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集団(グループ)面接の対策

グループ面接ならではの対策が必要

グループ面接は文字通り、グループ毎に分かれて複数の学生が参加する面接形式です。個人面接とは異なり、その場にいる学生と比較されながらの選考となります。そのため、「あの人は一番的を得た回答をしているなあ」「あの人だけ元気がなくて声が小さいなあ」、「あの人だけスーツがヨレヨレだなあ」など、良くも悪くも他者との比較で目立つ傾向にあります。「他の学生に埋もれるから大丈夫だろう」なんてことはなく、他の学生からいるからこそ、良い点、悪い点が目立ちがちです。

そこでグループ面接の仕組みの理解からその対策まで解説をしていきます。なお、採用に関わる業務の中で知り得た情報もありますので、その記載項目からは有料とさせていただきます。



企業がグループ面接を行う意図


グループ面接は、選考フェーズの序盤に実施されるケースが非常に多いです。企業がグループ面接を実施する目的を把握した上で、通過するためのポイントをつかんでいきましょう。


①効率よく採用したい
大手の企業や人気のある企業の場合、一度に何十名、何百名と応募者が殺到します。人事担当も採用に関わる業務だけをやっているわけではないので、より効率良く採用をしたいはずです。そこで集団の中での最低限のマナーや態度などをチェックし、個人面接を前にふるいにかけるという要素が非常に大きくなります。そのため選考フェーズの序盤に実施される傾向にあります。


②集団での振る舞いをチェックしたい
グループ面接ではいかに他の学生より目立つか、印象に残る回答をするかがクローズアップされがちですが、実は話す時間よりも圧倒的に聞く時間の方が長くなります。面接の対策を考える際に、どうしても話す内容ばかりに気が行きがちですが、面接官においては聞く態度に問題がないか、他の学生の話を聞いているか、おかしな挙動はないかなどをチェックしていきます。集団の中にいる分、悪目立ちがしやすいため、個人面接ではないからと言って油断をすることは禁物です。常に比較されているという意識を持ちながら、緊張感を持ってその場を乗り切る必要があります。



グループ面接の特徴

そこでグループ面接と個人面接にはどんな違いがあるのか、企業側がどのような視点で見ているのか、そしてどのように対策をすれば良いのか見ていきます。

①一次選考に多い
一般的にはエントリーシートや履歴書による書類選考の後や、ナビサイトへのエントリー後の最初の企業との接触機会として、グループ面接は多く導入されます。最近ではweb形式でも複数の学生が参加するグループ面接も多くなっています。応募者が多い大手企業や人気のある企業においては、選考フェーズの終盤でも導入されるケースも稀にあります。


②回答順番が変わる
質問毎に回答の順番が変わるケースが多いのが特徴です。一番最初に回答する場合、事前に他の学生の回答が聞くことが出来ないため、難しい質問が来た場合にどんな回答をすれば良いのだろうと詰まることがあると思います。一番最後に回答をする場合、それまでの学生が回答する中で、ある程度想定出来そうな回答が既に出てしまっている状態かと思います。よりオリジリナリティを出そうと思って、回答を決めるのに時間がかかる場合もあるかと思います。逆に一番最初と最後以外に出番が来た場合は、他の学生の回答に埋もれてしまうことも多いです。


③一人当たりの時間が少ない
グループ面接の時間が30分に設定されている場合、仮に参加者が6名だとすると単純計算で一人当たり5分の持ち時間となります。個人面接に比べると一人ひとりに与えられている時間が非常に短くなります。ただ、時間が短いことを意識し過ぎるあまり、つい熱が入って話が長くなってしまってまとまりのない回答になってしまいがちです。与えられた質問に対して、自分をアピールしようとして長々と話す学生は評価されにくいです。いかに少ない時間で自分をアピールするかが重要となります。


④傾聴力も評価ポイントになる
どうしても自分の番が来るのに備えて、何を話そうか、それで頭がいっぱいになってしまうかと思います。他の学生の話を聞かないのはNGです。最低限話をしている学生に目を向ける、相槌を打って聞いている姿勢を示すことは必要です。傾聴力というのはただ聞くだけではなく、相手の話を聞いてその内容を理解して、理解した内容を元に発言するという力です。それまでに出てきた内容と同じ内容を話してしまう、あるいは既に出てきた内容を全く踏まえていない内容を話してしまうことのないようにしましょう。



グループ面接のマナー


個人面接では面接官の目が自分に向いているのが分かるため、必然的にその意識付けが可能となります。一方グループ面接においては、話をしている学生のみならず全員が見られているという意識を持つことが大切です。

①入退室時

グループ面接は個人面接とは異なり、他の学生へ配慮しているかも見られています。何番目に入室するかは直前まで分からないため、何番目になっても対応出来るよう準備しておく必要があります。先頭になった場合にはドアを3回ノックし、面接官からの合図を待ってから入室しましょう。2番目以降になった場合でも一旦ドアの前で立ち止まってから、挨拶をして入室するようにしましょう。最後に入室する場合はドアを静かに閉めるところまで、気を抜かずに対応する必要があります。全員が揃ったら着席しますが、面接官から促される前に座ったり、どうしたら良いんだろうとおどおどとしていると、面接官からの印象が良くありません。面接官から促されるまでじっと待機していましょう。

