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キンコン西野さんの「次の時代はキャラの確立でお金などが手に入る」って主張を補強する

この頃「キャラってめちゃくちゃ重要だな」って考えてたんですよ。

そしたらキングコングの西野さんが「これからキャラ経済がくる」と書かれていて、

さらに『アフターデジタル』などベストセラーを連発している尾原さんも、西野さんに続いてnoteを書かれていたので、「この流れに乗るしかない」と思い、おふたりの主張を補強してみます。(所々、解釈がちがう箇所もあるかと思います)

そもそも「キャラ経済」とは

キャラ経済を端的に説明すると「確立したキャラのふるまいをあらゆるモノ(お金/人/商品)と交換できる状態」と解釈しています。岡田斗司夫さんが著書『評価経済社会』(とてもおもしろいです)で提唱した、評価が通貨のように流通するという「評価経済」の亜種です。

たとえば江頭2:50さんはテレビで確立した唯一無二なキャラがあるおかげで、YouTubeチャンネルを開設して9日で100万登録を達成し、多くの広告収益を得られるようになりました。

さらに彼のキャラを求める人が「一緒にこれをやりたい」と話を持ちかけてくることはあるでしょうし、自社の商品を使ってほしいと自然と商品も集まってくるでしょう。

これは極端な例ではありますが、同様にキャラを確立することで、お金が集まってきたり、やりたいことができるようになったり、ほしいものが手に入るような時代になるんじゃないかなーと考えています。

でも本当にそんな風になるの…?

と思った方に向けて、3つのメガトレンドからキャラ経済への流れを説明します。


メガトレンド①「役立つ」から「意味がある」へ

ベストセラー『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』などを書かれた山口周さんという方がいます。

彼の「これからは『役立つ』より『意味がある』ほうが大事だよね」という主張が、まさにキャラ重視への大きな流れだと考えています。(西野さんのブログでも解説されています)

ここでいう「意味がある」とは何なのか、軽く説明します。

じょうぎや消しゴムは、たくさんの商品があるにもかかわらず、コンビニには1つしか置いてありません。

この現象が意味するのは、機能だけを追求した「役立つ」ものは差別化しづらいため最上の1つで十分だということ。

一方で車の世界では一見すると不便なポルシェやランボルギーニなど、支持されている高級車がたくさんあります。

一般人が機能だけで判断するとトヨタのプリウスで十分かもしれませんが、ブランドが携えているイメージなどを加味するとポルシェに魅力を感じる人なんかも多いということ。

こういうモノを指して「意味がある」とされています。

「役に立つ」ものが1つしか選ばれないのに対して、「意味がある」ものは消費者の好みの数だけ選ばれる。つまり「意味がある」ものは市場にいくつも併存しうるということ。

この流れは人に対しても起こってきています。各領域で「役立つ人」は1人でよくて、それ以外の人については「意味がある人」が選ばれる。

江頭2:50さんは役立つ情報を提供しているわけではないですよね。でも彼の唯一無二なキャラに惹かれて、多くの人が動画を見てしまう。

単なる「役立つ」から「意味がある」への移行、つまり人柄などを含めたキャラの価値が高まっていることが、1つ目のメガトレンドです。

(この点については尾原さんも解説されています)


メガトレンド② 手動選別からアルゴリズム選別へ

いわゆるマスメディアしか存在しなかった時代において記事や動画などのコンテンツを消費者へ届ける過程では、必ず“編集部的な組織”が仲介していました。

たとえば雑誌の編集者が通りすがりの人を見て「この人のファッションがいけてる」と目をつけて、ストリートスナップを撮り掲載するとか、テレビ番組のスタッフが「この芸人がおもしろい」と目をつけて、番組へ出演させるのが当たり前でした。

しかしみなさんもご存じの通り、SNSが普及したことで“編集部的な組織”を通さなくても、多くの人に見てもらうことが可能になりました

この裏には「アルゴリズム」が作用しています。ここでいうアルゴリズムとは「ある状況においてどんなコンテンツを見せるのか自動で決まる仕組み」とでも言いましょうか。

たとえばInstagramのフィードを見ると、毎回ちがう投稿が見られますよね。これはすべての投稿を認識して、ユーザーが興味を持つであろう投稿に、Instagram側が自動で優先順位をつけているおかげ。

ユーザーの好みを読み取って「あなたはこれが好きなんじゃないですか」と、アルゴリズムがコンテンツとユーザーの出会いをつくっているわけです。

おかげで無数のコンテンツが投稿されても、それを求めている人に届けられます。

かつてはコンテンツは人が選別するものであったため、認めてもらえるキャラは“編集部的な組織”の数に依存し、いわば"王道キャラ"にしかチャンスはありませんでした。

しかしアルゴリズムによって自動的にコンテンツが選別されるようになり、無数のキャラに可能性が開かれました。テレビには出演できなくても、SNSでは圧倒的な支持を得る、なんてことも可能になったわけです。

