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ひとりひとり違う場所で輝く、働き方の多様性

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、人々に生活様式の変化をもたらした。マスコミ報道などを見ていると、テレワークやリモート会議の普及は、わたしたちの働き方を大きく変えた…ような気がする。

とはいえ、わたしの身の周りだけを見渡してみると、さほど大きな変化は感じられない。在宅ワークは一時しのぎ。オンライン会議は手軽で便利だと思うけれど。そもそもの機械操作のハードルが高いと感じる人や、抵抗感を感じる人も少なくないようだ。

そもそも対人援助の仕事をしていると、全てテレワークというわけにはいかない。相談や連絡調整は電話で済むこともあるけれど。介護はオンラインではできないし。そこで暮らす人がいるのだから、支える人が必要だ。
ライフラインを支える人たちは、現場を離れるわけにはいかない。

仕事の形態は多種多様で。それぞれのかたちや役割に沿った働き方がある。
ひとりひとりにあった仕事や働き方があるはずなのだけれど。
ダイバーシティがうたわれながらも、現実はまだまだ多様性には程遠い。

ダイバーシティ(Diversity)「多様性」
主に企業経営の分野で、年齢、性別、国籍、学歴、職歴、人種、民族、宗教、性的指向などの違いにとらわれず多様な人材を登用し、活かすことで、組織の競争力を高めようとする取り組みのことを指す。

ダイバーシティって、障害者とか、女性とか、外国籍とか、一部のマイノリティに対するものと思われてることがあるけど。決してそうじゃなく。本来わたしたちみんなのものなんだよね。
ひとりひとりみんな得意不得意があって、ライフスタイルも価値観も違う。働き方もひとの数だけあっていい。

毎日会社に通うだけが仕事じゃない。
自宅でできる仕事もあるし、自宅の方ができる仕事だってある。
隙間時間を活用して、移動の途中でできる仕事だってある。
職場だと、温度や音が気になりすぎると。仕事に集中できる場所を探して、ジプシーみたいに彷徨っている、わたしみたいな人もいるはず。

毎日仕事に通うことが必要な人もいる。
暮らしを支えるエッセンシャルワーカーはもちろんのこと。
自宅だとあれこれ気が散りすぎる。なかなか仕事スイッチが入らない。
自宅を跳ねるうさぎがかわいすぎると。撫でろ、エサくれ、こてんと寝るうさぎが気になって、仕事にならない人もいるはず。(わたしだけ?)

こつこつとひとつの作業に集中して取り組むのが好きなひともいれば。いろいろな仕事でアイデアを発揮してみたり、あちこちとびまわって働くのが好きな人もいる。
朝型の人もいれば、夜型の人もいる。仕事に適した時間もひとそれぞれ。

いろいろな特性を持つ方々の、就労相談・就労支援をしている。
ひとりひとりにあった働き方と就労とのマッチングができればよいけれど、現実には、なかなか難しく、悩みは尽きない。

現実の社会は、多様になったと言いながらも、まだまだ画一的で。
ひととの違いが評価されるには、けっこうハードルが高い。
「本人の能力」「まわりの環境」「人との出会い」その3つに恵まれた(もしくはいずれかがずばぬけて高いかの)ごく一部の人だけが、力を発揮し、評価されて、話題になることはあるけれど。
わたしたちのすぐとなりにいる、誰かの力は、意外と見過ごされがちだ。

大きな企業のダイバーシティや働き方改革も大切だけど。
中小企業や現業職のダイバーシティと、それから時給829円の最低賃金で社会を支えるたくさんの人々の、多様な働き方の再評価と、多様な受け皿づくりはもっともっと必要なのだよな。

人々の生活様式の変化にあわせて、みんなの働き方や、働き方の多様性に対する意識は少しずつ変化している。
テレワークがもっと普及して一般的になれば、これまでとは違った力を発揮できる人たちもいる。時間差出勤やオンライン会議など、うまく活用できれば、仕事の効率化にもなるし。

働き方の選択肢が、少しずつ増えてきている今だから。
単なる感染症対策を超えて。多様な働き方に対応できる場が広がっていって欲しいなと思う。

今よりほんの少し柔軟に。ほんの少し選択肢が増えるだけでも。
ほんの少しの積み重ねが、大きな変化につながるから。


学校という社会の「多様性」


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