ナミブ砂漠のライブカメラを覗き込む
皆様、日々忙しくお過ごしかと思います。
ご多分に漏れず私も忙しく暮らしています。
ほんとは一日中畳の上で、い草の青っぽい匂いを嗅ぎながら寝そべっていたい。
寝そべったままゆっくりと日が陰っていく様を見ていたい。
ところが働かずには生きられない。
ああ、お金が毎月空から降って来ればいいのにな。
アラブの石油王から油田とまでは言わないが、東京の一等地のマンション一棟くらい頂けないかしら。
何が言いたいかと言うと、今私はYoutubeでナミビアのナミブ砂漠のライブ映像を見るのにハマっているという話です。
こちらの動画は界隈では非常に有名なので今更私が説明したところで…といった感じであるが、紹介させていただく以上、最低限の説明はいたしたい。
簡潔に言うとこれは、ナミブ砂漠の真ん中に作られた人工水場に集まる野生動物たちを眺めることが出来るというライブ動画である。
https://www.youtube.com/watch?v=ydYDqZQpim8
まず、一日中見ていられる。
だってライブ映像なんだもの。
一瞬だって同じ映像はない。日々刻々と変化し続ける映像。
家にいながらナミブ砂漠と野生動物たちの生活を覗き見ることが出来る。
実はBGMとしてもなかなか優秀だ。
鳥のさえずり、風の音がまるでYouTubeの作業用BGMである。
稀に部族の男たちの雄叫びめいた獣の鳴き声が入ってきたりして、予定調和に慣れ親しみ油断しきった現代人に鋭いパンチを繰り出す。
ライブ映像のため、時には画面から生き物が一切いなくなることもままある。
夜の時間帯なんてひたすらに薄闇の砂の白黒画像が何時間も続く。
「俺ら人間の都合に合わせたエンタメじゃねんだわ」
そんな大自然の声が聞こえてくるようだ。
ところが時々夜行性の動物が目を光らせ我々にサービスしていったりするので油断がならない。
ちなみに日本の朝が向こうの夜だ。
エンタメ性を求めるのであれば、日本時間の夕方以降の視聴をオススメしたい。
さてこの水場の常連といえば、グレー・白・黒の三色で構成された動物たちである。
細長く立派な角を持っていて、いつもいつもいつもこの水場で群れている。
初めてこの動画を見た日は「うほ!なんだこの野生動物!」と目をキラキラさせた私は3日後には、またこいつらか…とうっすら失望するようになっていた。(彼らが悪いわけではない。私という人間の傲慢さである)
調べたら「オリックス」という動物らしい。
こいつらはさながら水場でたむろする輩かチンピラである。
稀に姿を現し私を熱狂させるダチョウやシマウマに「おいわれ、うちのシマでなにしよるんじゃ!?」とばかりに縄張り意識をむき出しにして画面外へ追い払う。
やめて!もっとダチョウやシマウマを見たいのよ!という私の気持ちなどお構いなしである。
大抵いつみても画面はほぼオリックスなのだが、時々小さいイボイノシシやヌー、ウサギやらがひょっと顔を出し観客を沸かせる。
なんとキリンやチーターなんかが現われたこともあるらしい。
ただ、たまに現れるレアキャラたちをオリックスというチンピラが追い払ってしまうため、私は彼らに可愛さ余って憎さ100倍の気持ちである。
オリックスはご都合主義の人間たちを焦らし悶えさせる。
そうそう。自然って、野性ってままならないものなのよね。
冷房でガンガンに冷やした部屋のTVで灼熱の砂漠に生きる野性動物を観察するという背徳感。
家がまるでそのまま砂漠に繋がっているような雄大な景色は、私たちに秒針の音を忘れさせてくれる。
疲れ果て、TVの音すらうるさく感じる時、ナミブは私たちのささくれ立った心をそっと撫でさすり癒してくれる。
ちなみに、このライブ映像は常時500人程度の人間が世界中からウォッチしていてチャット欄が常に動いている。
シマウマが現われると「zebra!」なんて書き込みで盛り上がる。
いつか私も突然ライブカメラの画面にぬっと現れチャットを沸かせてみたい。
画面いっぱいに大写しで3分間は人間たちをじっと見つめたい。
人類が一方的に野生動物を覗き勝手にエンタメとして消費している時、私とナミブ砂漠もまた君たちを覗いているのだ。
その時は、今年買った花柄のシフォンのトップスを着て、大きめの金色のイヤーカフをチラ見せしたい。
きっとオレンジ色のナミブ砂漠に映えるだろうから。
チャット欄を「human!?」で溢れさせてみたい。
※チャットは英語オンリーというルールがあるようです。ご注意下さい。
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