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すずめの戸締まり

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『すずめの戸締まり』は今まで観た映画の中で、トップクラスに良かったです。多くの人が感想や考察を書いていますが、私が読んだ中で共感できるものやハッとさせられたものを集めてみました。…
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#映画感想文

『すずめの戸締まり』に通底する精神は『日月神示』に通じる

『すずめの戸締まり』には日本の根源的精神が流れている 新海誠『すずめの戸締まり』はご覧になったでしょうか。普通に日本で暮らしている人であれば、この映画には神道の発想が根底に流れていることを感じたのではないかと思います。神道の発想の中でも、特に古神道あるいは幕末明治維新期に生じた新興神道(形式化した神道に対する本来の神道復活の動き)に通じるものがあると感じました。 そうした古来の本来の神道のエッセンスは『日月神示』(「ひつきしんじ」と読みます)に凝縮されて示されていると思ってい

【感想】すずめの戸締まり 感想と考察(草鈴風味)

・映画『すずめの戸締まり』、並びに関連コンテンツのネタバレを含みます。 ・草鈴推しが書いています。  すずめの戸締まり、公開1か月経過おめでとうございます!  映画が気になる方は大体映画館に足を運んだ頃かと思うので、もうそろそろ大丈夫かなと思い感想文をまとめました。  この記事は、前情報なしに初見で映画を観た後の<1度目>の感想および考察と、小説版等の関連コンテンツに目を通した上で再度映画を観た後の<2度目>の感想および考察に大きく分かれています。  初見で観たときにしか感

映画「すずめの戸締まり」感想 すずめのフィジカル×旅立ち×義母の本音 旅立つことで理解?

■Netflixで配信されているから観てみた。久しぶりに観ると色々細かく分かる部分もある。 ■すずめのフィジカルすげえ…と。山とか廃墟とか明らかに数キロ以上ある距離をポンポン障害物を乗り越えながら走るとは何者?新海作品でぶっちぎりのフィジカルだと思う。 ■ラストの行ってきますというのがいい。あれで物語が実質終わるから観た後の納得感も尚更。 ■恋愛要素はこれまでより少なめで、家族がテーマになってる。ずずめの二人の母親とか草太の祖父とか。全国を走りながら解決に向けて旅立つ。

新海誠『すずめの戸締まり』レビュー〜災害3部作から〜

新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』を見た。 みたいみたいと思っていたのだが、ちょうど子育てが始まってすぐというときだったのでずっと見逃したままになっていて、結局地上波でオンエアされるまでひっぱってしまった。 でも観た感想としては、公式HPがうたっているとおり「新海誠作品の中で最高傑作」だったと僕は思う。 ネタバレ全開で感想文兼レビューをしていきたい。 ◆災害3部作 「君の名は。」「天気の子」そして今回の「すずめの戸締まり」。 すずめの戸締まりについてのインタビュー

『すずめの戸締り』雑感

金曜ロードショーの録画を観た。新海誠作品で一番好きだった。 すでに素晴らしい批評がたくさんあるだろうけど、それらに目を通す前に素朴な雑感を書いておこう。 常世への扉を閉める常世は死者がいるべき場所である。今を生きる人がそこにとらわれたり、そこを見つめ続けてはいけない。気持ちを留めてはいけない。心が常世から出られなくなってしまう。 だが、そこに意識を囚われてしまう人もいる。本作では、震災をトラウマとして抱えた人々が該当する。廃墟となった場所に想いが集まると、そこの扉を通じて

すずめの戸締まり 新海誠は二代目宮崎駿かもしんない

なかなか時間が合わず観れなかったけれど、やっと観ました。 映画としては主人公と椅子に変えられてしまった相棒のロードムービーで、次々にイベントが発生してポイントで待ち構える中ボスを倒したらまた次のへというRPGみたいな映画でした。 まあそのぶんテンポがよいのでドキドキしながら見ることができて面白かったですね。 劇中の音楽が良かったし、昭和のJ-POPが流れたりしてロードムービー感満載なのもまたよかったと感じました。 以下、若干ネタバレありです。 なぜ主人公が椅子と一緒にネ

見ました!大人気のすずめの戸締まり。感想。

新海誠の最新作! もう見てたら中盤から涙が止まりませんでした。 新海監督の作品の中でも最高傑作かと思う。 今まで私の中では、秒速5センチメートルだったけど、それを超えるか匹敵するか。 君の名はからの新版新海誠からは間違いなく一番です! 新海さんも、こんなカッコいいモテ台詞が言えるようになったんだと感動しました。 作品は、いつも通り、最初はいろんな作品の混ぜ合わせに見える。 特に今回は、ジブリの中でも、千と千尋の神隠しともののけ姫、ディズニーの中でも白雪姫が意識されているのか

