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今、折込チラシが熱い??

新築分譲マンション販売において、過去記事にて業界の古さ、という点を考察しましたが、それは広告手法についても当てはまります。


今回は、新築分譲マンション販売における、メイン広告と言って過言ではない、折込チラシについて考察したい。


●折込チラシはセールスプロモーション(SP)

折込チラシは、新聞の定期購読者の自宅に配達される新聞に挟み込まれるチラシのこと。新聞に広告を載せる、4マスの新聞広告とは違う。似て非なるモノ。


言うなればAmazonなどで購入した商品が入っている段ボール箱に、商品と一緒に入っている広告(同梱広告)に似ています。


広告業界ではセールスプロモーション(SP)と言われる領域、媒体を介さずに直接消費者に広告を届ける広告です。


●折込チラシの現状

定期購読された新聞に抱かれて消費者の手元に届くという性質上、(SPとはいえ)当然新聞の発行部数、つまり媒体力にリーチが比例します。新聞購読者が減れば、折込チラシのリーチも減ります。


ではその新聞購読者数はというと、減っています。かつては1000万部を誇った読売新聞も、数年前に1000万部を割り込み、減少傾向と言えます。


世界的な潮流を見ても、新聞に代表される紙媒体は、次々にインターネット媒体に取って代わられています。


そんな新聞を取り巻く環境の中で、新築分譲マンションの販売においては、折込チラシが、依然メインの広告手法となっている。


もはや新聞はオールドメディアと云われつつある昨今において、そのオールドメディアに依った広告手法をメインとする新築分譲マンション業界は、そういった意味でも古い(オールド)と言える。


●折込チラシが選ばれる理由

では、なぜいまだに新築分譲マンション業界では折込チラシがメイン広告となるのか?個人的には下記の理由と思っている。


・エリア性

・代替商品がない

・ターゲット選考

・情報量

・担当者のリスクヘッジ

●エリア性

●代替商品がない

新築分譲マンションの販売において、多くはエリアセグメントは必須。なぜなら、多くの新築分譲マンションの購入者はそのマンションが建つ場所近くに暮らしている人、つまり地縁者。


また、そのエリアというのも、いわゆる人が多く流入する都心ではなく、あくまで人が帰る場所、つまり住むエリア、というのが多い。


これがなかなか縛りがきつい。


当然、広告も商品である以上、ある程度のロットがないと広告商品化されない、もしくはされても割高になる。


よって、エリア縛りがきついために販売するマンションの周辺に効率よくリーチできる広告商品がない。


加えて、新築分譲マンションは販売量(戸数)が限られている売り切りモデルのため、そもそものリーチの量やリーチの頻度が、一般消費財などの他の商品やサービスに比べて軽くていい。


そのため、新聞購読者数が減ったとは言え、まだまだ特定エリアに定期購読者が一定数おり、かつ町単位でエリアセグメントができ、さらに広告商品として確立されているがゆえに価格も馴染み深い


そんな折込チラシはまだまだ有効な広告手法となり得る。


●インターネット広告で代用できない?

ちなみに、インターネット広告を専門とする私からすると、当然「ジオターゲティング」や「エリアターゲティング」でいいじゃん。と、当初は思った。しかし、実際に諸々試した結果、やはり折込チラシを選択してしまう。


ポイントは接触態度と保管性。


新聞の定期購読者の新聞閲覧態度は、ある程度パターン化されていると思われます。例えば、ある休みの日。朝に郵便受けから新聞をとり、机に置く。その後、朝食を食べるなりの、比較的寛いだ時間に新聞を開く。と、その前に折込チラシを取捨選択する。


ということは、折込チラシに触れるとき、寛いでいることが想定される。さらに新聞を「読む」モードになっている。


そのため、活字の情報摂取について、幾分寛容である可能性が高い。


そして、気になるチラシがあれば置いておける。これも大きい。やはりすぐに手に取れるのは、デジタル社会の現代であろうが、一番手軽だ。


それを見越してから、新築分譲マンションの折込チラシは土曜日に折り込まれることが多い。


これらと逆なのがインターネット広告と言えます。出現時間は消費者に合わせてくれないし、出現方法は刹那的。そのせいか定かではないが、インターネット広告では効果が実感できなかった。

※インターネットリテラシーが高いと言われる首都圏だと、また違うのかもしれないが。


なるほど、折込チラシの性質は、実に新築分譲マンションの広告に合っていると言えそうだ。



と、長くなるので、続きは次回。



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