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二十四節気の養生法【2022立秋】

 秋の最初の節気。8月7日から8月22日(処暑の前日)までの2週間が「立秋」です。暦便覧には「初めて秋の気立つがゆへなれば也 」とあります。本来なら秋の気配が漂ってきそうなイメージですが、まだまだこれから夏本番って感じですね。中医学では三伏天と呼ばれる時期が一年で一番暑い時で暑邪や熱邪に傷められやすい時期です。立秋は、まだ中伏期間中で暑気の真っ最中、立秋後初めての庚日からが末伏になりますので、まだまだあと3週間近くは三伏天の猛暑期間になります。
 これは新暦と旧暦のずれがあり、旧暦での8月7日は新暦では9月13日になります。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますから、この頃になると「秋が立つ」と言われると、そろそろ秋の気配かなぁと感じられるようになる頃かも知れませんね。

今月の癒しの庭園 仁和寺「スカイランタン」

 今回はお庭ではなく、世界遺産の御室仁和寺で開催されたイベント「スカイランタン」をご紹介します。
スカイランタンは、もともとは中国の前漢の時代から続く「元宵節」という春節から数えて15日目の満月の日に行われ、日本的には小正月にあたる日でこの日までがお正月とされる大切な節日です。
 この日は、各家庭で提灯を作って飾り、家族が集まって邪気を払い家族円満を祈って、まん丸い「元宵」や「湯圓」と呼ばれる白玉団子を食べます。灯節とも言われクリスマスツリーのように色とりどりの提灯を作って飾られますが、それが徐々に盛大になり台湾やタイなどで、願い事を書いたランタンを夜空に放つイベントになりました。台湾のランタンフェスティバルは、とても有名で幻想的な大イベントなので一度行ってみたいと思っていましたが、新型コロナでなかなか台湾に行けなく残念に思っていましたが、今回職場の近くの仁和寺で「スカイランタン」というイベントが行われましたので出かけてみました。

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 寺院内に入り込もうとする邪鬼を踏み潰している左右の金剛力士像がまつられる山門をくぐりイベント会場の国宝金堂に向かいます。

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 日が暮れて薄暗くなりライトアップされた青紅葉がキレイに映し出され、厳かな雰囲気になってきました。

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 イベントでは、ランタンを上げる前にソプラノ歌手と三味線がコラボした歌声や雅楽が演奏されたり白拍子を再現されて舞を披露されたりして荘厳さがますます醸し出されます。(残念ながら撮影禁止だったので画像はありません) 演奏や舞が終わった後、仁和寺僧侶による声明によりコロナや戦争の収束を祈念された後、合図を期に一斉にそれぞれの願い事を書いたランタンを夜空に放ちました。
 これを読んでいただいている皆様の「ご健康とご多幸」もお祈りしておきました!

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 安全やゴミの後片付けのために灯りのついた風船を入れたランタンに糸がついたものですが、かなり上空まで舞い上がりたくさんの数のランタンで、本物には及ばないもののそれなりに雰囲気を味わえました。この日は期せずして母の40回目の命日でしたので、優しかった母を偲び良い供養が出来たかなと少し感傷に浸ることが出来ました。
 まもなくお盆ですので、皆さまもご先祖様をご供養して、今の自分が生かされいることに感謝し命や健康を大切にしてくださいね。 

立秋ですがまだまだ夏の養生を…

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 「黄帝内経四気調神大論篇」には、「四季の陰陽変化は万物生命の根本である。聖人は春夏に陽気を養い、秋冬に陰気を補ってその根本に従う。万物は春夏に成長し秋冬には収蔵を繰り返して生命活動を営む。それに逆らえば身体を壊し病気になり、従えば病気は起こらない、それを養生の道という。」と書かれています。
 中医学は「天人合一」や「天人相応」と言い、人も自然界の一員として自然の気の変化と調和して過ごすことが大切だと説いています。秋冬は「収蔵」と言って自然界のは春夏のように活発に活動せず収斂と貯蔵に向かいます。
 旧暦の秋分の日は今年の新暦では10月18日なので、その頃には猛暑も収まり空気も少し冷やかに乾燥してに移り変わっていきます。私たち人間も、春夏のように活発に活動してカラダの正気を外に発散させないよう心掛け、少しずつ正気を体内に収め厳しい冬に備えていくことが大切になってきます。
 逆にみると新暦の立秋(8/7)は旧暦ではまだ6月29日です。これからが本当の夏という時期ですね。二十四節気の養生法としては、やはり旧暦(太陽太陰暦)で捉える方がしっくりくるなぁと思います。旧暦は農暦とも言い農作業をする目安として二十四節気を用いてきましたが、旧暦で季節の移ろいをみていくと収穫される農作物や漁で採れる魚など旬の食べ物があったり、衣替えや冷暖房の入れ替え時期、五節句やお祭りなど子どものころから慣れ親しんできた季節行事などがあって、アジアの私たちにはやはり旧暦生活が合っているのかなぁと感じますね。

