レバ子

とある労働組合の専従職員でした。働く人のために働いています。

レバ子

とある労働組合の専従職員でした。働く人のために働いています。

最近の記事

日本労働運動構造改革!

 よく私が言って耳にタコができる方もいらっしゃる方も大勢ですが、今日もそのテーマで話したいと思います。あらゆる団体の担い手不足。PTAや町内会だけではなく労働運動も同じような課題を抱えます。そしてこちらが苦労して勝ち取った事をフリーライドしてしまう人がいる事で、皮肉にも組合の求心力が落ちていくと言う事は大問題です。20年前は当番制に近く、ユニオン・ショップ制度の名残残るなかで新入社員は全員組合員になりました。私の組合の入組もそうで、当時SNSがあればまた「反労組」の人に文句を

    • 全国一般運動の怪

        中小企業の組織化は日本の労働運動の課題です。そうした運動は二歩前進してから1.5歩後退し場合によっては2.5歩下がってしまう事もしばしば。労戦統一の最中、同盟系の一般労働運動体であった全国同盟のほぼ大半はゼンセン同盟に吸収合併してしまい、一部地域によって存続しているところもありますがそのノウハウは産別に移行しました。中小企業の組織化は委員長含めて2、3人ぐらいしか専従スタッフが存在せず当然日々の通常業務の合間に組織化を行うのだから、産別の支援は絶対に必要です。総評全国一般

      • 急募!労働運動に興味がある方!!

         私は労働組合役員として、その役割を終えました。一組合員として、今後はもっと違う視点から労働運動を見つめてみたいです。さて、私はたまたま後継者に巡り会えこうやってお役御免と言っても、結果として5期10年やっているのだから、とにかくなりて不足が会社どころの話じゃないぐらい誰も役員を引き受けてくれない労働運動です。そもそも私は専従をやった後非専従の役員を引き受けた経緯があるのでそれなりに労働運動には熱意がある方で、それでも家庭との両立は仕事でもセーブする場面があるのにましてや組合

        • ロビイストの星

           インターネットでロビイストとして検索すると、真っ先に挙げられる例が労働組合です。街宣や集会より交渉しに行く、応援している政党が敗北してもロビイストとして一つや二つ取って帰ってくるのも私達労働組合の役割ですが、近頃日本だけじゃなく世界でもそのロビイ活動がかつてに比べて変わってきています。昭和の時代は日本社会党や民社党に組織内を送り込んで国会で交渉したり、内閣の諮問団体の1人になったりして、様々なパイプを有していました。日本社会党も民社党も今では考えられないくらい労組依存体質で

        日本労働運動構造改革!

          労組から立候補

           岡崎市議選挙はこの前も同じような事を言いましたが、連合愛知会派が存在します。市職労、名鉄、トヨタ、中電、東レ、三菱自動車岡崎、デンソー、ジェイテクト、フタバ産業から組織内が出ます。フタバ産業労働組合は自動車総連ですが、非トヨタ系製造業労組などからの支援を求める傾向があります。定数が削減され3000票とっても落選するかもしれない地方議会選挙において、基本的に地域の顔役の市会議員が労働組合の組織内にでもなれば、名簿を持ってランク分け、積極的支持層はガチガチに固めて、迷っている人

          労組から立候補

          民主党政権考

           あるネット上のオルタナ右翼を相手にした活動家は、街宣中に案の定ネットと同じ調子で差別的な主張をしていたところ最近絶滅危惧種になっていた黒塗りの右翼街宣車に目をつけられて完全降伏していました。その手の人達は絶対に言い返せない人達には強気ですが、言い返すどころかその先があるかもしれないという人にはやはり黙ってしまいます。言論の先まで手段がある人は正直言論の自由を奪っているし全く肯定できないのですが、卑劣な差別主義者にとってはそういう経験は多少薬にはなるのかもしれません。と言って

          民主党政権考

          階級が消滅する日

           一時期日本でも世界でも流行った「ベーシックインカム」というものをご存知でしょうか?政府が決められた額を保障するという政策で、その財源は地方分権の徹底や今ある公共サービスの縮小で生み出せるというものです。労働組合の一部、特にアメリカのSEIUの会長で有名人だったアンドリュー・スターンは熱心な賛同者でした。労働組合勢力でも「ベーシックインカム」という制度には親和的な人も多く、特にこの制度は資本主義体制を否定はしていないので労働運動勢力以外にも賛同者がいます。左翼勢力も極右も「現

          階級が消滅する日

          ローカル左翼運動の未来

           80年代後半、日本社会党の委員長に就任した土井たか子はその候補者発掘を従来の総評から市民運動出身者に変えていきました。一応組合の人間である私が言うのも何ですが、組合が一つの支援団体として機能するなら左翼政党は労働運動と大衆運動の組織化ができますが組合に100%頼った運動はそれは利権主義と同じ事です。例えば土井時代に東京都議に当選した青木菜智子はその政策の是非はともかく消費税の公共料金の上乗せに反対していました。当選したら東京都水道局労働組合から公約の撤廃を命じられました。か

