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新築分譲マンション業界の、マーケティングから見た特殊性

こんにちは。kenjiです。

今日は新築分譲マンションの販売における広告、およびマーケティングについて概観を考察したい。

●古い業界

この業界の広告、およびマーケティングは古い。特に、東京から各地方都市への手法・考え方の伝播も遅い。肌感覚だと、東京でさえ他の先駆的な業界に比べて3〜5年程度遅く、そこからさらに地方都市へは1〜2年程度遅い。


特に「インターネット業界で一番情報が集まる場所」と言われるサイバーコミュニケーションズの東京本社および電通デジタルビジネス局にいた自分からすれば、業界のこの古さは一番の衝撃だった。


ただし、今では、この古さを良し悪しで捉えているわけではない。


逆に言えば、業界の特殊性から、変化の波に急かされることなくやってこれた業界、とも言える。


おそらく、一般の人が買う一番大きな買い物こそ、新築分譲マンション。だからこそ、消費者のスタンスも、変化やトレンドといった流行に乗るようなフワフワしたスタンスではなく、しっかり地に根ざしたどっしりとしたスタンスで商品に向き合っていることも影響しているのではないか、と思う。


よって、流行りの手法をアレコレ試しても、正直あまり反応は良くない。つまり、消費者もそれをそこまで望んではいない、ということだろう。


●紙が主流の業界

例えば、紙。昨今効率化や環境配慮への観点から様々な紙のツールが電子ツールに置き換わり始めている。


広告も同様だ。すでにインターネット広告はかつての4マスメディアの新聞までを凌駕し、4マス最後の砦テレビに肉薄しているのは周知の事実。


さらにはインターネットという大きなメディアの影響力や拡散力もテレビの代替になり始め、加えてCGMの側面からもメディアを超えたコミュニケーションハブという新たな価値をも持ち始めている。


つい先日、電通の時価総額をサイバーエージェントが抜いた、という記事が話題になったことも記憶に新しい。(ただし、電通とサイバーエージェントでは事業ドメインが大きく異なるため単純に広告的な括りでは比較できないが)


前置きが長くなったが、そんな昨今において、新築分譲マンション広告のメインは、折込チラシと宅配チラシ(ポスティング)だ。


最近は予算配分をインターネット広告に寄せる動きが、主に大手の全国デベロッパー(メジャーセブンなど)に見られるが、あくまで全国区のデベロッパーに限られる。


いまだに、B3サイズの紙の表裏の限られたスペースの中で、あーだこーだと原稿を考えているのが、この業界の今の姿だ。なぜなら、これが消費者ニーズに一番合致している、つまり、成果がでるからに他ならない。


そんな新築分譲マンションの広告、およびマーケティングは、なかなかにおもしろい、と思う。



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