見出し画像

【ライターのプライド】ていねいに書く雑文~その197~20221211

【ライターのプライド】
実際に代わりがいるかどうかは別として、ライターは替えがきく職業だと思っている。

実際に稼げるかどうかは別として、ライターは誰にでもなれる職業だと思っている。

ライターは、言ってしまえばクライアントワーク、立場は同等かもしれないけれど、言ってしまえば下請けなところは否めないと思っている。

わたしは修正ありきの案件は多くない。だが1つだけ、必ず真っ赤にして返される案件がある。その案件は1年以上やってるけど、毎回真っ赤だ。ちなみに「こう修正してください」と赤字で書いてあるものの、何故そうするのかは書いてない。だから赤字をコピーして、元の文章に合うようにペーストする。
間に人が入って、やりとりをしてくれているタイプの案件になる。

あんまり毎回真っ赤になって返ってくるので、間の人に「お力になれてますか・・・?」と聞いたことがあるくらい。

わたしは記事は創作物でも作品でもなく、仕事は仕事と割り切っているタイプなので、提出した記事が先方側でいくら修正されて公開されようと気にならない。基本的に熱いハートは持っていないのだ。

そんなわたしでも、少しはライターとしてのプライドなるものがあったんだなと我ながらビックリした話。

いつもの通り、真っ赤になって返ってきた案件。「そこまで直すならそっちでやってくれよ」と思わなくもないのだが、そんなことを言うのは仕事放棄なので言わない。言い回しの修正が求められるのはいつものことで、それはもう慣れている。

ただ、今回初めて「文章が冗長なので直してほしい」と言われた。

まぁ、よくある話だとは思う。

わたしはあまり頭がいい方ではない。特に理科分野が苦手で、小学生向けの優しいサイトであっても「え?それってこれはどうなってんの?」と思うことがよくある。

今回、冗長だと言われたのはまさに理科分野で、とある機械の仕組みを説明する項だった。

その機械の仕組みについて簡単に説明している小学生向けのサイトを見つけるも、7割ぐらいしか理解できない。それだと、自分の言葉で説明できない。

一応曲がりなりにも大学を出たぐらいの頭はある人間が、小学生向けのサイトでも理解できないのは問題かもしれない。

別に「わたしのように理解できない人のために!」なんて使命感は正直あまりないし、理解できない人は、いわゆる記事のターゲットでもない。だけど、その仕組みの説明を、わたしが理解できる言葉で書くのを諦めたくなかった。

自分が書いている文章を、自分が言葉を濁して、自分でも分からない文章にはできない。

だから、サイトの説明の文章とにらめっこをして「ここがこうだから、このときあれは・・・」などと、脳をフル回転させて、なんとか仕組みを理解し、自分の文章に落としこんだ。

それが冗長だと。

周りのサイトが「これぐらい言えば分かるでしょ?」って感じでふんわりとしか説明してないのを、私が補完したぐらいの気概だったので、冗長、要は無駄が多いと言われるのはショックだった。

初めて「できません」と言った。

結局「内容は問題ないので、言い回しが端的にできるところがあれば・・」といったレベルに落ち着いた。

落ち着いて今考えると、この行動が正しかったのかは分からない。ただの自分のエゴだったともいえる。わたしがもう少し理科の知識や理解力に長けていたらそういう文章にはならなかったわけだし。

でも、誰かのために書いた文章なのに、自分が理解できないってのはなー。なんて思ったり。

行動の是非はおいといて、自分にもライターらしいプライドがあるんじゃん、って我ながらちょっとびっくりしたのでした。

この記事が参加している募集

#ライターの仕事

7,368件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?