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『ママはキミと一緒にオトナになる』刊行記念! “仕事命”だった私たちが気づいた 「子育てって超楽しいプロジェクト!」佐藤友美さん × 伊藤あかりさん

「私もあかりさんも、アホほど仕事が好きなのですが、そんな私たちの、仕事と子育てについてお話します」

2023年5月最終日、青山ブックセンターにてトークイベントが開催されました!

アホほど、仕事が好き(笑)
もう清々しいほどの言い切り。そんな女性たちが、何を諦めることなく子育てを楽しんでいる。
やり方はもちろん、それぞれ。
その様子に、励まされないわけがない!

「子育てって大変そう…。」
「自分のやりたいこと、できないよね。」

この記事を書いている私にも、高校生の息子がいます。
これらは、これまでの人生で散々聞いてきた言葉です。もちろん、大変じゃないなんて言いません。

肩肘張っているわけでもなく、我慢をしているわけでもない。
仕事命だけれど、とてもしなやかに、仕事も子育ても味わい尽くしている。

ライター佐藤友美さん(さとゆみさん)は、側から見てもそんな女性です。

さとゆみさんが、WEBメディア「kufura」で連載していたコラムが、一冊の本になりました。

表参道にある青山ブックセンターで、出版を記念して開催されたイベントの模様を、レポートします!!

 【5/ 31 (水)】『ママはキミと一緒にオトナになる』刊行記念
“仕事命”だった私たちが気づいた 「子育てって超楽しいプロジェクト!」
佐藤友美さん × 伊藤あかりさん

【イベント概要】
仕事をしながら子育てをしている二人のワーキングマザーが、今だから言える「子育てって、やってみたら実は超楽しい」の色々について、リアルなトークを繰り広げます。 内容の柱は大きく二つ。
①「子育ては大変だよ!の呪い」は本当?
② 子育てをしてるからこそできるようになったことが、(仕事でも)実はたくさんある!

子どもが生まれて、できるようになったこともあるよね

「大変も幸せも両方あって、おおむね幸せ。 話すほどでもない幸せは、ちゃんとある」(本文より)

佐藤
「何かエッセイ書かない?」とkufura編集長に言っていただいた時、私、エロ漫画のレビューを書きたいって答えたんです。日本の家庭の問題の一つがセックスレスだと思っていて、読んで、ちょっとエッチな気持ちになれるエッセイが書きたいな、と思って(笑)即刻却下されました(笑)
その時、自分のnoteに子育てについてのブログを書いていて、当時小学3年生だった息子に相談したら「書いていいよ」と言ってくれて、連載を始めたんです。彼の目線で見た世界をみんなと共有して、「みなさん、どう思います?」という気持ちで書いていたんですよね。

伊藤
私は、まだ妊娠する前に連載を読んでいて、子育てに対して解像度が低かったこととかが「こんな感じなんだ」ってちょっとわかったりして。生む前は良い話だなーと思うくらいだったことが、生んでから読んだら、もう号泣
出産前は、私、24時間戦士だったんです。「だって記者じゃん」と思っていたし、仕事はやればやるだけ成果が出るし、そういう自分が好きだった。
妊娠がわかった時、最初に伝えたのがさとゆみさんだったんですよね。その時、「出産するのはあかりんにしかできないから、今はがんばれ。でも産んだ後は、子どもは社会のものだからなんとなかる」って言われて。

佐藤
私、母親として絶対に自分にしかできないのは、生むことだけだと思っているんです。リリースしたら、世の中みんなの子どもだから、いろんな人の手を借りればいいって。生んでから思えるようになったんですよ。喜んで手伝ってくれる人たちがいることがわかったから。

伊藤
さとゆみさんは、シッターさんにもどんどんお願いするし、周りの人の手も借りていますよね。

佐藤
出張中に「お子さんかわいそうじゃないですか?」と言われたことはある。でも、罪悪感はなかったんですよね。生んでから気づいたんですけど、私、お世話に向いてなくて(笑)生んだら母親ホルモンみたいなものが出て、「かわい〜」ってなるかなと思ったら、ならなくて。二週間二人きりでいたらかもちょっと気が狂ってしまうかもしれないと思って、早めに手を打ったんですよね。その分稼ごうと思って。

ただ、子どもが話すようになったらめちゃくちゃ面白くなって、小学校になったら学童に預けるのも嫌になって。私、それからのほうが仕事セーブしてますね。

伊藤
親が子どもとどう関わるかは、親が選んでいいんですよね。

佐藤
「子どもがかわいそう」という時、一見、主語が「We」になっている気がするけど、よく考えたらそれは、一人の人がかわいそうだと思っただけのことなんですよね。

伊藤
それを初めに聞いていたから、私は気にせずにいられました。それがなかったら、半年で預けてかわいそうとか、発育に影響するとか考えちゃったと思う。本にも書いてあるけれど、「私を主語にしていくこと」を、私も決められました。

