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【大切な人を自死で亡くした方へ】『そっとたいむ』の開催について

私たちは、NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp
note: 改めまして。Sottoってどんな場所?

グリーフサポートとは

「グリーフ」とは、大切なもの・大切な人を、失ったときに起こる深い悲しみのことを指します。
私たちは、様々な状況で、グリーフを経験しています。
それは特別なことというより、喪失に対する正常な反応と言えます。

そして、自分の生きる環境の中で、社会との繋がりや周りのサポートに助けを得て、その悲しみを少しずつ受け入れたり、苦しみを乗り越えていったりしようと努めます。
しかし、その苦しみがあまりにも大きく深かったり、また社会や周りのサポートが届きにくかったりする場合は、気持ちを回復していくことが難しく、深い孤独を感じ生きていくこと自体つらくなってくることがあります。

家族・友人・恋人など、間柄にはこだわらず、大切な人を自死により失った悲しみ、寂しさ、苦しみ、どうしようもなさ…その複雑な思いを抱え込んでひとりぼっちになっている方のそばにいたい、そのような思いからSottoのグリーフサポート活動は継続されています。
参加された方のそれぞれの思いを大切に、安心して過ごすことのできる場所を用意して、そのお心に そっと手を添えていきたいと思っています。

普段話せない想いを受け取る「語りあう会」

 実際に参加される方々は、なかなか言えない話を聞いてもらいたい、同じ立場にある人がどうやって死を受け止め向き合っているのか知りたい、というような思いから来られます。
また、すでに様々な遺族会に参加されている方もいらっしゃり、安心して語れる場を探し求めておられるのだと感じることもあります。

Sottoのグリーフサポート活動である「語りあう会」は、2011年に開始しました。
大切な人を自死で亡くした方が、誰にも否定されずに気持ちを話すことができ、少しでもほっとしていただけるような心の居場所を作りたいとの思いで運営してきました。
京都市のお寺を会場に、心落ち着く空間で過ごしていただけます。

GS写真

遺族会と一口に言っても会ごとに雰囲気や性質が違いますし、大切な人を自死で亡くしたという経験は同じでも、今感じている想いまでそっくり同じという人にはなかなか出会えません。
亡くされてからの期間も状況も、今置かれている環境や立場も、それぞれに違うからです。

遺族会で元気をもらえる出会いもあれば、他の遺族の方から励ましのつもりでかけられた言葉が、まだ前向きになれない自分には受け止められず、共通の経験をしていても温度差を感じてしまうこともあります。

語りあう会では、スタッフを交え参加者の皆さんがお気持ちを共有する時間に加え、お一人ごと個別にスタッフがお話をお聴きする時間も取っていました。
他の参加者の方にはなかなか話せないこともありますし、そうした気持ちを話せないままに持って帰るより、会の中でお話ができる場を用意したいという思いからです。

「語りあう会」から「そっとたいむ」へ

 大切な人を自死で亡くしたということは簡単に他人に話せることではありませんし、時に周りから受ける心無い言葉や態度に傷つくこともあるかと思います。
自死遺族の集まりに参加するだけでも、色々な不安から強く悩まれた方もおられることでしょう。
自死遺族の集まりに参加しても、話をする中で揺れる気持ちや、湧き起こる感情にうまく言葉が出ないことも、他の遺族の方へ遠慮から話しにくいこともあるかと思います。

私たちが語りあう会の開催を続けていく中で、特に会の後半に設けている個別にお話する時間の意味は大きいと感じるようになってきました。
京都のお寺の落ち着く空間で、参加者お一人につき相談員二人が向き合い、想いをしっかりと丁寧に受け取ります。
どんな言葉も、怒りも、涙も、死んでしまいたくなるほどの悲しみも、そのままに。

しかし、この個別の時間は、これまではあくまで補助的な位置づけとして用意していました。
そこで、参加者にいただいた声やグリーフサポート委員会での議論を踏まえ、今年度からは会を通して個別にスタッフがお話をお聴きする形にリニューアルし、会の名前も「そっとたいむ」へと変更することとなりました。

そっとたいむサムネ

Sottoは、研修を受けたボランティアが運営しています。
Sottoは、個人情報ならびこの場でのお話内容等、秘密を厳守します。
保育士資格をもったボランティアもいますので、託児希望の方はお申し込み時にお伝えください。
事前にお伝えいただければ、筆談や要約筆記サポートが可能です。

◆変わることのない姿勢

 対人支援の場では、気持ちのやり取りが起きるのは、言葉によってだけではありません。
場の雰囲気や、仕草や表情に表れる声なき声も、コミュニケーションの一部です。
そのような、はっきりと聴こえることも見ることもない、言外の想いに敏感であることを相談員は心がけています。

会はリニューアルしますが、Sottoのグリーフサポート活動は今までと変わることなく、安心して過ごすことのできる場所を用意しています。

今、こんな社会情勢の中で、偏見や差別が起きたり、ひとりで抱え込まなければならない不安や恐怖に、誰にも言えない気持ちを抱えこんで、大切な人の死と向き合うことが難しくなっているあなたに。
Sottoはその想いをそっと大切に受け取りたい、そう思っています。

(Sotto グリーフサポート委員長 中田 三恵)

~申込み情報~

前日までに電話かメールにてお名前を添えてお申し込みください。匿名でもかまいません。

日程など詳細はSottoのHPをご参照ください。
https://www.kyoto-jsc.jp/wakachiai.html

~申し込み先~
認定NPO法人 京都自死・自殺相談センターSotto 事務局
TEL:075-365-1600(平日9:00~17:00)
メール:so-dan@kyoto-jsc.jp
※そっとたいむのオンライン開催について
そっとタイムは、コロナウイルス感染拡大による影響を考慮し、オンライン上での参加も受け付けています。(2021/10/2現在)
オンライン会議ツール「Zoom」を使い、Sottoのスタッフとお話をいただくことができます。
スマホ・タブレット・PCから参加可能です。
「Zoom」の使用方法が分からない場合でも、スタッフが案内しますのでSotto事務局まで気軽にお問い合わせください。

※今後、感染状況により開催手段が変更される場合もあります。

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