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はきもの難民になって気づいたこと


ここ数年愛用しているベージュのコンバース製のスニーカーが雨にうたれたり、泥まみれになったり、そのたびに何度も丸洗いを経験してついにへたってきてしまった。


大学生だし、イマドキの靴にしてみたらと姉に言われて、それもそうだなと思った。

大きめの靴屋さんに行ってみた。
種類が多い。
大きい店に行ったのだから当たり前だけれど、とてもじゃないが即決できるわけがない。

よくよく考えたら、今履いている靴は母が購入してやっぱり足に合わなかったと困っていたので、私が引き取ったものだ。中学では靴に規定があり、高校時代の靴はこれまた母のお下がりだった気がする。

よく考えたら自分で靴を買うのは大学生になった今が初めてだ。

私はファッションにあまり興味がないため、服に関してはいまだ発展途上で、自分のスタイルを確立できていない。強いて言えば合わせやすさと清潔感だが、それは幅が広すぎる。
もはや白いスタンドカラーシャツと黒ズボンでいいかなと思っている。でも、いやいや、独創的なコーディネートを目指してもいいかなとも思う。

靴に戻るが、
そうこうしているうちに完全に路頭に迷ってしまった。

靴屋はそこら中にあり、いまやネットでいくらでも買える。探せば探すほど、もっと自分にあった靴があるのでは、と思ってしまう。普段物を買うときにはそこまで執着することはないのだけれど。

すると道行く人の靴に自然に目が行くようになった。
この人は靴を中心に服をコーディネートしているんだな
長く愛用しているんだな
見たことない色のスニーカーだ、レアなやつなのかな
厚底だ
さっきも同じ種類のやつ見かけたわ

私にとって今まで全く気にも留めていなかったジャンルである“靴”がハイライトのように浮き上がって見えるようになった。

街は情報だらけであり、全部を吸収していると当然疲れてしまう。だから無意識に適度にシャットアウトすることは重要なことだと思う。

でもピンポイントに意識が解放されるとこんなに面白いんだなあ。
私は履物難民になって初めて知った。


こうしているといつまで経っても靴が決まらない。

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