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日本の労働運動 新しい道

 この文章をパソコンで書いていると感慨深いです。10年前はパソコンなんかトンチンカンで会社のパソコン講座に通って、「分からないところが分からない」という状況でした。なぜかタイピングはそれなりに早くなったと思っていましたが、上には上がいてそれを仕事にしている人は当然私よりも精通しています。今日は日本労働組合総連合会の定期大会です。政局ばかり言われますが、日本の労働組合は政治運動というより選挙を通じて組織を固めてきた歴史もあるので、私はかなりボロボロに言っていますがそれも日本労働運動の正史です。私が組合に加入した時、すでに「連合」でした。当時はあまりその意味を考えませんでしたが、あるきっかけで役員になり専従になり勉強することでいつのまにか労働運動オタクのような人間になっていました。暴虐な独裁者だったスターリンが「組織が私をボリシェヴィキに変えた」という言葉を話したことがあるエピソードがあります。スターリンとは180度考え方が違うのですが「連合が私を労働運動家に変えた」と今なら言えます。

連合結成35年 その政治運動の影にいた男

 ある連合の集まりに参加した時に私は驚きました。すでに民主党を離党し労組と関係がなくなったあのテレビでよく見る男がニコニコと愛知では名うての組合の重鎮と話しているのですから。山岸章、田邊誠、米沢隆だけでなく大学卒業してから創価学会に就職した市川雄一を従え自民党政権に一度ばかりか二度政権を奪った男が近くにいました。思い返せば山岸ら全員労組や創価学会とは言え組織出身、個人の考えより組織を優先するというより習性でそうせざる得ない人たちを篭絡することにはあの世襲で新卒代議士だった男は長けていました。小沢一郎はそういう人物でした。大半がもう見放していますが、いまだにシンパである人は労働組合にそれなりにいます。創価学会にもいることが聞いたことがあります。真偽は不明ですがね。山岸、市川は組織を残せましたが、深刻な対立を引き起こした田邊は社会党を壊滅させてしまいます。米沢に至っては民社党は解散していました。そこまで犠牲を払った民主党は多分社会党や民社党のことなんてどうでもいい人間ばかりが集まっていたんでしょうか。あっさりと党名の重さから逃げ出し、最後は政党からも逃げ出しました。これが日本の政治の現実なのかもしれませんが。

憲法問題は「連合」のアキレス腱なのか?

 連合が「築城」されたとき一番意見が激しく交わされたのは、原発より憲法と安保でした。よく同盟系労組は改憲派と言われますが彼らが改憲というより創憲を名乗りだしたのは最近の話です。旧同盟時代は憲法九条に関しては擁護、自衛隊は合憲という自民党の主流派と同じ憲法観でした。安保に関してはNATOと協調するか国連中心主義かで割れていたました。総評では自治労と日教組が自衛隊は憲法違反、PKO反対を唱えていましたが連合が方針を決めたら従うというスタンスでした。当時の山田精吾事務局長は分裂回避のためにかなり玉虫色の決着をします。憲法はひとまず棚上げ、安保は容認、国際的な紛争が起こる恐れがある。柔軟な防衛政策という方針でした。今でも積極的な改憲を進めるのは旧民社協会でも一部であり、教条的な自衛隊違憲論も総評系でもほとんどいなくなりました。時代の流れだと思います。原発問題についても多分どこかで折り合いがつくでしょう。つけねばなりません。私が就職した時すでに労働組合がありました。しっかりそのバトンを後世に残すために私たちはあくまで「連合」で動いていかねばなりません。日本の労働界だって世界の労働組合の動きを鈍感にみているわけではありません。もうすでに地方組織もあらゆる企業の組織化に動いています。分裂もし脱退もしている日本の「連合」。ただ日本の労働組合ここにありと言うことをぜひお見せする機会、今後展開していくことをお約束します。

労組として守るべき誇り

 私が労組になって初めて会った国会議員は佐藤泰介でした。厳密に言えば元国会議員でしたが、その堂々とした振る舞いにやっぱり国会議員になる人は違うと恐縮でしたが、古参元労組社会党の人から言わせれば小粒になったなぁという感想も聞きました。佐藤元議員が私は小粒だと思っていませんが年々サラリーマンみたいになっているのでしょうね。どこの国でも案外目立つのは70過ぎた重鎮ばかりのような気もします。私たち世代が手を挙げる人がいないから多分上が辞めれないと言うこともあると思いますよ。若いから何でも許されるわけではありませんが。私は労働者として雇用の流動化どころか雇用制度そのものをなくそうとしている日本維新の会とは例えどのように社会政策がリベラル化しても絶対に連立は反対です。私ははっきり言って江田憲司氏含めた一部の人間、民主党を民進党などと党名変更を要求した人たちは一切応援する気はありません。維新の会と共闘する前原誠司氏も同様。野党だったらなんでもいいと言う態度では労働者政党は守れないです。今日「連合」難局あって前任の会長が続投しました。様々なご意見拝聴します。ただ私も組織の人間なので異論はあっても、内部干渉から組合を護る。相手は恐ろしい自民党です。様々な業界団体を束ねるだけではなく、時には突き放しいつの間にかまた取り込んでしまう保守政党では類を見ないほど完成された組織でしょう。アメリカの共和党だってロビイストには適わないのですよ。一時期極右の進攻がありましたが今はどんどん小さくなっています。これも共和党やイギリス保守党と違う点です。だからこそ彼らを野党にしないといけない。私たちは絶対王政の国に生きているわけではないのです。散々過ちを犯し、間違えながらもここまで来た民主日本の市民だから。私の労働組合人としての誇りはこの民主国家日本を守るためにあります。


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