性悪説

誰かが言っていた

主従において主は常に
冷静でなくてはならない
おもいやりを欠かしてはならない

とても正しい



ゆっくりと腰を動かし
ふたりの愛液がまざる音を聞いていた

その首を掴んだ指に
力が入ってゆく

やがて紅くなる顔から
苦しみが現れるも
力を抜き
ぼくにその身を委ねる

このままその命を背負って
ぼくの物語を終わらせる
それもいいかもしれない

そう思うと、
いつのまにか
前のめりになり
身体を激しく突いている



あぁ、ぼくはとても間違っている




だが正しくあることにこだわりはしない
そんなものに興味はない
今、目前でみだれる
この支配があればいい