「すずめの戸締まり」を観たお話

 「すずめの戸締まり」を観てきた。私はそんなに多くの作品を知っている訳ではないから、他作品との比較はできないけれど、本作の設定・脚本は私にとても馴染んで、心地良いなぁ、と素直に思った。以下ネタバレを含むので、未鑑賞の方は読まないで欲しい。  冒頭の数分でだいたい世界観がわかるくらい、テンポよく話が進む。後ろ戸、ミミズ、要石、閉じ師。なかなかファンタジーな設定ではあるけれど、気づいたら没入できていた。  かといって、冒頭の描写だけでは、幾つか疑問が残る。どうして扉があるのは

おかげさまで。/『すずめの戸締まり』感想とか

私は宇多田ヒカルさんのファンなのですが、待望の新アルバムが出ました。 ベストアルバムではあるのものの、新曲も収録されており、それが放映中の伊藤忠商事のCMに使用されています。 この曲もさることながら、CMの「おかげさまで」というコンセプトがなんだかいいなぁと思いました。 具体的にどんな思いが込められているのか?伊藤忠商事のプレスリリースによりますと、 ということらしいです。なかなか大きな視点で考えられていることが分かります。 ところで、「おかげさまで」という言葉の語源

「主観」の人生の時代をどう生きるか -すずめの戸締まりより-

昨晩の金曜ロードショー すずめの戸締りを見て思った感想をメモ程度に。 すずめの行動原理 すずめの行動原理が最初不思議に思えた。 死ぬのが怖くないのかと問われ、怖くない!と即答する、高校生が持つにはあまりにも達観している価値観にギャップがあるなと思いながら見ていた。 しかし、物語を通じてそれは過去の震災で生きるか死ぬかは運命のようなものということを徹底的に分からせられた彼女自身の経験からきていた。 この物語におけるイスの意味 私はこの映画を、人と場所の関係・人とモノの

【鑑賞済向け・ネタバレあり】『すずめの戸締まり』最速上映を終えて~受動・能動の“大丈夫”、そして内化~

※注意書き ・この文章は2022年11月11日0:00~の最速上映を終え、深夜のマクドでハッピーセット(えほん『すずめといす』付き)を摘まみながら書いているものです。 ・映画のファーストインプレッションを大切にしたかったため、小説判はおろかその他の事前情報もほぼ無しの状態で1度見た限りです。 ・内容的外れだったりあとから意見変わったらゴメンね。 ・誤字脱字もごめん ・日本語不自由もごめん!!推敲できてません!  (寝不足フルタイム労働からの先速上映からの1時間散歩からの執筆中

映画「すずめの戸締まり」

新海誠監督の作品を映画館で観るのは、「君の名は。」「天気の子」に続いて3度目である。私の感想だが、監督は、今回の「すずめの戸締まり」で、本当に伝えたかったことを描くことができたと思っているのではないだろうか。   もちろんストーリーそのものについてネタバレをしたいとは思わないので、もう少し漠然とした形で語ろうかと思う。但し、それでも映画を観るまではそうした声を一切聞きたくない、という方もいらっしゃるだろうと思う。そのときには、ここまでお読みになれば十分である。   メジャーな

#すずめの戸締まり =日本におけるアニメ史の「要石」になりえる、という話

「天気の子」から3年「すずめの戸締まり」を観てきた件 新海誠監督の新作長編アニメ映画「すずめの戸締まり」を観てきました。 (早いもので前回の「天気の子」から3年も経ったんですね) 自分が3年前に「天気の子」を劇場で見たときと奇遇にも、全く同じ新海ファン&エロゲマニアの友人と、上映前に「もうやんカレー」を食べたあとに歌舞伎町のTOHOシネマズ、しかも7番シアターで観るという完全に同じルートをなぞっていました。 作品自体への感想 あまりネタバレがないようにしつつ、感想を言

【新海誠監督作品】『すずめの戸締まり(2022/11/11公開)』観ました

 天気の子から3年。いよいよこの時がやってまいりました。 ○災害を鎮めるお話 今作は『災害を鎮める』お話となっていました。  災害から人々を救うお話は君の名は。でも描かれていましたね。しかし今回は、事前に災害を防ぐという点で異なっていました。  また君の名は。ではSF色の濃い日本神話を絡めたお話でしたが、今作は日本神話のイメージが純粋に強くなっているように感じました。この点は天気の子に通じるものがあると思います。  かわいい猫ちゃんが出てきたと思ったらクッソ…と思うよう