【Sotto】編集者のひとりごと 第1回~noteのコンセプト~【京都自死・自殺相談センター】
私たちは、NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp/
note: 改めまして。Sottoってどんな場所?
note編集担当の不定期連載、始めます
初めまして、私はSottoのnoteの編集を担当しているピ~ちゃん(自称)です。
Sottoが力を入れてnoteで発信をするようになり、もう1年が経とうとしています。
別にこのタイミングだからというわけではないですが、noteの記事を企画したり作ったりしていく過程の裏側をチラッとお見せできれば、と思いこの不定期連載を始めることにしました。
け、決して記事のネタがない時の保険として始めたわけではありませんっ。
今回は初回なので、具体的にこういう流れで記事を作っています、というような具体的なことではなく、Sottoとしてnoteをどういう思いで運用しているのか、といういくらか大きな指針のようなものについて書きたいと思っています。
ネットで情報発信することの必要性
ここ数年、情報社会化とコンピューターのモバイル化に後押しされ、企業やNPOなどの団体にとって、ネットでの情報発信(主にスマホ向け)に力を入れることはもはやマストな条件になりつつあるような空気を肌で感じていました。
そこで私はある日、ほわ~んと考えました。
noteという素晴らしいサービスもあるのだし、Sottoには素敵な文章を書くベテラン相談員(たとえば相談委員長のねこさん)も、すごくユニークな個性を持つスタッフ(たとえばナマ子さん)もいるじゃないか、と。
はっきり言ってSottoにはお金も人員も余裕はないし、発信のノウハウもないけれど、少しずつでも取り組んでいけばきっと有意義な発信ができる!と私は信じることができました。
そこで、年度が変わるタイミングで、それまでは不定期にしか稼働していなかったnoteのアカウントをテコ入れし、月4回の更新を目標にして運営を始めました。
面白いものを作りたい
発信をするにしても、当然ながら何でもいいから出せばいいというものではなく、やはりそこにはコンセプトや指針のようなものが必要になってくると思います。
そして、Sottoとしてnoteでの発信をするにあたって私が心がけようと決めたこと(今も心がけていること)は、「純粋に読み物として面白いものを作る」ということでした。
これは主に二つの観点において「読み物として面白いもの」であることを目指しています。
Sottoらしさをインターネットを使って届けたい
一つ目は、今つらい思いを抱えている方に、ほっとできるSottoらしさをインターネットを使って届ける、という観点です。
すでにSottoの相談窓口にアクセスしたり、おでんの会に参加したりしておられる方が、よりSottoを身近に感じてもらえるように、という思いもあります。
そしてまだSottoに相談をしてはいない、あるいはできないけれども今つらい思いを持っておられる方に向け、場所・時間に囚われず読んでいてほっとできるものをお届けしたいと考えています。
現在Sottoは電話・メールによる相談受付と、おでんの会を初めとした居場所づくり活動を行っています。
それぞれに特徴があり、自身に合った窓口でSottoにアクセスしていただけるようになっていますが、これらは形態は違えど相談員との双方向のコミュニケーションをある程度前提にしています。
つらい気持ちの時、人と触れ合うことはとても大きな癒やしや助けになります。
私も振り返ってみれば、どうしようもなくつらい時は何かしら人に助けられて生きてきたように思います。
しかし、常にそれが正解であるとも限らないのもまた事実だと思います。
人の性格が十人十色であるように、「死にたい」という気持ちが生まれるまでの過程も多様です。
そして、死にたいくらいつらい気持ちにどのように対応するかも、また人それぞれです。
人と触れ合うことで気持ちを癒そうとする人がいれば、一人だけで気持ちと向き合おうとする人もいる。
さらに言えば、同じ人でもその時々で気持ちは揺れ動き、変わるものです。
昨日は外に出て人と話したけれど、今日は誰にも会いたくないし家から一歩も出たくない、そんな風に思うことも自然なことです。
誰とも話したくない時は家でSottoのnoteをダラダラ読む、気が向けばごろごろシネマに行ってみる、何にもしたくない時は何にもしない。きっとそれでいいんだと思います。
「Sottoらしさ」をローカライズ
そこで、既存のSottoの活動の中で大事にされてきたSottoらしい温かさをインターネット上のコンテンツの中でも表現するためには、やはりそれなりに工夫してある種のローカライズ(調整し落とし込む作業)を行わなければなりません。
その工夫の一つの答えが、たとえば「ナマ子」というナマケモノとナマコが融合した生物(?)が日常の徒然なる物思いを綴った『ナマケモノ日記』です。
