津山拠点としてこれから目指す姿
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――地域コミュニティの入口としてゲストハウスを立ち上げたとのお話しでしたが、このLAC津山拠点では「コミュニティ」というキーワードで実際に取り組んでいることってありますか。
今進めているのが津山市の産業を支援する「つやま産業支援センター」さんとの連携です。連携を通して、地域の企業さんと津山にワーケーションで来られた方をマッチングし、相互に価値の交換が生まれる空間にしたいなと思っています。
――この場所を拠点にプロジェクトがスタートするイメージでしょうか。
そういうイメージです。大きなプロジェクトを立てるというよりは、規模としてボリュームのあるプロジェクトになるような「稼げるコミュニティ」を目指しています。
小さなプロジェクトをいくつも立てて、ワーケーションで来る企業やフリーランスの方と協力するイメージです。
――やはり地域の人との関係の構築のしかたや信頼関係の形に関しても、その土地に滞在して地域の方と一緒にお仕事をするのと、ただ宿に宿泊して観光する滞在するのでは関係の築き方が変わってきますよね。
そうですね。地域の風土なんかは実際に働くことを通して知ることが多いなと感じます。特に人口が10万人ぐらいの津山みたいな場所では「顕在化していない仕事」が多いんです。
企業さんをよりよくする提案ができたり、スキル・技術・経験を持っている人にとっては、まさにブルーオーシャンなのではないでしょうか。
実際に「こういう人が来てくれればもっとうちの会社はよくなりそうだ」と思っている企業の方も、どうやって求人を出したらいいかわからなかったり、どういったスキルが必要なのか分からなかったりします。
私はそういう部分から設計していくのが地域創生なのではないかと思っています。ほかの地域から人を呼びこむことも必要ですが、地場の産業を担うこの地域の企業さんがもっと元気になる、そのお手伝いをすることが地域創生なのではないかと思っています。
――そういう面白い取り組みを聞きつけて、さらにいろいろな人が集まってきそうですよね。
まさにそういう地域にしていきたいなと思っています。「ここで面白いことをやっていると聞いて」と来てくれる人が増えてくれたらいいですね。
――ほかにもこんなことをやっていきたいという構想ってあったりしますか?
これからはオンラインとオフラインそれぞれの良さを探っていきたいなと思っています。
先日ちょっと挑戦的なトークイベントを開催したのですが、登壇者4名のうち2名は実際に現場に来ていただいて、もう2名はモニターにZOOMの画面を映し出して、その様子を複数台のカメラで撮影して配信しました。
やはり現場の空気感を伝えられるという点はオフラインの良さだと感じましたが、オンラインは参加人数に制限がないので、より多くの人に参加、視聴してもらえるイベントが開催できるのではと感じました。
おまけ:LAC津山拠点周辺のおすすめスポット①かっぱ食堂
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――この場所に来る人の中に、地元らしいお店でご飯を食べたいという方も多いと思うのですが、周辺におすすめの飲食店ってありますか?
「かっぱ食堂」にぜひ行ってみてください。ランチの時間帯がメインの飲食店で、お店独自のルールがあるんですよ。
――独自のルールと言いますと……。
お店に入ったらずらりとおかずが並んでいて、そこから3品くらい選んでお会計をするのですが、そのルールがどこにも書かれていなくて……。おかずを選んで席に着くと、そこにご飯とみそ汁が運ばれてくるので食事をするというスタイルです。
ちなみにお会計の方法も変わっていて、硬貨が種類ごとに山積みされているので、そこに決まった金額を払って、おつりが必要であれば自分で硬貨の山からお釣りを取るんです。
――ルールが独特なだけに、地元の人の後ろについて一緒に入って行くのがよさそうですね。
はい、ルールを知っている人と行くことをおすすめします。常連さんがたくさんいるからできるスタイルなので、常連さんを見習うとスムーズかもしれません。
おまけ:LAC津山拠点周辺のおすすめスポット②つやま自然のふしぎ館
――観光スポットで言うとどんな場所がおすすめですか。
江戸時代に建てられた町家が並ぶ町並みが見られる「城東町並み」に行く方は多いのですが、少しマニアックな場所として「つやま自然のふしぎ館」はおすすめです。
絶滅してしまった動物のはく製がすごい数並んでいるのですが、自由に触れるはく製があったり、座っているキリンのはく製があったりと、なかなかほかでは見られない動物や、動物の姿を見ることができるという点では面白いスポットです。
地域と一体になって取り組みを進める津山でワーケーション
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最後に一言いただけますか、という質問に、「ふらっと気軽に岡山県の田舎町を楽しんでもらいたいです」と答えていただいた武川さん。
津山の商店街の中心という好立地にあり、地域の人との交流や、津山でのゆっくりとした滞在のどちらもバランスよく楽しめる場所だなと感じました。
人によって好みの滞在方法が選べることが、ここLAC津山拠点の魅力ではないでしょうか。
現地の企業とのプロジェクトに参加するために滞在したり、フリーランスがワーケーションとして自分の持っている仕事を進めながらゆっくり過ごしたり、思い思いの滞在スタイルを叶えられます。
次の滞在地としてぜひ、LAC津山を候補に入れてみてください。
《ライター・愛優》
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