②面接中

グループ面接においては聞く時間の方が長いと申し上げましたが、このことを意識するあまり傾聴態度が大げさになり過ぎてしまっている学生もたまにいます。うなづきが極端に大きくなったり、不自然な笑顔になったり、話を聞いている振りだけをしていても後で不意に質問をされた時に対応出来なかった場合はネガティブな評価となります。また手癖について気をつけましょう。ボールペンをくるくると回したりカチカチと鳴らしたり、つい緊張のあまり自分でも気づかないうちにやってしまいがちです。心当たりのある方はそうならないようにしましょう。常に見られているという意識を忘れてはいけません。



グループ面接の想定質問

グループ面接はその特性上、個々の学生に合わせたトリッキーな質問というよりかは、普遍的に多くの人から回答が得られそうな質問をされるケースが多くなります。そのため頻出の質問もありますので、しっかり対策をしましょう。


①個別の面接よりも簡潔に伝えよう

面接時間から学生一人ひとりに与えられている時間をあらかじめ考えてみましょう。すると意外とひとりの時間が少ないと感じるはずです。それにも関わらず長々と回答してしまうことは他の学生の時間を奪うことになります。面接官からは自分のことしか考えられないのかなと、ネガティブなイメージになってしまいます。話が長くなってしまう理由として、長く話すことがアピールにつながると勘違いをしている、あるいはそもそも話がまとまっていない場合が考えられます。与えられた質問に簡潔に答えることを意識しましょう。特に自己紹介に関しては、自己PRの時間と勘違いをして結果的に話が冗長になるケースが非常に多いので、特に気をつけましょう。


※想定質問リスト
・自己紹介
・学生時代に力を入れたこと
・志望動機
・長所、短所


②逆質問のポイント
その場で逆質問を一から考えることはせず、事前に2〜3つ用意しておくことが望ましいです。その場で考えるのは緊張のあまり頭が真っ白になって思い浮かばない可能性があるからです。ただ当日の面接の内容を全く踏まえていない質問をしてしまうのもNGです。当日聞いた内容を事前に考えておいた質問に織り交ぜることが出来ればベストでしょう。加えて、質問にはその会社で働くことを前向きに考えた内容もあると尚良いです。入社後の具体的な仕事内容や内定が出た前提での話は特に効果的です。グループ面接を締めくくるにあたって、自己アピールの最後のひと押しだと思って自信を持って発言をしましょう。



グループ面接のNGポイント


その場にいる学生との相対評価だからこその難しさが、グループ面接にはあります。個人面接とはまた別の対策をすることで、選考フェーズの序盤に実施されるグループ面接を難なく乗り切り、その次の個人面接をクリアするポイントをおさえていきましょう。


①話が長すぎる

「他の学生に負けたくない!」この気持ちが強すぎて、つい話に力を入れすぎて長くなってしまった、なんてことが良くあるかと思います。その場合、話が起承転結でまとまっていない、結論があいまいで主張したいことが分かりづらい、他の学生に配慮している様子が見受けられないなど、マイナスの印象を与える可能性が高いです。また最初の自己紹介の際に自己PRをする学生もたまに見受けられますが、面接の導入にあたってファーストインプレッションを与えるフェーズのため、気持ちが出過ぎた自己PRはマイナスの印象を与えてしまいます。


②周りの就活生を意識しすぎる

他の学生が話している待ち時間は恐らく終始緊張しているかと思います。自分の話が他の学生と被らないか、そればかりに気を取られて傾聴態度がおかしくなってしまったり、そもそも聞いているのか聞いていないのか分かりにくかったりする場合がありますので気をつけましょう。他の学生を変にライバル視して気を取られすぎて不自然になっては元も子もないので、あくまで自分は自分を言い聞かせて自分のパフォーマンスを発揮出来るよう心がけましょう。


③前の人の回答に流される(重複や優秀な場合や誤った回答)

「他の学生と学生と話が被ってしまったので当初話す予定のなかった話をおぼろげながら話してしまった」、「インパクトで負けないように嘘を織り交ぜて少し話を持ってしまった」、「前の学生の回答がずれているような気がしたが、自分の回答に自信がないため同じように回答してしまった」、このようなことに見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。他の学生を意識しすぎるあまり起きてしまったことだと思いますが、あくまで自分に自信を持って惑わされすぎないようにしましょう。


④ほかの就活生の回答を聞かない

決して自分にスポットライトが当たっている時だけが評価の対象になるわけではありません。「自分の番が来た時にどんな話をしよう」「このグループの中で一番目立つ回答は何だろう」と自分の回答のことしか考えず、他の学生の回答に関心を示さないのはNGです。自分本位と捉えられ、チームの中で活躍するイメージを面接官に与えづらくなります。傾聴態度もしっかり評価の対象となるので、常に見られているという意識を忘れてはいけません。自分の回答の中で「〇〇さんもおっしゃっていた通り、〜」のように他の学生の回答も踏まえた回答をしても良いかもしれません。ただ決して他の学生の回答を否定するようなことはしてはいけません。



グループ面接ならではの準備をしっかりしよう


大学のキャリアセンターやエージェントでは、個人面接の対策をすることは多いと思います。しかしグループ面接はその特性上実践的な対策が取りづらく、しっかりとした準備が出来ないまま本番を迎えることも少なくないはずです。ここまで見てきた、グループ面接の特徴、企業側の意図、NGとなるポイントをおさえて、万全の状態で望めるようにしましょう。

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