組織コミュニケーションから考えるー「閉ざす」、「黙す」の常態化
「こんなことはあってはならない」
「経営陣の関与は全くない」
「当事者が勘違いして実施したこと(単独)」
「目標設定はしたが、ノルマを設けたわけではない」
「役職者の認識違いのために不正が起きた」
とある不正が繰り返し行われており、社員から告発があった企業の社長の会見での言葉です。
このような不正が常態化してしまった組織について、少し思いを巡らせ、自らも振り返ってみました(あくまで私見・メモです)。
不正が起きた企業の報告書には、再発防止について、以下のような内容が記載されていました。
経営者やマネジメントの「対話不足」が招くことー「閉ざす」
社長の会見時のコメントと、以下から考えさせられる点は多くありました。
社長の会見でも、以下のように話していたのが印象的です。
「目標設定はしたが、ノルマを設けたわけではない」
「役職者の認識違いのために不正が起きた」
組織のコミュニケーションは、「意図を持って相手に伝える」ことと、「相手から伝わったことをフィードバックする」ことで成立します。
「不条理な上命下服を強いる」と指摘を受けた企業風土という表現は、言い換えると、「上長の言ったことが全て。フィードバックは成立しない」という状態とも言えます。
「それってこういうことですか?」といった、問いも対話も生まれない。
仮に、言われたことを聞き返そうものなら
「それ以外に何があるんだ」「言ったことが全てだ」
と言われた挙句、話が通じないという印象を上長に植え付けてしまいます。
結果、評価も下がる可能性を予測した結果、誰も何も言わない。
さて、私が今回、自らを振り返り
社長の考えや想いは、組織内に正しく伝わり、健全な対話を生んでいるだろうか。
という問いを投げかけました。
「言ったことが全て」と主張し、質問を受け付けていない、または受け付けてもらえない態度を取っていないか(一方通行)
相手に伝えて、相手がとの相違がないことを確認しているか(双方向)
対話は双方向のやり取りです。知らぬ存ぜぬという前に、相手に、何かしらの問いかけはできます。
さらに、相手に伝わるように、分かりやすく伝えていたか。
相手の話を引き出す行動をしていたのか。
相手に伝わらないという「もどかしさ」は、組織のどこでも起きます。
私自身も、相手に伝わらない、伝えきれないもどかしさをあ数多く味わっています。
どうして、そう捉えるの? と思うこともあります。
それでも、グッと力を入れて、伝わるように話せているか。
私の当然は、相手の当然ではないかもしれない。そういう前提を持ち得ているか。
誰かに責任を転嫁できないのが、社長だと私は思っています。
だからこそ、「伝え続ける」ことは諦めないでおこうーそう思いました。
【正す】よりも、【黙す】ことが横行する。
言われたことを実施することが全て。
このような世界では、正すことは起きにくい。なぜなら、言われたことに反する「正す」という行為を行えば、行った本人が不利益を被ります。
「正す」ーこの行為は、とてもエネルギーを使います。この行為をするくらいなら、黙して語らない方が楽なのかもしれない。
ひとたび、組織や個人が黙すサイクルに入ってしまうと…
その先に待つものは、取り返しのつかない不健全な波乱や混乱です。
今、チームが、マネジメントに対して黙していることはないか。
私自身、自社の組織に対して、そういう疑念を持っています。
社長の私が怖いから、私が聞かないから、私に言っても無駄だから…
と黙されていることはないか。
伝えるのは面倒だから…とやらない、言わないメンバーはいないか。
常に問うことはあるか。
ー私たちは、組織を通して、社会で何を実現したいのかー
常に、この問いと向き合い続け、答えを出すことの重要性を改めて考える
機会となりました。
弊社は、組織で働いて、幸せになる人を増やしたい。
そのためにも、「閉ざす」ことよりは「開く」。
「黙す」ことよりは「正す」を、自ら、組織に課していく。
改めて、色々と考えさせられました。
人の振りを見て、自分の振りを直し、自らを問いただす機会を持つことは可能です。
自らが見聞きしたことは、私への警告でもあるのではないか。
個人的にはそう思って受け止め、背筋を伸ばし、襟をただす。
忘れそうになったら、改めて問うことにします。
「私たちは、社会で何を実現したいのか」
まだまだ道半ばですが、問い続け、真摯に1つずつ実現していきたいものです。
(記:ラボラティック株式会社:野口麗奈)
■ ラボラティックについて
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●会 社 名:ラボラティック株式会社
●代 表 者:代表取締役 野口 麗奈
●資 本 金:2億円
●主要投資家:アーキタイプベンチャーズ株式会社、株式会社エルテス、株式会社ディープコア、みずほキャピタル株式会社
●本社所在地:東京都中央区
●創 立:2015年
●事 業 内 容:Slack社によるビジネスチャットコミュニケーションの解析を通した、組織開発・改善サービスの提供、等
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