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記憶を辿る48
『 人種の違い 』
常夏のマリンスポーツで一般的なオプショナルツアーといえば、シュノーケリングやバナナボートだろう。続いてマリンジェットやサーフィン、パラセイリングなどになると思うが、私が選んだのはウェイクボード。
しかも船頭はビーチでたまたま会った白人で、しかも軍人というオチ付。
普通のオプショナルツアーになるはずもなかったのだ。
こういう横乗り系は膝の柔軟性が非常に重要になってくる。
英語で捲し立てる軍人レベルのマリンスポーツは、もはやビリーズブートキャンプをも超えていた。
なんとか外海に出るタイミングのジャンプの際、30cm、いや20cmほどボードが浮いた時はどれだけ安堵した事か分からない。鬼の教官と化していたジョンは「 Goo Job!! 」と褒め称え、戦場ともいうべき海上から引き上げた船上で抱擁してくれた。
疲れで一言も話さない私を横目に、彼はハワイの素晴らしさを説明していたが、マリーナまでに五感で感じたハワイの海の素晴らしさに説明など必要ない。ベトナムで帰還兵としてヘリに乗り込めた兵士は、こんな安堵感だったのだろうか。
こうして楽園オアフの入江で起きた戦争は終わりを告げる。
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マリーナに着くとジョンの愛犬が駆け寄ってきた。
一刻も早く先輩達が楽しんでいるであろうホテル周辺に戻りたかったのだが、事もあろうか一緒にボートを洗って帰ろうとジョンが言い出した。「有料オプショナルツアーだから、それはお前の仕事だろ」というような英文はもはや頭にはよぎりもせず、ただただ言いなりとなってホースを手に取ったのだが、この時ほど足に戯れてくる犬が鬱陶しく感じた事はない(笑)
ワイキキに向かう車の中の2人は無言だった。
しかし気さくな軍人ジョンは無言が耐えられなかったのか、遊び足らなかったのか分からないが、この後ナイトクラブに行こうと言い出した。
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