【毎日読書感想⑤】モンテッソーリの幼児教育 ママ、ひとりでするのを手伝ってね!

一人目の子を出産してから、いろいろと教育関係の本を読んでいると、よく「モンテッソーリ教育」という言葉を目にするようになりました。

調べてみると、イタリアの医師であるマリア・モンテッソーリという人が始めた教育法とのこと。

そして、ちょうど興味があった時期に、たまたまこの本の著者である相良敦子さんの講演を聞く機会がありました。

講演会の中で一番印象に残ったのが、相良先生が子どもに雑巾の絞り方を教えるときの方法を実際にやってみせてくれたときのことです。

講演会は大人がメインでしたが、小さな子どもも何人かおり、それまではざわざわと話し声がある中で進んでいました。

その中で、先生がだまって、そしてゆっくりと雑巾をたたんで、絞る動作をしたとたん、ぴたっとおしゃべりが止んで、静かな時間が流れました。

そこにいる子どもが一斉に先生のほうに注目して、一生懸命雑巾の絞り方を見ていたのです。

子どもはいつどんな時も何かを全身で学ぼうとしている、そして学ぶときにとんでもない集中力を発揮するんだと実感しました。

たったこれだけのことですが、この数分間の出来事で私はモンテッソーリ教育をもっと知りたいと思い、この本を手に取りました。

この後すぐに1年ほどで先生がお亡くなりになってしまったので、この時にモンテッソーリ教育と出会い、直接先生のお話を聞く機会にめぐりあえたことは本当に幸運だったと痛感しました。

さて、この本は1985年に初版が出版されており、新しい本ではありませんが、モンテッソーリ教育の基本理念や、幼児期の子どもが何を必要としているのか、そして家庭で取り入れられる具体的な方法などが書かれています。

私がいちばん印象に残ったのはこちらです。

子どもと大人が、具体的に、どのようにちがうのかをよく理解していないから、大人は子どもを自分と同じように考えて無理な要求をします。モンテッソーリは次のようなたとえ話を使って、大人の無理な要求を書いています。
気の狂ったお母さんかえるが、小さなおたまじゃくしに「水から上がって、新鮮な空気を吸い、緑の芝生の上で、体を休めてごらん。そうすれば、みんな強く健康でかわいいかえるになれますよ、さあ、いっしょにおいで。ママがいちばんよく知っているから」といったとします。このおたまじゃくしは、従順であろうとすればまちがいなく死んでしまいます。しかし、これが私たちの教育の仕方なのです。(P.14)

マリア・モンテッソーリは、「教育の基本原則は、子どもと大人はちがうということを知ることです」と言っています。

大人は必ず子どもであったわけですから、子どものことをわかっている気になりますが、そうではないと断言しています。

子どもは大人の支配よりも大切な自然のプログラムに従って、それぞれの年齢のときに課された課題を成し遂げなければならないと。

この本を読んで、日々の生活で無意識のうちに自分のペースに子どもを合わせようとしてしまうこと、子どもがすべきことを大人が決めて当たり前と考えてしまっている自分に気づくことができました。

常には難しいですが、日々の中でこのモンテッソーリの教えを心にとどめておこうと思っています。



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