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 立秋とは言え、秋の気配さえ感じられず実際の気候としては、まだまだ猛暑日が続きます。養生法もまだまだ夏の養生法「清熱解暑」と「安神養心」が大切です。(しん)とは「神明を主る」と「血脈を主る」働きを言い、神明とは人間の意識・思惟・感情などの働きや心が全身を生態的に生命活動を営む主導をしています。「心蔵神」と言って、心(しん)は神を蔵していますが、暑さなどでイライラしやすく「心煩」となり心神を養えなくなると、不眠や動悸、めまい、食欲不振、精神不安などの症状が起こりやすくなります。また女性にとって子宮は経絡を介して直接繋がっており、心配事や悩み事、考え込んだりストレス過多などにより心の働きが低下すると血脈に影響し月経や妊娠・胎育にも大きく影響します。

 夏は五行の「」に属し心火が盛んになり過ぎないよう心火瀉し清熱除煩して心の働きを高めましょう。は、温・燥作用の強い生姜やニラ・ネギ・ニンニク・唐辛子などは控えめに。特に口内炎や口臭など胃熱が強い時や便秘や吹き出物が出来る時などは余分な熱がこもっています。苦味酸味食材で暑熱を取りましょう。イライラしたりストレス過多で陰虚体質の人は特に気をつけてください。日本の夏は湿度も高く「」の働きも弱りがちですので湿痰体質湿熱体質の人は、あっさりした薄味で消化の良い物がオススメです。 

 冷房などがない時代は、食べ物で清熱しましたが、最近は日本では夏はほとんど冷房が使われます。夏でも冷えるという人も多く、職場や公共施設、乗り物など冷房の効きすぎには注意が必要です。そういう人はあまり夏野菜やサラダばかり食べていると余計に冷えてしまいます。自分のカラダに合わせて清熱が必要な人や温補が必要な人、それぞれに合わせて食べ物を調整しましょう。どうしても冷たいものを摂りがちですが、あまり冷たい物ばかり摂り過ぎると脾を傷めます。腐りやすい時期でもあり冷蔵保存が殆どですが、冷たい物の摂り過ぎも気をつけてくださいね。

京都伝統中医学研究所の"立秋におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

1.「安神養心・清熱解毒」余分な熱を取り心(しん)を養うための薬膳茶&食材  
 イライラ、ストレス過多、夜更かし生活、温・燥性の食べ物、お酒の飲みすぎなどはカラダの中で余分な熱を生み、頭痛・めまい・不眠・多夢・眼充血・心悸・不安感・ニキビ・吹き出物・口内炎・口臭・口苦・出血・潮熱・口渇・盗汗などが起こります。
出来るだけ精神を安定させて穏やかに過ごし、心を養いましょう。 
ココロを穏やかにし、心を養うオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、「水巡茶」、「気血巡茶」、「ダイエット応援 爽快茶」、「酸梅湯」、「五望茶」など、
薬膳食材では、「緑豆」、「はとむぎ」、「金針菜」、「菊花」、「山査子」などがオススメ。

2.「健脾利湿」湿邪から脾を守り、お腹の調子を調えるための薬膳茶&食材 
 高温多湿な日本の夏。 ムシムシと蒸し暑い日が続きます。 台風や突然の豪雨など意外と湿度が高い日も多いです。
また冷たい物の飲みすぎ食べ過ぎで「」を傷め、お腹の調子を壊しやすい時期でもあります。 冷たい物の摂り過ぎや暑さで弱った脾の働きを高め、お腹の調子を良くするものを摂りましょう。 冷房の効いた部屋で過ごしがちの人は、汗をかかないので水の巡りも悪くなりがち。
お腹を温め、脾の働きを高めるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、「なつめ薬膳茶」、「薏棗紅豆茶」、「桂棗黒豆茶」、「健やか茶」、「美顔茶」など、
薬膳食材では、「なつめ」、「クコの実」、「蓮の実」、「美潤湯」、「いろいろお豆のお汁粉」などがオススメ。

3.「漢方入浴剤」湿邪から脾を守り、お腹の調子を調えるための薬膳茶&食材 
  ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」でカラダが温まりココロの緊張もほぐれ、気の巡りを促進。 ヨモギは温経止痛、散寒止痛、除湿止痒の効果があり内科、婦人科、皮膚科でもよく使われます。 あせもや湿疹など皮膚病の予防にオススメです。 また、エキゾチックでオリエンタルな香りの 「すっきりさっぱり乃湯」は、藿香正気散で有名な去暑薬の「藿香 」(かつこう)をたっぷり配合。 気の巡りが促進し、モヤモヤ気分もスッキリさっぱり、暑気あたりの体調不調やストレス、気鬱、不眠の解消にオススメです。 ぬるめのお湯で半身浴などでリラックス、香りで癒されますよ♪  

薬膳茶や薬膳食材などの商品は各ショップでお買い求めいただけます。
薬膳茶&薬膳食材専門店 京都 楽楽堂
https://www.kyotorakurakudo.com (ただいま開店準備中)
京都伝統中医学研究所 楽天市場店 https://www.rakuten.co.jp/iktcm/
京都伝統中医学研究所 ヤフー店 https://store.shopping.yahoo.co.jp/iktcm/

中医学や漢方の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。
次回は、8月23日「處暑」ですね。 まだまだ残暑も厳しいでしょうね!?  
秋と言っても空気が冷たくなる晩秋までは、「温燥」と言い、残暑の養生が大切です! 







 


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