今日もシッターさんにお願いしているんですけど、「今日シッターさんだよ」と伝えたら「いえーい!」って喜ばれて。私よりよほど遊んでくれるから、子どもにとっては嬉しかったりするですよね。私もたまに、かわいそうじゃないって言われるんですけど、かわいそうかどうか私にはよくわからないし。私はそれで楽しいからいいかなって。

佐藤
よく、「子どもができた」と話すと、呪いをかけられるというか。「今のうちに遊んでおきな」とか「大変だよー」とか。そういうことを言われることが多いなと思うんですけど、実際大変なこともあるけれど、意外となんとか回ることも多いなと思って。

伊藤
子どもがいるから選んだ選択肢もあって、それが私の人生を豊かにしてるなって思うこともあるんです。やっぱり子育てって、めちゃめちゃお金かかるじゃないですか。だから固定費を下げようと思って、家賃が高いから徳島に移住しようって決めて。自分一人だったら選ばなかった選択肢だけど、子どもと徳島で暮らしたら楽しそうだなって思って。子どもがいることで、選択肢がぐわーって広がった感じがしている。

私、恐ろしいことに自分で住む場所を決めたことがなかったんですよ。会社にここに行けと言われたら、行ってたんです。でも、徳島に住もうというのは、初めて自分で決めたんですよね。

話すほどじゃない幸せは、ちゃんとある

佐藤
あかりん、子どもを生んでからメンタルもすごく安定したよね。

伊藤
そうですね。生む前は、24時間戦士だったので、仕事が一つうまくいかなくなると私の24時間は全部悲しみに埋まっていた。でも、子どもができてからは子どもとの時間ができたから、それで埋まらなくなったんですよね。
18時にはお迎えに行かないといけないから、働き方も変わった。

佐藤
24時間働いていた自分を手放して、18時のシンデレラになることは残念じゃなかった?

伊藤
それは、日によってあります。「くっそーもっと時間があれば」と思う日もあるし、「もう一つの道も楽しいぞ」と思える日もある。でも、人生ってゴールに行くことだけじゃないんだな、という当たり前のことに気がついたんですよ。

佐藤
ちょっとウーバーイーツが届かないみたいなんで、電話していいですか?

※頼んだはずのウーバーイーツが届かないと、さとゆみさんの電話が鳴りました。この日の息子さんの晩御飯は、ウーバーイーツのインドカレー、マンゴーラッシーつきだったそうです。

伊藤
さとゆみさんの息子さんは、めちゃくちゃ優しいんです。出張だらけのさとゆみさんが東京に戻って息子さんとご飯を食べられる日に、私がすごく落ち込んでいて。「友だちがつらいときは行ったほうがいいよ」って送り出してくれたって。

佐藤
私にはひどいですよ、育児放棄ババアっていいます(笑)

子どものことを書くのって、実はものすごく怖かったんですよね。特に自我が芽生えてくる小学校4年くらいとか。彼にも聞いたし、自問自答もした。この本が出ることになって、彼に全部読んでもらって「出していいよ」と言われた時、私、喜んでたんだと思ってたんですよね。でも、彼にしたら「仕方ないけど出していいよ」だったみたいで。

「ママは遺言って書いてるけど、それならボクだけに読ませればいいよね。これを公開することで、ママは誰かに伝えたいことがあったんだよね。ボクはこれが出ても出なくてもどっちでもいいけど、優しい気持ちで出していいよって言ってあげる。」って言われて。

だから、スイッチ(Nintendo Switch)を無限にしてほしいって(笑)

この間、生まれて初めて自分の本の読書会をさせていただいたんです。そこでは、感想を話す人はほとんどいなくて、ここを読んでうちはこうだったとか、ママってこういうこと考えてるんだって思ったと、お子さんがいらっしゃらない方に言ってもらったり。この本が、会話の土俵みたいになってるんだなって感じて。
この本で、私はこう思いますということはほとんど書いていなくて。みなさんはどう思いますか? という思いで書いていて、実際にそうなったのかなと。

「私は」とみなさんが主語を持って語ってくださったことがとても嬉しくて。旦那さまとか、家族とか、仲の良いお友だちとかに読んでもらって、話のきっかけになってくれたら嬉しいなと思っています。

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さとゆみさんが編集長をつとめるWEBメディア「CORECOLOR(コレカラ)」に掲載された、伊藤あかりさんのロングインタビュー!

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執筆:柴山 由香
撮影:黒須  亮平池田 実加
ビジュアルレポート:小野寺 美穂




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