「(猫用おやつの)ちゅ~るを食べてみた」なんてことを書くこともあり、「えっ、こんなのアリなの?」と最初は思うんだけど、その脱力感が何だかクスっと笑えてくる。
一見「自死・自殺相談センター」と名の付く団体が発信するようなものではないように見えるかと思いますが、私が「Sottoらしさ」と聞いて浮かぶことって、自然と力が抜けてくるようなゆるさや、一般的な常識に縛られない柔軟さ、そして大袈裟に表現するわけではないけど確かに流れる人間愛(ちょっとくさい言葉ですね、恥ずかしい)、みたいなものたちなんです。
そういうものたちが「Sottoらしさ」を形作っているんだなぁと思うと、その「Sottoらしさ」をインターネットで届けるためには、「面白い」ものを作ることが正解なのではないかと思えたんです。
Sottoの相談員に相談をすることと、『ナマケモノ日記』を読むこと、体験としては全く違いますが、そこで湧いてくる感情の根本の部分は実はすごく近い、そんな状態を目指しています。
Sottoを応援してくれる人を増やしたい
そして二つ目は、Sottoを応援してくれる人を増やす、という観点です。
ここでいう応援には、寄付は当然ながら、ボランティア活動への参加やSNS上での投稿の拡散など多くの事柄が含まれます。
私たちの活動の理念である「死にたいくらいつらい気持ちを抱えた方の心の居場所づくり」について発信をすれば、比較的多くの方がその価値を認めてくださっていると感じますし、認めるとまでは言わなくとも「そんなことはするな!」というようにこの理念や活動自体を完全否定されたりするようなことはそうそうありません。
しかし、だからといって潤沢に寄付が集まったり、一緒に活動してくれる仲間がたくさん集ってくれるかと言うと、そうではないのです。
要するに、Sottoについて「活動の価値は認めているけれども、自ら積極的にコミットするほどの動機は持てない」ということです。
(私だって世の中に素敵な団体はたくさんあると思っていますが、それらに全て寄付しているかというと、そんなわけはないのです)
そういう方々を、積極的にSottoを応援したくなるような気持ちにさせてしまいたい。
そのためには、社会的な意義や道徳的な価値に加え、「面白い!」という心の感動が必要なのではないか、という風に私は考えています。
結局のところ、人を行動に駆り立てるのはシンプルな感情だったりしますしね。
ここで言う「面白い!」は、”funny” ではなくて ”interesting” の方が近いかと思います。
(上の方で書いた『ナマケモノ日記』なんかは "funny" と "interesting" の両方の面を持っていると思いますし、必ずしもどちらかに切り分けているわけでもないのですが)
Sottoの発信に触れることによって、自死・自殺というものについて深く考えるようになったり、想像もしなかったような問いに出会ったり・・・。
今はまだ足りないかもしれませんが、Sottoのnoteでそんな「面白い!」をお届けできればと思います。
さいごに
今回はSottoがnoteで大事にしている「読み物として面白いものを作る」という指針について書かせていただきました。
もちろん、まだまだ足りないところがたくさんあるのは実感しています。
でも胃をキリキリさせながら毎日深夜まで記事を作り続ける・・・みたいなことになってはそれこそSottoらしくないですし、私もそんな風に無理をする気はありません(素直)が、もっとnoteの記事は充実させていきたい・・・とは割と常に考えています。
すでに2020年度に向けて新たな企画を考えていますし、既存の企画もより良いものにしていく工夫も重ねています。
今後も温かく見守っていただければ幸いです。
読み返すと理想をひたすら書き連ねてしまったような気もしますが、Sottoのnoteがどういうコンセプトで運営をなされているのか、というところが皆さんに伝わっていれば幸いです。
不定期連載なので、第2回がいつになるのか分かりませんが、その際は自分はどんなことを考えているんだろう、と今から楽しみです。
もし、お気に入りの企画・記事があればぜひぜひSNS上や知り合いにシェアなどしてくださいませ!ピ~ちゃんも記事の執筆者も喜びます。
ではでは、少し冗長になってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。ピ~ちゃんでした!
ピ~ちゃん
~Sottoのnote 主な企画~
・ナマケモノ日記
・相談委員長の考えごと
・Sottoラジオ
~Sotto 相談窓口~
Sottoの各種相談窓口については、下記のページよりご確認ください。
https://www.kyoto-jsc.jp/sodan/
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