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【BookMemo】探偵ガリレオ

「探偵ガリレオ」(感想&あらすじ)

東野圭吾の人気ガリレオシリーズの第1作目。
ガリレオシリーズは福山雅治で映画化もされており、長編のイメージが強いですが、初期の頃は実は連作ミステリー(短い事件が複数入っている)の形でスタートしてます。

以下の5つの別の事件が描かれています。

  1. 第一章:燃える(もえる)

  2. 第二章:転写る(うつる)

  3. 第三章:壊死る(くさる)

  4. 第四章:爆ぜる(はぜる)

  5. 第五章:離脱る(ぬける)

長編のガリレオシリーズとは違って、1つの事件自体ページ数が多いわけではないので、サクサクと読めるし、ガリレオ教授こと湯川と草薙のやりとりを追いかけているうちにあっという間に読めてしまいます。

本を読みたいけれども、小説が苦手・・・という初心者向けの方にも楽しめると思います。特に東野圭吾は良い意味で”万人がわかりやすいストーリー”であり、エンターテイメント性も感じられるのでお勧めです。

「探偵ガリレオ」(注目の事件)

さて、「探偵ガリレオ」では5つの別々の事件が描かれていますが、特に個人的に印象に残っている事件は、「第一章:燃える(もえる)」です。

ある閑静な住宅街の中で夜な夜なたむろして騒ぐ若者。
その若者を疎ましく思っている周囲に住む青年が”ある仕掛け”をして殺人事件が展開していきます。

そのトリック自体もガリレオシリーズならではの”科学的アプローチ”であり、魅力的で面白いのですが、その犯人の短絡的な動機や主観的な感情に人間の傲慢さや身勝手さというのも感じます。

元々は”殺される側(騒いでいた側)の傲慢さ”が原因でこの事件が発生するのですが、”殺す側(こらしめようとする側)”もまた、殺す動機が傲慢であるというのも考えさせられます。

ちなみにこの事件の犯人の動機の身勝手さ加減は「古畑任三郎シリーズ」で木村拓哉扮する爆弾処理の専門家・林が「観覧車が邪魔で時計が見えない」という理由で観覧車爆破を企て、3000万を要求する・・・という事件があったのですが、それを彷彿とさせる傲慢さを思い出しました。

ちなみにそんな傲慢な理由によって犯行を企てた林(木村拓哉)は古畑任三郎(田村正和)から平手打ちを喰らうこととなります。

やっぱり、古畑任三郎も”実に、おもしろい。”

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