授業展開と難易度設定は生徒との綱引き
いつも自分が意識していることを綱引きに喩えて話しますが、実際のところは多くの進学校で行われている話だと思いますし、皆さん苦労されている内容だと思います。
できるだけ効率的に、短時間で、より高度な内容を教えこんでいきたいというのは進学校に限った話ではないかも知れませんが。
とはいえ最近ちょっと感じるのは、担当する生徒が音を上げるハードルが低くなっているような気がすることでしょうか。
これは、生徒の学力レベルが本当に年々下がっているのか、実は読解力が下がっているからなのか、メンタル的に放り出しやすくなっているのか‥
実際はこれらの要因も含めて複合的に絡み合っているのだとは思いますが。
やはり昨今、調べればすぐに答えが検索できてしまったり、昔に比べれば労せず目的を遂げることができるようになった背景があるのでしょうか。
ただ、だからといって教え込む学習内容が減ったり、そこに至るまでの思考過程を省略することができるというわけでもありません。
本質的にやらなければいけないことは変わらないと思っています。
ここから先は、我々の腕の見せどころなのかもしれません。
生徒たちが既に知っていることや過去に学んできたこと、生活経験との関連付けや絶妙な喩え、分かりやすい数値設定、適切な難易度設定など様々な業を組み合わせてどうにか引き上げていく。
生徒側の「わからない」「難しい」ばかりに耳を傾けてしまったこちらが折れて簡単にばかりしてしまうと、場合によっては「この先生は喚き続けていれば簡単にしてくれるんだ!じゃあもっと喚こう!」というような悪循環に陥りかねません。
明らかに難しすぎる内容や無理なスピードは禁物ですが、逆に簡単過ぎる内容にしたりゆっくり進めばいいというわけでもなく、こちらが年間計画(時として3年計画)の中でいつまでにどの単元までをどれだけの深さで教えるのかを考えた時に、譲れないラインはあると思います。
このあたりが綱引きに似ているのかもしれない、というところから書いているnote記事になります。
今年は、自分が思っていた以上に様々な引き出しを駆使したように感じます。
あるクラスはとにかくイメージをもたせるためにフワッとした説明で感覚をつかませたのですが、別のクラスではその説明で混乱しました。逆にこちらのクラスでは具体的に数値設定を仮に行ってゴリゴリに数値計算をして徹底的に突き詰めたら理解してくれました。かと思えば、そんな例え話が全く必要もなくサラッと通り過ぎていけるクラスもあったりして‥
教育って難しいけど面白いと思うのはこういうところかもしれませんね。
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