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人に愛されたい人ほど人を愛すことができない。

程度の差はあれど、人から愛されたいというのは人間として当然の欲求かと思います。言い換えれば承認欲求とも呼びますが、これはかなり根源的な欲求で、生まれた時から本能に根ざしたものです。

ただ、実際に愛されるかどうかは本人の環境なり性質なり才能なりに依存します。
SNSの発達により、昔よりも他者との違いがわかりやすくなった現代。
キラキラした人達が輝きを増す一方、自分の人生を悲観して、惨めなものだと吐き捨てて、「愛が欲しい……」と呟く人も沢山居ます。

幼稚園児、小学生低学年くらいなら兎も角、いい大人が「愛されたい」だの「自分を認めて欲しい」だの主張したところで、それに構ってくれる人は居ません。

「誰かを好きになること」は無償ではありません。

作家とファンの関係に例えると、ファンの方々は作家のために本を買い(お金を使い)、時間を使い、感情を費やしています。その対価が作品、もしくは作家自身のキャラクター性なのです。

もしも貴方が愛して欲しいというなら、自分を愛すメリット、対価を支払わなければなりません。貴方にはそれがありますか?

普通の人にはないと思います。
人間は特別なモノ、才能あるモノに惹かれる生き物です。
でもこの世に存在する殆どの人間は特別じゃありません。

それでも人に愛されたいならどうすればいいか?
簡単なことです。
まずは自分から愛すればいいのです。

人は他人から愛情を向けられれば、大抵悪い気はしません。寧ろ、「こんなに自分を好きになってくれるなんて……」と愛情を返そうとします。それが表に出るかどうかは兎も角、内心では好意を抱くでしょう。

でも、インターネッツで見かける承認欲求の強い人は、あまり人を愛そうとしません。人間を憎んでいます。

これは僕自身にも当てはまることなんですが、「人に愛されたい」という想いが強い人間って、元々人を好きすぎるんですよ。もしくは、人間に期待しすぎてると言ってもいいでしょう。

人間の善性を信じてるから、自分が好意を向ければそれは報われると無邪気に信じちゃってるんです。でも現実は違います。どんなに貴方が誰かに好意を向けて、そのために色々してあげたとしても、それを裏切る人は沢山います。好意を受け止めたとしても、貴方を特別視することはありません。
そんなことが折り重なって、いつしか「裏切られるくらいなら最初から人を好きにならない」という思考になり、愛に飢えてる癖に自分から人を愛せない化物が生まれるのです。

人間は嘘を吐き、裏切る生き物です。
普通の人はそれを理解してるから、例え裏切られても「まぁこいつはそういう奴だった」で切り替えられます。
承認欲求が強すぎる人は思い込みも強い傾向にあり、人から裏切られた時その個人ではなく、人間というくくりで失望してしまうのです。

人を愛せなくなった化物が自分から人を愛せるようになるのは難しいと思います。
沢山の人間から愛を捧げられて、承認欲求を満たして、初めてその“見返り”として愛を提供できるようになります。

しかし、そもそもの話、沢山の人間から愛してもらえるような人間なら承認欲求の化物になんてなってません。

一度人を信用できない化物になった人間は、ディズニー映画みたいに人間には戻れないのです。


※これは僕が“化物”になった時の話。


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