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デザイナーとしてスパイスカレーをつくり続けていたら、「デザイン思考」が何より大事だと気づいた話@kuroguro_des

僕には、出社時の密かな楽しみがあります。「スパイスカレー」をつくることです。

元々、カレー自体つくるのが大好き。スパイスカレーには並々ならぬ思いを抱いています。

ただ、ラブソルにジョインしてから、デザイナーとしてキャリアを歩み始めてから、カレーをつくるのがより一層楽しくなった気がするのです。

このように思ったのは、仕事で「デザイン」を軸とした視点を持つようになったから。

この記事では、「デザインをするときのプロセス」と「スパイスカレーをつくる工程」が似てるなと思った背景を綴りたいと思います。

その上で、スパイスカレーのことを「つくるの楽しそう!」「意外と簡単そう!」と思ってもらうキッカケになれば嬉しいです。

「デザイン」も「カレー」もプロセスが一緒

では、なぜ「デザイン」と「カレー」が似ていると思ったのか。それは、両者に共通するプロセスにあります。

まず、一般的な「デザイン」のプロセスについて。

①目的は何なのか、ターゲットは誰なのか、コンセプトは何なのか、結果はどうなってほしいのか、など「情報整理」をします。

②ターゲットに対して目的を達成するために、整理した情報に「優先順位」をつけます。

③その優先順位をもとに、目的を達成するためのレイアウト、配色、フォント、装飾などの「要素選定」をします。

④これらの情報が出揃って初めて、デザイン「制作を開始」します。


デザイン制作のプロセス

続いて、僕が「スパイスカレー」をつくるプロセスについて。

まずはじめに、つくりたいカレーを決めます。その段階で、食べる方はどのような人たちで、食べた後にどう感じてもらいたいかを同時に考えます。

「デザイン制作」における「情報整理」のフェーズです。

次に、目的を達成するカレーをつくるためのスパイスや具材を選定します。

スパイスにもそれぞれ役割や特徴があるので、目指したい風味に合わせてカスタマイズしていきます。

『いちばんやさしいスパイスの教科書』より引用


『いちばんやさしいスパイスの教科書』より引用

鯖味噌キーマカレーの場合

いつかのランチでつくった鯖味噌キーマ

それでは、実際の例に沿って説明してみましょう。

先日、オフィスのランチでリクエストがあった「鯖味噌キーマカレー」です。

今回は、「甘くもほのかに苦味を利かせた深い香り」を演出したかったので、「ブラックカルダモン」「フェンネル」「フェヌグリーク」「マスタードシード」というスパイスで香り付けをしました。(下表、下図参照)


赤枠で囲ったスパイスを使用しました


油にスパイスの香りを移している様子


具材とその他パウダースパイス

先程のデザイン制作手順に当てはめると、

①オフィスメンバー(女性)に向け、「深みのある香り」を利かせたカレーをつくりたい。

②苦味よりも甘い香りが強い方が女性にはウケが良さそう。

③甘味のあるフェンネルのスパイスを多めに。苦味がするマスタードシードはやや少なめに。

④これらの情報を整理したらスパイスを調合して、調理開始!

つくりたい、達成したい目的に向けて、スパイスという要素を役割や特徴によって選定する過程は、まるでデザインに似ていると感じます。

多種多様な要素を自由自在に組み合わせて風味を生み出すのは、スパイスの醍醐味でもあり、まさに「デザイン」そのものです。

けっきょく、デザイン思考が重要

「デザイン」を軸とした視点を持つようになってから強く感じるのは、日常生活においても「順序立てて理論的に設計する」ことは非常に有用な考え方である、ということです。

昨今においても、「デザイン経営」などのように「デザイン」の知見があらゆる領域に浸透していますが、日常生活や日々の業務においても活用できるシーンは密接にあるのだと感じました。

これまで幾度となくスパイスカレーをつくってきましたが、「より一層つくるのが楽しい!」と思えたのは、この「デザイン思考」が身に付いてきたからです。

「デザイン思考」を持って「日々の生活やカレーづくりで得たアイデア」と「業務で培った知見」を横断しながら、デザイナーとして研鑽していきたい所存です。

黒須亮平 / Ryohei Kurosu▶︎SNS...Twitter

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