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note.1 子どもにとっての親の愛情

こども関連のことを発信しようとこのnoteを開設したので、以下のように区別してみようと思います。よろしくお願いします。
●子どものラグビー関連の記事は「vol.⚫︎」
●子どもの福祉関連の記事は、「note.⚫︎」

今回は、note.1「子どもにとっての親の愛情」について考えてみたいと思います。

✴︎最初に✴︎
 私は、大学卒業後すぐに児童養護施設に就職をして19年間ほど子どもにかかわる仕事をしていました。
 そこでは、親と離れて施設で暮らす子ども473人との出会い、一時保護などを含めるとその倍近くの子どもとその家族との出会いでした。
 全てが「幸せ」とは言えない状況の子どもたちで、抱える問題も様々でした。命に関わるほど危険な状況の子ども、全く養育をしてもらえない子ども
愛されない子ども...子どもの数だけ分の苦しみがそこにありました。

✴︎児童養護施設ってなに?✴︎
あまり馴染みのない「児童養護施設」は、第二次大戦後の戦争孤児や浮浪児を篤志家やキリスト教思想や仏教思想などを背景に慈善活動をしていた人たちが立ち上げた施設が現在の児童養護施設です。(児童福祉法に規程されいます)

昔は「孤児院」と呼ばれていたので、こちらの方がわかる人が多いかもしれませんね。

今の児童養護施設には孤児はほとんどおらず、虐待など不適切な養育環境下に置かれていた子どもの割合が高くなっています。
※施設で暮らす子どもの中には、親の病気等で養育困難な場合もあります。 
 個々様々な事情があるので偏見や誤解がないようにお願いします。


✴︎親の愛情✴︎
 児童虐待をテーマに2010年にドラマで放映さたれたMotherの中に「親が子どもに注ぐ愛情が無償の愛ではなく、子どもが親に注ぐ愛情が無償の愛だと思う」というシーンがあります。
 職員児童養護施設で暮らす子どもと重ねると納得するものがあります。

✴︎多くの話題が「愛」について✴︎
私が勤めていた児童養護施設では「愛着」や「愛情欲求」など「愛」が話題になることが多くありました。
 子どもを支援していて「愛」という切り口でみていると、大きく以下の3つのパターンが見えてきます。

①「愛されて育った子ども」
②「愛された経験がある子ども」
③「愛された経験がない(すくない)子ども」

①「愛されて育った子ども」
事故や災害で親を失ってしまったケースなどが該当します。
子どもは深い悲しみは抱えているので、精神的なダメージは大きいですが、時間の経過とともに回復力(レジリエンス)を感じることがあります。
私も母親を交通事故で突然失っているので、喪失の傷は癒えることはないと感じています。
それでも前を向き自分の人生をしっかり歩めるだけの基盤はできています。

②「愛された経験があるこども」
親は健在のことが多く、幼少期の頃は愛され一緒に暮らしていた場合です。
親と離れて暮らすことに納得はできていないため、色々と問題を起こすことはありますが、成長するにつれて、将来の夢や目標を明確かつ具体的にデザインできる力があると感じています。実際に施設退所後に社会でしっかりやっている子が多い印象があります。

③「愛された経験がない(すくない)子ども」
幼少期から様々な課題や問題を抱えてしまうことが多く、最近では「愛着障害」や「愛情遮断症候群」等の診断をうけることも多くなっています。
診断名に関する特徴や症状については医師ではないので差し控えますが、生活上の支援は困難を極めることがあります。
状況によっては対応が困難となり、別の施設へと移される(措置変更といいます)場合もあり悪循環となってしまうことも...
将来の夢や希望について中学生や高校生と話すと「お母さん、お父さんと一緒に暮らすこと」だったりします。

あるとき、高校生の男子が「お母さんと暮らしたい」と言うので、「駅前でお母さんとすれ違ったとして、それがお母さんだと分かる?」と聞いてみました。答えは「わからない」でした。(彼との関係性は良好だったので聞いてみることができました)
それでも母親と暮らしたいという言葉はとても重く、何も非がない子どもが苦しむ現実でした。

✴︎親を諦める支援が要るのかもしれない✴︎
もし、親を諦める支援ができるなら、諦めることができるなら、もっと楽に生き、もっと自分の未来を描くことができるかもしれない。

子どもか親へ向ける愛が「無償の愛」突き刺さる言葉ですね。





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