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今の16歳の試験勉強がすごすぎるお話

こんにちは! 
最近の中学生・高校生って本当にすごすぎる。

私の周囲でもeスポーツのプロ選手になっちゃったり、学校で商売始めたりと、いろんな方がいます。留学生から聞いた話ですが、感激したので本人の許可を得て共有します。

どんなことを学んでいるの?

留学生のH君(16歳)は日本人ですが、英国式の卒業試験中。
日本で言うと、高校受験みたいな感じです。

試験科目には、語学や数学、科学、物理、音楽、アート、ビジネス、ITなどいろいろある。中でも面白いのが「デザイン・テクノロジー」という試験です。

そもそもデザイン・テクノロジーって何?? 
「テクノロジー世界に参加するための準備クラス」出そう。
モノづくりと環境や文化、数学、科学、設計、材料などを学びます。

生徒は、歴史的、社会的、文化的、環境的、経済的要因がデザインにどう影響するかを学びます。学生は、技術的および実践的な専門知識をえて設計および作成し、創造的に働く機会を得ます。幅広い設計プロセス、材料技術、設備など、技術的および設計および製造のコア原則を学ぶことができます。また、専門家の技術原則をより深く研究する機会があります。

なんのこっちゃ? ですが、試験は実技と、ペーパーの二種類で、それぞれの設問で50%。

発明品を作成する


試験の半分を占めるのがNEA(ノン・エグザム・アセスメント)です。今までなかった新しいものを、学生自身が作り出す。お題(例 「安全性と機能性」)が与えられ、それに沿った新しいモノを自分の手で作り出すのです。

<デザインをする>
まずはデザインを決めます。エルゴノミクスを学び、また、利用者のターゲットを細かく決めることで、その年代の人が使いやすいようにします。

このデザインは、実際に試作をし、誰かに使ってもらいます。彼はダンボールと3Dプリンタで試作品を作り、友人に実地テストしてもらっています。試作を繰り返し(4回以上、試作を改善しなくてはなりません)、その度に製品をテストしてもらい、最終形にします。

「実際に友達の試作品を使ってみると、使いにくいことが多いです」とHくん。彼によると、ダイソンのドライヤーは、15回も改善を繰り返しているそう。

また、使用時の物理的な力を計算します。レバーを回すタイプの調理器具などは、どこに力がいつ加わるか、物理を使って説明しなくてはなりません。椅子だったら座ってる時に、上からかかってる力、後ろにかかる力。数を出す時もある。

色やデザインも重要です。ターゲットに合わせてその色なのか、デザインがそうなったのかを、言葉で相手が納得できるように説明します。

これは市場をどこにするかで大きく変わります。

彼は「緑はインドネシアでは受け入れられにくい」といいます。「また、赤字に白十字のマークはスイスでは違法になってしまいますので使えません。そういう文化的な背景も含めて、デザインを決めます」とのこと。

日本の製品をマレーシアにそのまま持ってきても文化的背景でうまくいかないことが多いのですが、そこを初めから睨んだ製品作りをするわけです。

<素材を選ぶ>

素材も自分で決めます。

この科目では、製造工程に使われる主な素材を一通り勉強します。

金属、プラスチック、木材、ガラス、紙など、それぞれの素材の分類から、細かい違い、製造方法や廃棄方法、利点・欠点を学ぶのです。

例えば、ポリマーには数種類あり、マークや素材の再利用方法、温度や湿度に対する強さや強度、安全性について、細かく知る。
H君は、「マレーシアのお菓子に使われる容器のポリマーは、ほとんど<PET>というものです。最も安く入手できるポリマーです」と教えてくれました。彼によれば、PETマークは七種類学ぶそうです。

この試験には、科学(物理や化学)、数学も関わってきます。

実際の素材を選ぶ際には、なぜその素材にしたのかを細かく説明しなくてはなりません。木を使いすぎると可燃性が強くなる。さらに水回りで使うのならどの素材がいいか。コーティングはどうするかも考えます。

また、最終仕上げとコーティングも考えます。
例えば、船を作るのなら、下の方はペイントで酸化を防ぐとか、利用シーンによって素材が変わります。

サステナビリティも重要な評価対象で、素材がfinite(再利用できない)non finite(再利用できる)かも重要です。どうやってリサイクルさせるか、サステナビリティも評価の対象になるため、処分の方法も考えます。

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