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日本伝統工芸がアートでもデザインでもない理由

デッサンも絵画も外国産

小学生の頃からぼんやりと芸術の世界で食べていきたいと奮闘し、その結果デザイナーという肩書きを持つことができました私ですが、小学生の時の水彩画教室も、中学から行きだした美術予備校でも、基礎の基礎として『デッサン』を教わりました。

結論からいうと、デッサンとは15世紀ほどから始まったルネサンス期によるものです。イタリア(ローマ)の歴史を辿ると、デッサンが生まれるべくして生まれた絵画の基礎であると言えるでしょう。

しかし、私たちの住む日本では、芸術は全く別の歩み方をしてきました。

その歴史を紐解けば、日本伝統工芸がアートでもデザインでもないことが明白になります。そもそもの歩み方が違うのだから。

世界で戦うための日本伝統工芸

とは言え、これからの世界で日本の工芸が戦うためには、アートとは何かデザインとは何かを整理する必要があります。

確かに伝統工芸はアートでもデザインでもない独自の歴史が根底にありますが、もし日本の外側へと発展を臨のであれば、どちらかのフィールドに載せるのが手っ取り早いかと思います。

もちろん自分たちのルールに世界を載せることも可能ですが、第一段階としては前者の方が良さそうです。(理由はのちにお話しします)


余談ですが、私は現在デザイナーとして活動しています。もちろん職業柄、数々の業種の方とお付き合いもしますが、芸術家として活躍する方ともお付き合いさせていただくこともございます。
しかし一方で裏千家でお茶も嗜んでいる身です。そこで全体を見通すデザインの視点と、日本の伝統芸術の閉鎖的コミュニティの一端を見た上で、今回お話を展開していこうと思います。

今回かなり気合いを入れてたくさん書いてしまったので、
何回見直しても収穫が得られるかと思います。

有料枠ではこんなことをお話しています。
・アートとデザインとは何?
・『美術』という言葉は元々日本にはなかった!?
・千利休が生んだ日本の美意識の総称
・だから日本伝統工芸はアートでもデザインでもない!
・伝統工芸をアートにする方法
・伝統工芸をデザインにする方法
・裾野を広げた先にある日本芸術の世界的成熟


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