減災研究室LaboFB・永山政広

はじめまして。 防災・減災研究の成果を市民生活にフィードバックすることを目的に活動して…

減災研究室LaboFB・永山政広

はじめまして。 防災・減災研究の成果を市民生活にフィードバックすることを目的に活動しています。 消防士として30年間にわたり災害活動する傍ら、原因調査や防災の普及啓発などを研究してきました。 いざというときに役立つ情報を発信していきたいと思っています。 どうぞよろしく。

マガジン

  • マンション火災‼ 命を守る4つのAction

    地震、台風、火山噴火……自然災害対策は重要ですが、 身近なところにある火災対策も忘れるわけにはいきません。 毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているのですから。 災害に強いと言われるマンションですが、室内に目を向けてみてください。 戸建て住宅と何ら変わらない光景が広がっていませんか。 もし出火すると、どうなるのでしょうか……。 実践的なマンション向け火災対策を「4つのAction」にまとめてみました。 Action-1 火災で起きることを想像してみる Action-2 マンションの防火機能を理解する Action-3 火災時の行動を考える Action-4 備える そして スキルアップ・チェックアップ・ビルドアップ さあ、ご一緒に考えながら、災害に強いマンションづくりを進めましょう!

最近の記事

8月26日は「火山防災の日」

2023年に活動火山対策特別措置法(略称「活火山法」)が改正され、文部科学省に火山調査研究推進本部を設置し、火山に関する観測、測量、調査及び研究を一元的に推進するようにしたほか、国民の間に火山対策についての関心と理解を深めるため、8月26日を「火山防災の日」と制定しました。 日本は火山が多く存在する国にもかかわらず、地震や風水害と比べ、災害研究体制が充実しているとはいえず、その結果、雲仙普賢岳火砕流(1991年6月3日、死者・行方不明者43名)や御嶽山水蒸気噴火(2014年

    • 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表について

      2024年8月8日16時42分、日向灘で発生した地震(深さ30㎞、マグニチュード7.1、最大震度6弱)に伴い、気象庁から「南海トラフ地震に関連する情報」がいくつか発表されました。 1.南海トラフ地震に関連する情報とは「南海トラフ地震臨時情報」と「南海トラフ地震関連解説情報」の2種類があり、次の条件に該当する場合に発表されることになっています。 また、それぞれの情報には、その内容を示すようなキーワードを付記することになっています。 2.今回の情報発表までの流れ今回は次のよ

      • 韓国電池工場火災から学ぶこと

        2024年6月24日、韓国ソウル近郊・華城(ファソン)の電池工場で火災が発生し、23名の死者が発生するという痛ましい事態になってしまいました。 犠牲者の方に心から哀悼の意を表します。 この火災については、得られている情報が限定的であり、軽率な発言は控えるべきでしょうが、現時点(6月26日現在)で気づいた点がいくつかありますので、速報的に記述いたしました。 1.火災の概要この工場は、鉄骨造3階建て延べ面積約2,300平方メートルで、リチウム電池を製造し、その完成品を納品すると

        • 防災気象情報の見直しについて感じたこと

          1.はじめに防災気象情報とは そもそも防災気象情報という用語をご存じない方がいるかもしれませんね。これは、主に気象庁が発表している予報や情報のうち、自然災害に関するものの総称になります。 大雨注意報とか洪水警報などは、よく耳にしますし、土砂災害警戒情報や記録的短時間大雨情報などもニュースで取り上げられる機会が増えているでしょう。 防災気象情報は、災害発生に結びつく状況を的確に伝え、避難をはじめとする様々な防災行動を支援するために発表されています。 避難情報と警戒レベル

        8月26日は「火山防災の日」

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        • マンション火災‼ 命を守る4つのAction
          4本
          ¥900

        記事

          非常用エレベーターとは?

          建物に設けられている消防・防災設備の中には、一般の方から誤解されやすいものがいくつかあります。 その代表的なものが、非常用エレベーターでしょう。 これは、高さ31メートルを超える建物に設置するよう、建築基準法で定められたエレベーターなのですが、「非常用」という名前が付いていることから、「非常時の避難用」と思われている方が多いようです。 実は、避難用ではなく、消防隊が消火・救助用に使用するものなのです。 このエレベーターは、外観上、一般のエレベーターとほとんど違いがないので

          非常用エレベーターとは?

