敢えて万年筆を使う
何事もカタチから入るタイプである。
このnoteを書き始める前は万年筆をワザワザ購入して、作成したオリジナルノートに毎日、ダイアリーのように思うままに書き留めていた。筆記用具は万年筆。ボールペンより字体が綺麗に見えるからだ(私の筆跡が綺麗という意味ではない)。だから万年筆にも拘った。当初は書きやすいとの評価が高い物を使用していた。ところが毎日使う内に、インクが出にくくなり、書き味も落ちてきた。決して簡易的な物ではなかったのだが、私の使い方が良くなかったのだろうか。無論、メンテは怠らない。
次に購入するなら、長く使えるものが良いと考え、いろいろと調べてみると、これがまた奥深い。良質な万年筆には、インクもそれなりのものを合わせないと意味がないらしい。普通に考えれば、当然なことであるが、万年筆以上にインクの種類は先が見えないほどの奥深さがある。最近では、好きなカラーをオーダーで調合する方もいるらしいこともわかった。とはいえ、流石にそこまでの拘りは私にはない。
店舗で何本かの万年筆を試し書きすると、明らかに書き味が異なる。その中から、パイロットのカスタム845の中字を選んだ。この万年筆は細字などもあったが、自分の筆圧や書かれた文字の感じから、中字が最適と判断した。ある程度高価な物を購入すると、自然と人はそれを大事にするようになる。そうしたことも考えての購入である。私のノートには、インクは黒ではなく藍色系が映える。万年筆と同じブランドからshin-kai【深海】と書かれたインクを購入。同じシリーズでtsuki-yo【月夜】にするか迷ったが、書いた後に微妙な濃淡が出る深海を選んだ。
以前に購入したモンブランの中字ボールペンと細字のウォーターマンを一緒に、革のペンケースに入れて普段は持ち歩くようにしている。店舗でカード決済する時や贈り物をする際に書く宅急便の伝票に100円ボールペンなどで書くよりも、サッと出した方が良いのではないかと考えたからだ。はたまた何処かで見た映像のシーンをイメージしたのかも知れない。伝票に書くだけのことに、そこまで考える必要はないのでは?という意見もあるだろう。しかしカード決済する金額は、100円ではない。それ以上の金額である。それにたかがサインではあるが、その字は自分の署名であるから、きちんと書きたいという想いがある(ICチップにより暗証番号の入力で決済できるが、未だにサインの店もある)。また送り状についても同様で、それなりの品物を送るのに、贈り手である私の想いが伝わりにくいと考えてしまうからだ。弘法筆を選ばずとする諺は、達筆な方の話であり、私には到底通じない。
このnoteは、パソコンで書いているので、入力はとても楽であり訂正も容易い。だがこの作業を続けていると、肝心の文字を忘れそうになる。手を動かすことで、その筆の流れから、文字のカタチが脳にイメージされる。そうして書き順に習い、文字を覚えるのだが、指先だけのタイピングではそうはならない。だから簡単な漢字がわからなくならないように、手書きのダイアリーも継続している。
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