これが2つ目のトレンドです。


メガトレンド③ 文章主体から動画主体へ

近年「YouTubeは稼げる!」と大人たちが動画の市場へ参入していますよね。この流れはもはや止められないでしょう。

文章主体のメディアに携わっている感覚としては、5〜10倍ぐらい動画のほうが見られやすい。見てもらえるということは、それだけお金になるので動画の世界へ流れる人が増えます。

個人が動画で発信することになると、外見や口調、色味など視覚/聴覚に関する要素が混ざった“情報”を視聴者に届けることになります。

その際、“情報”のベクトルがバラバラだと、視聴者の感情を動かせません。

たとえばヒゲがぼさぼさで、5年ぐらいは着ているであろう襟の黄ばんだTシャツを身につけた人が、ファッショントレンドについて発信していてもまったく説得力が出ません。

また、スマホの音量を最大にしないと聞こえないような弱々しい声の人が発声法のトレーニングについて発信していても、「まずは自分がトレーニングしたら?」と思われてしまいます。

逆にいうと、発信の内容を強化するようなキャラ(外見や振る舞いなど)を確立することで、より強い印象を与えられるようになります。

たとえば「さかなクン」なんかは典型例ですね。彼のように魚に詳しい人はたくさんいますが、あの外見や話し方などが組み合わさって唯一無二なキャラになっています。

動画にチャレンジしている人たちが発信内容をブラッシュアップしていくと、キャラ化が進むことが予想されます。

(僕の発想の起点はここでした)

言わずもがなですが、こうした流れでYouTubeやTwitterなどのプラットフォーム上でファンが集まれば、簡単にお金も人もモノも手に入ります。

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まとめると、「アルゴリズムが出会いをつくるプラットフォームでキャラを確立(≒「意味がある」)すれば、簡単にお金や人などが手に入る」

となります。


じゃあどういうキャラがいいの?


って話が気になるところですね。

今のところの答えは「思わず注目してしまうキャラ」だと考えています。どんなモチベーションであれ、注目されることが大事。

決して“いい人”である必要はありません。イケメンである必要もありません。「応援したいから注目する」のでも、「大嫌いだけど見てしまう」でもいい。

めちゃくちゃ性格が悪い(ように見える)おじさんのキャラでも、つい見てしまうような存在になりえます。ここがおもしろいところ。

たとえばYouTubeで大人気のシバターさんは、チャンネルの説明として「このチャンネルではプロレスラー・シバターが人を嫌な気持ちにする動画をUPしております」と記載しています。それで実際にたくさんの人に見られています。

ただし「どんなやり方であれ、注目されればいいんでしょ」と、とにかく炎上を起こせばいいってわけではありません。

キャラはあらゆる発信を積み重ねて、視聴者の認識としてつくられるものなので、一貫した発信を継続していることが大事。

自分の生得的な特徴から外れたキャラを設定してしまうと、続けるのがツラくなってしまうでしょう。

加えて、人の悪意を集めるキャラは何かしらの妨害が入る可能性が非常に高い。法的な妨害や身体的な妨害など...

なのでよっぽど性に合ってる人以外は避けたほうがいいでしょう。

普通の人におすすめなのは、人気の作品から自分と似た人気キャラを見つけて寄せていくこと。

たとえば僕の場合は、この記事のように分析をするのが好きなので、先生っぽいキャラがよさそうだなーとか、読書も好きだから美化すると『NARUTO』のカカシ先生みたいな感じだろうか…と漫画のキャラを挙げることで、目指すべき方向性が見えますよね。

自分の特徴からキャラをつくるってだけだと難しいですが、モデルを見つけることでより具体的なキャラづくりができんじゃないかなーと考えています。

また、既存のキャラを借りると、そのキャラの認知を自分に移し替えられるのでその点でも有利に働きそうです。

TikTokではこの傾向が顕著に出ていて、最近は有名キャラのものまね×料理の動画が流行ってます。(動画は『ハリーポッター』に登場するハグリッドの声マネをしながら料理をしている「ハグリッドキッチン」さん)


こちらは『NARUTO』の大蛇丸の声マネをしながら料理する動画が大人気の「とっくんのYouTubeチャンネル」。(おそらく声マネ×料理の源流)


まだまだキャラ経済は奥深いので、これからしばらく探究します。興味のある方はTwitterなどフォローしていただけると嬉しいです。


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