          ローカル左翼運動の未来

          労働金庫物語

           日本全国にある労働金庫は発祥は戦争復興の際、個人の労働者にはほとんど貸付を行わなかった都市銀行や地方銀行に代わって岡山に労働者自主運営の「労働金庫」が設立。これは意外に海外では類似の事例がなく世界的にもかなり特殊なものです。私は共済と一応労金の推進委員も兼任というか他にやる人もいなかったので、やっていたわけですが労金のメリットを言えば団体加入だとちょっとお得、それ以外なら正直他の金融機関で話を聞いた方がいいと思っています。  本来労働金庫が他の金融機関を圧倒しているなら労働

          労働金庫物語

          社共共闘現在地

           日本で社会主義が上り調子だったのは、ある意味GHQが農地開放を成し遂げるまでで、小作農から自営農家となった農民層はどこの国も同じような事が起こりました。農民層としてはそれ以上の革命は望まず、むしろ国家の保証を受けられる時の政権や保守派への支持が厚くなりました。この点は労働運動も似たようなもので資本主義経済が発展するとむしろ自身の所得増加のため経済成長路線を支持するようになり、その民意を得た政権はネオリベラルと化し様々な労働規制の緩和を行い、多くの「取り残された人達」を生み出

          社共共闘現在地

          組合官僚はどこへ向かう?

           全逓や国際郵便電信電話労連の書記として活躍した江田三郎派の初岡昌一郎の回想録では、かなり興味深い内容が載っています。初岡は郵便や電信の労働者経験は一切ない労働組合専従でした。労働組合から雇用された人。海外でもこの人達のことを揶揄して「労働組合官僚」と呼ばれる事があります。  基本的に企業別労働運動中心の日本の労働組合では初岡の様なケースはかなりレアで、全逓という親方が郵政省という官公労だったから成り立つケースです。と言っても、日産労連も塩路体制の頃は自分の息がかかった人間を

          組合官僚はどこへ向かう?

          遥かなる統一労働運動

           ソ連崩壊後、たとえソ連とは違う社会主義を目指していた団体も、ある意味シンボルだった労働者の祖国が綺麗さっぱり無くなると、方針の転換を余儀なくされました。西側自由主義流の社会主義である福祉国家路線は、当然税金という形で市民や有権者にお願いするのでソ連崩壊後は言い出しにくい政策になりました。結局、それでソ連は崩壊したじゃないか?と聞かれると長い説明が必要です。だから手っ取り早く社会主義政党は、資本主義と妥協どころか同質化する道を選びました。 労働運動の力の源泉は右派左派に関わら

          遥かなる統一労働運動

          『リベラル』と労働運動の決闘

           小作農がGHQの解放路線において、自作農になった時社会主義運動の中核だった農民たちは急速に保守化しました。これはフランス革命やロシア革命でも見られた現象で一定の解放に成功した階級はそれ以上の革命の進展を望まないものです。自分の耕作地を得た農民がこれ以上の革命の進展すなわち階級の消滅なんか望むはずがありません。日本では結果として日本共産党や日本社会党の支持派農民は激減し、都市型政党と化した革新勢力が誕生するわけですが、それはまた別の話です。  日本に限らず世界中で革新勢力の原

          『リベラル』と労働運動の決闘

          栄えある日本の社会主義運動

           日本はよく世界で成功した社会主義国であると言われます。社会主義を辞書で引けば「生産物・富を民主的に分配するため、生産手段を社会の共有とする制度、およびそういう制度の実現を目的とする社会思想・社会運動。」と言われるように平等にする手段として共有、共助の体制が整えられることなので単純に平等=社会主義ではないのですが、1973年が福祉元年と言われるように急速に社会保障制度が整えられた日本において、概ねそういった体制は維持されています。その福祉元年の後である「田園都市構想」は一気に

          栄えある日本の社会主義運動

          グローバル宣伝戦

           ある日本のバンドのミュージックビデオが批判されました。そのバンドはすぐに謝罪し、動画を削除したのですが腑に落ちないのはミュージックビデオを商業化するのは広告会社の仕事で、スポンサーの広報は最終チェックをするのが仕事です。勝手にアーティストが広告会社やスポンサーを無視して動画を公開したのなら、広告会社は報酬を仕事をせずにピンハネしスポンサーは仕事もせずに会社の経費を無駄に垂れ流したという事実が残りますが、知らぬ存ぜぬ一点張り。このスポンサーと芸能界の真の力関係がなんとなく理解

          グローバル宣伝戦

          Google闘争と労働組合の未来

           人員削減にあった時、アメリカは解雇が通告された瞬間それでお終いです。ヨーロッパでは、まず労働組合に会社が解雇者に対する支援プランを交渉し、さらに地域での説明なども会社が行わなければなりません。納得ができる支援プランを労組に決定できる権利があり、組織率が低くてもその影響力は強いものです。その後志願制で労働者側も人員削減に応じるので、プロセス通り進めれば年内には終わる事です。日本の場合は解雇を通告されても、ありとあらゆる手段を講じれば時間を稼ぐ事ができます。その間にしっかり準備

          Google闘争と労働組合の未来