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「無添加」表示がなくなる?

消費者庁は3月30日、食品添加物の不使用表示に関するガイドラインを策定し、商品包装に「無添加」や「不使用」と記載するルールを厳格化しました。

なぜでしょうか。

課題① 言葉の使い方がめちゃくちゃ

これまでは、メーカーが食品を売る場合に、「無添加」や「○○不使用」と書くかどうかのガイドラインはありませんでした。

なので、添加物を使っていても、保存料のみ使っていなければ、
無添加※と書いたりしていたわけです。
そのうえでラベルのどこかに小さく「※保存料を使っておりません」みたいなことを書いていたり、そもそも書かなかったりしていたわけです。

そういう文化が続いた結果、無添加って何?という状態で、実際スーパーで商品を見てみると、何が無添加なのかわからないことがあります。

無添加は、添加物を使用しないことによって価値が上がるので、コストをかけずに価値を上げる魔法の言葉になっているわけです。

課題② 国は添加物安全基準を設定している

農水省は、認可している添加物について、すべて使用基準を設けています。
その範囲であれば、科学的根拠に基づいて安全であるというお墨付きをつけています。

そんな中、「無添加は健康で安全」というイメージが独り歩きすると、添加物が入った食品の安全性が逆に疑われかねないということになります。
実際今の社会的ニーズはそうなっています。

国が添加物の安全性を認めているのに、やりたい放題の無添加表示を認めると、ダブルスタンダードになって具合が悪いというのが理由です。

イメージ vs. 科学的根拠

「無添加は健康で安全」はメーカーが作り上げたマーケティングのためのイメージです。

一方で、「国が許可した添加物は安全」は、国が実験結果を参考にして使用基準を設定し、安全性を認めた科学的根拠に基づく事実です。

イメージ vs. 科学的根拠は、議論しても折り合いはつきません。

なので、ちゃんと国も落としどころを用意しています。

事実に基づいた表示はOK

問題は「無茶苦茶な無添加表示」です。

メーカーが虚偽に近いことを言っているのが悪いということなので、それを規制しよう、というのが今回のガイドラインです。

リンクのPDFは消費者庁食品表示企画課の出したガイドラインです。

ここでは、単なる「無添加」表示とか、添加しているのに「無添加」と書いてあるケース、「無添加だから安心安全」など、よろしくない表示を規制することが書いてあります。

なので、保存料を一切使っていない場合に、「保存料無添加」と書くことは可能です。

ですので、消費者は、いい加減なメーカーのむちゃくちゃな表示に惑わされることがなくため、メリットだと考えていいと思っています。

というのが私の意見でした。

※サムネイルはhttps://webronza.asahi.com/science/articles/2020022800005.htmlからお借りしました。

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