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宿題をがんばるキミへ。


大きな海を泳ぐ亀。
ここまで育つのに
どんな世界を泳いできたのだろう。

それは美沙の紡ぎ出す世界。

きっとこの大きな海のように
とにかく広い世界が、
私の想像のさらに上をいく
そんな大きな世界が
頭の中に広がっているんだろうな。

学校の世界もこんなふうに
うーんと
どこまでも広ーく
なんの枠もない世界だったら
ハンデという言葉も
なくなるんだろうか・・・

美沙がまだ
周りの子と違う・・・

いや、正確には
周りの子と成長のテンポが違う。

そんな認識のない頃の毎日の漢字練習。

5時のキンコンがなると同時に
テーブルにノートを広げるんだけど。
書いても書いても覚えられないから
一向に漢字は進まない。

そのうち、
シクシク
エンエン
ウワーーーン。

泣きの三段活用か?

というほどにとにかく泣く。

でも、一通り泣き終わると
すくっと意を決するのか、
そこから漢字練習を始める。

ありゃ、儀式か?

で、気がつくと9時回ってたかな。

そこからご飯を食べて
お風呂入って
明日の準備して。

気がつけば10時は
余裕で過ぎてた気がする。

とまぁ、漢字練習のやり方が
これじゃ覚えられないとわかり、
ちょっと別のやり方を試してみたら
スムーズに覚えられるようになったら
その儀式もすっかり落ち着いたっけな。


私はやっぱり鬼だったからね。

泣けばやらなくてすむなんざぁ
思ってもらっちゃ困るんだよぉ!

まぁ昭和のバリバリ体育会系で
やってきたものだからね。

そんな気持ちで、どんなに泣いても
手綱を緩めることはしなかった。

んもぉぉぉってイライラしたり。
こんなことやらせてる
自分がすごく嫌になったり。
他のお母さんはもっとちゃんと
やらせてるんだろうなぁ、とか、
早く寝かせたいのに、とか。

いろんなこと思ったよね。

最初はそんな泣き声に
なだめすかしてみたり
怒ってみたり。

そのうちもう
泣くだけ泣かしておこう。

そう、無の境地に至りまして。

だから、ほんとこの時間を振り返ると
うん。

結構なカオスだったなぁ。

・・・あれ?
この時旦那さんや長女って
どうしていたんだろう・・・
と言う記憶がびっくりするほど、ない。

でも時間にしたら
ほんの数ヶ月、だったかもしれない。

今ね、ちょっとある子と
関わりができてね。

その子もやっぱり、
宿題がなかなか終わらない。

本当は、減らしてあげたいけど
本人が断固としてそれを拒むんだって。

そんな我が子を見たら、
やっぱりいろんなこと思うんだろうな。

宿題何とかやらせなくちゃ。
どうして早く取り掛からないんだろう。
こんな宿題なんてムリムリ!
早く寝かさなきゃ!
もうやらなくていいよ!

・・・と、過去に思った事、感情を
ふと思い返してみたけど。

目の前のその子はとにかく・・・

宿題やらなくちゃ!
先生がやりなさいって言ったから!
ってね。

宿題を減らすと言う提案ですら
頑なに断る。

そんな気持ちで頑張っていたんだな。

何時になっても、
そんな時間に構う事なく
頑張ってるんだよね。

めちゃくちゃ自分の中の気持ちやら
なんやらと
格闘してるんだよね。

・・・美沙ももしかしたら
泣きながら
いろんな気持ちで
葛藤していたのかもね。

そんなところには
向き合うことしてなかったな。

どんなこと考えてるか、
なんて思いもしなかったな。

・・・
学校でもいろいろあって、
いろんな刺激に反応も
してたんだろうな。

きっとそのたんびに
先生やらトモダチやらに
怒られていたかもしれない。

前日の頑張りのおかげで
日中はぼーっとしちゃっていたかも。

それ、思うだけで
ほんとは胸がギューっと
しちゃうんだけど。

だけど。
そんなことかき消すほどに
いろんな思いが
親として
湧き出てきてたなぁ。

でも、もし、今
あの頃の鬼だった私に
言ってあげるなら。

ね?
大丈夫だよ。
その頑張りがちゃんと
少し先の未来に
繋がってるから。

だから、なんで、とか、もう、とか。

そんな言葉手放して
終わった時に
にっこり笑って頑張ったね!
さぁ、寝ようね。
ただそう言うだけでいいよ、って言うかな。

あったかい紅茶入れて、
まぁまぁ。
これ飲んでさ、
あなたもなんなら
この時間、一緒に本読んでみたら?
それとも、
あの時やったままになってる
リカちゃんの洋服、
また作ってみれば?

なーんてね。

あ、でもね?
それやったら、
多分私、怒ってたと思う。

はぁ?
今のあなたに、
私の気持ちの何が
わかるって言うのよ?

こんな状況だよ?
そんなこと、
あるわけないんじゃーーー

そりゃ、顔を真っ赤にして
怒っていたと思う。

あの鬼の私だものね笑

だけど、そんな鬼の私に。

たとえ小さい子どもだとしても、
遅くまで寝ないで頑張ってることを、
自分の意思で頑張っていることを、
きっといろんなことを考えて
小さい胸痛めながらも
頑張ってるってことを、
どうか肯定してあげてほしいな、
と、思ったりする。

あなたの子、すごいねって
さすが私の子だよねって
にっこりしながら言ってあげたい笑

なーんて。
それ、ほんと難しいけど。

難しいからこそ、
この世の中に
今宿題と格闘して頑張ってる子に
そんな言葉をかけてあげられる
そんなおばちゃんがここにいるってこと
知ってもらえたら嬉しいな。

あの当時の私が
そう言えない代わりに、
絶対にそう思えない代わりに、
今の私は何度も大きい声で
その子に伝えるよ。

その子の今のその努力は
ちゃんと少し先の
やりたいって思う道に
繋がってるよ!

もしかしたら、
あれだけ嫌だと苦痛に感じた時間を
頑張ったおかげで、
自分がやりたいと思えることに
とことん時間を忘れて
向き合えるものに
つながるってこともあるよ、
ってね。

その努力の答え。
ここに至るまで数々の学校で本当にがんばった、
そんな美沙の生きてきた証です。

この絵を見たら、
当時の私は何を思うかな。

なーんだこんな日が来るんだって
安心するかな。

いんや。

うっそだーって
さらにとことん葛藤しながら
突き進んでいくだろうな。

うん。
そんな私、だからね。

いんや。

こんな答えがあるなんて
知っちゃったら、
つまんないって思っちゃったかもね。

うん。
そんな私、だからね笑

今日もここまでお付き合いくださり
本当にありがとうございます。


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