          【マンション防災】世界がもし100人の村だったら

          『世界がもし100人の村だったら』 これは、20年以上前にベストセラーとなった本のタイトルです。 世界中にいる63億人の人を、100人の村に縮めて考えると、今まで見えていなかった様々なものが見えてくるという内容です。 52人が女性で、48人が男性で――ということから始まり、 75人は食べ物の蓄えがあり雨露をしのぐことができるが、25人はそうではない――と、次第に深く掘り下げていくのです。 私は、この本を読んだとき、今まで他人事だった社会問題が、ぐっと身近になったような気がし

          【マンション防災】世界がもし100人の村だったら

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-4 備える そして スキルアップ・チェックアップ・ビルドアップ

          はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

          ¥250〜
          割引あり

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-4 備える そして スキルアップ・チェックアップ・ビルドアップ

          ¥250〜

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-3 火災時の行動を考える

          はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

          ¥250〜
          割引あり

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-3 火災時の行動を考える

          ¥250〜

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-2 マンションの防火機能を理解する

          はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

          ¥250〜
          割引あり

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-2 マンションの防火機能を理解する

          ¥250〜

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-1 火災で起きることを想像してみる

          はじめに1995年 阪神・淡路大震災 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 そして2024年 能登半島地震――。 何年かおきに繰り返される自然災害は、幸福な日常を、非日常の深い闇へと突き落としてしまいます。 一方で、火災は、毎日のように日本のどこかで繰り返されている、ありふれた出来事かもしれません。 しかし、その日常の災害により、毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っているという事実に目を背けるわけにはいきません。 そしてマンション―― 災害に

          ¥250〜
          割引あり

          【マンション火災‼ 命を守る4つのAction】Action-1 火災で起きることを想像してみる

          ¥250〜

          【能登半島地震】ライフラインの復旧状況と課題

          能登半島地震発生から10日が経過し、人命救助と並行して途絶したライフラインの復旧作業が懸命に行われています。 しかし、厳しい状況と報道されているものの、どのように推移しているのかがよく分かりません。 そこで、各省庁が毎日発表しているデータ等を集計し、グラフ化してみました。 1.水道の状況断水状況の数値発表が始まるのは1月3日からでした。それまでは各自治体が「調査中」の状態になっており、被害把握に苦慮している状況が伺えます。 断水は徐々に改善され、断水率は15%を切るように

          【能登半島地震】ライフラインの復旧状況と課題

          【地震火災】2次出火に注意しましょう

          地震の強い揺れに伴い火災が発生するだけでなく、揺れが収まった後も2次的な出火危険があるので注意しましょう。 過去に発生した地震火災の事例から注意ポイントをご紹介します。 ①通電火災停電が復旧したときに出火危険があります。 代表的な出火するパターンは次の通りです。 落下物などで傷ついたコードが通電と同時にショートして出火 スイッチが入ったままの電気ストーブに可燃物が落下していて、通電により加熱され出火 水がこぼれヒーターが露出した熱帯魚の水槽が、通電により空焚き状態とな

          【地震火災】2次出火に注意しましょう

          【能登半島地震】72時間の壁なんて言わないでほしい

          大災害が発生して3日が経過しようとするとき、必ずと言って聞こえてくるのが「72時間の壁」という言葉です。 水分や栄養の補給ができないと3日間が生存限界だというのが根拠らしいのですが、私は、科学的だとは思っていません。 確かに水分や栄養補給は重要な要素ですが、その人が置かれている環境次第で、必要な水分や栄養量も変わってくるはずです。 エネルギー消費が抑えられれば、3日以上持ち堪えても不思議ではないはず。 むしろ、体温の低下や身体への圧迫、外傷の状況などの方が大きな要因になる

          【能登半島地震】72時間の壁なんて言わないでほしい

          【能登半島地震】繰り返される揺れで危惧されること

          本日(2024年1月1日)、能登半島地震が発生し、震度7の激しい揺れが襲ってきました。 被害の全容が明らかになっていない段階ですが、現時点で危惧されることを記事にしました。 この地域において大規模な地震を起こす主要な断層は、 これまで知られていませんでしたが、 2020年12月ころから地震が連続するようになり、昨年5月には震度6強の揺れを記録しています。 この一連の発生メカニズムは十分解明されておらず、 今後も激しい揺れを警戒せねばなりません。 そのような状況で危惧されるの

          【能登半島地震】繰り返される揺れで危惧されること

          防災用品を見直してみよう その3…水

          災害でライフラインが途絶えたとき、一番困るものって何? 不可欠なものばかりですが、 あえて選ぶとすれば、 私は水です。 あるときは救助活動として、またあるときは調査活動として、 様々な被災地の現場に立った私ですが、必ず用意したものは水でした。 最近では、水の重要性が啓発されていることもあり、備蓄をしているご家庭も多いでしょう。 今回は、どのように水を確保すればいいのかを考えてみたいと思います。 1日に必要な水の量は?私たちの身体の約60%は、水分が占めていると言われてい

          防災用品を見直してみよう その3…水

          私のこと、ラボラトリー・フィードバックのこと

          とりとめのない自己紹介をいたします。 私、永山政広は、「ラボラトリー・フィードバック」という研究室を立ち上げ、防災・減災手法を研究しています。 単に研究を行うだけでなく、コンサルタント、講演、実務指導、執筆、メディア出演などを通じて成果を社会に還元する活動を行っています。 そんな私の前職は消防士でした。定年退職でもなく、悪事を働いて懲戒免職になったわけでもなく、ごく普通の依願退職で30年間の消防生活に別れを告げたのです。 その契機になったのが、2011年3月11日に発生

          私のこと、ラボラトリー・フィードバックのこと