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腰痛の評価・トレーニング

2024.3-2025.2 投稿予定記事

5月 脊柱・骨盤帯の評価・徒手療法・運動療法
    大殿筋機能改善のポイント(股関節伸展制限に対するアプローチ)
6月 腰痛の評価・トレーニング
         体幹後屈制限に対するアプローチ
7月 ハムストリングス肉離れ復帰プログラム
    股関節伸展トレーニングのポイント

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1.初めに

腰痛は医師の診察や画像所見により原因が特定できる特異的腰痛と、原因が特定できない非特異的腰痛に分けられます。

画像所見の発展により、特異的腰痛と分類される割合が増加しているため特異的な症状をおさえつつ、臨床所見と画像所見が一致しない非特異的腰痛も考慮し評価を進めていく必要があります。


屈曲型腰痛

屈曲型腰痛はその名の通り、屈曲動作時に腰部に痛みが出る状態になります。

屈曲型腰痛の代表的な疾患名として、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板症が挙げられます。

体幹屈曲動作では腰椎屈曲、仙骨前傾、股関節屈曲動作で成り立つことから、それぞれの機能障害が腰部にストレスを集中させ、痛みを発生させていると考えられます。


伸展型腰痛

伸展型腰痛はその名の通り、伸展動作時に腰部に痛みが出る状態になります。

伸展型腰痛の代表的な疾患名として、椎間関節性疼痛、腰椎分離症が挙げられます。

体幹伸展動作では胸椎伸展、仙骨後傾、股関節伸展動作で成り立つことから、それぞれの機能障害が腰部にストレスを集中させ、痛みを発生させていると考えられます。


2.病態

屈曲型腰痛

❶腰痛椎間板ヘルニア
腰椎に屈曲ストレスが加わり続けることで、髄核が後方に移動し線維輪を突破することで神経根を圧迫し、腰痛や下肢痛を引き起こします。

腰椎椎間板ヘルニアは腰痛の他に下肢の痺れを伴い、SLR testで陽性となることでその診断名が疑われ、MRIによって診断されます。

椎間板ヘルニア診断基準(椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会提唱)
1.腰・下肢痛の有する(主に片側、ないし片側優位)
2.安静時にも症状がある
3.SLR test70°以下陽性
4.MRIで椎間板の突出が見られる
5.症状と画像が一致する。


❷腰椎椎間板性症
腰椎椎間板に屈曲・軸圧ストレスが繰り返し加わることで椎間板内圧が上昇し、椎間板を構成する線維輪、髄核、あるいは椎体終板の神経終末が刺激されて生じる腰痛とされています。

特に座位時には椎間板内圧が上昇することから、屈曲時や座位時に痛みが発生しやすいとされています。

腰椎椎間板ヘルニアとの相違点は下肢痛を伴わない前屈時痛となり、MRIにおいては椎間板内に炎症所見が見られます。


伸展型腰痛

❸腰椎分離症
育成年代で発症することが多い、腰椎椎間関節突起間部の疲労骨折です。

主に伸展・回旋ストレスによって椎弓部に圧縮ストレスが加わることで、応力が集中し疲労骨折が生じるとされています。

腰椎分離症の急性期では3ヶ月程度の安静にて骨癒合を優先します。

MRIにて骨浮腫がなく骨癒合していないような慢性期では、骨癒合が期待できず進行と共に偽関節やすべり症へと移行するリスクが高まります。


❹椎間関節性腰痛
関節包内にて椎間関節の構成体の炎症及び、脊髄神経後枝内側枝が支配する同一高位の多裂筋の筋スパズムによる痛みが生じるとされています。

椎間関節には痛みを感知する自由神経終末が存在し、また椎間関節周囲の深部筋の感覚受容器の疼痛閾値も低いことから、椎間関節周囲は痛みを感じやすい部位であると考えられます。

以上の病態評価をした後に、局所にストレスを加える動作を特定し異常動作の改善を図るアプローチを行います。





3.姿勢評価

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